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はなかご  作者: 和音
第一章 初めての学園生活
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影山杏

私達がチャイムを押すと、おどおどした様子で影山さんが出てきた。

「えっと、僕に何かようでしょうか?」

「別に用事とかはないんだけどちょっとおしゃべりしたいなー。やっぱり寮仲間として、仲良くしたいなと思って。」

私が何を喋ろうか迷っていると、蜜柑が先に喋ってくれる。さすがコミュ強。

「いや僕は大丈夫です。そう言うのはみなさんでやっていただければいいので。」

まずい、このままでは話せなくなってしまう。というかこの調子じゃあ全然仲良く慣れる気がしないんだけど、蜜柑はどうするんだろう?

「まーまー、そんなつれないこと言わないでさあ。せっかくだしちょっとでいいからお話ししようよ。本当にちょっとでいいからさ。」

「はあ。まあ少しならいいですよ。とりあえず入ってください。」

影山さんは諦めたのか、ため息をついてドアを開けてくれた。さすが蜜柑、こういう時は頼りになる。

とりあえず私達は影山さんの部屋に入った。パソコンや漫画やらが飾ってあった。

「それで何について話すんですか?」

「うーんそうだね。とりあえず趣味とかないの?」

「まあゲームですかね。ゲームは楽しいので毎日やってますよ。」

「何のゲームするの?」

「そこまで話す必要あるんですか?」

「もちろんだよ!じゃないと話広げられないんでしょ。」

さっきから蜜柑のペースで話が進んでいってるし、このままいけば仲良く慣れるかも?少なくとも私の出番は無さそうだ。

「銃ゲーや格闘ゲームをよくやってますね。」

「いいじゃん。私も咲と一緒によく格闘ゲーはやってるよ。」

蜜柑がそう答えると、影山さんは目を光らせた。

「お二人もゲームとかやるんですね。」

「そうだね。こう見えて私結構ゲーム上手いんだよ?」

「本当ですか?」

「うん!影山さんがよかったら今度四人で対戦しようよ。西園寺さんも誘ってさ。」

「そ、そうすっね。」

西園寺さんの名前を出した瞬間少し焦っていた気がする。やっぱり二人の間で何かあるのかな。

「影山さんって西園寺さんのことどう思ってる?」

蜜柑もさっきの反応が気になったのか、直接聞いた。

「えっと急に何ですか?貴方達に関係ないような。」

「まあそうだけど。二人って同じ部屋じゃん?だから私達みたいに仲良いのか気になってさ。」

「お二人は仲良さそうでいいですよね。」

影山さんはそう言うと大きなため息を吐いた。

「もしかして二人って仲悪かったりする?」

蜜柑がストレートに聞いた。さすが蜜柑。

「いや仲が悪いというか、そもそもいっさい話さないんですよね。西園寺さんは僕によく話しかけてくれるんですけど、なんかすごい怖くて。」

まあそれは分かると言って蜜柑は大きく頷いた。

「それと西園寺さんは無理をして僕に話しかけてるんじゃないかと思って。別に僕のことなんか無視してもらっても構わないのに。」

「咲はどう思う?」

「うーん。影山さんの言ってることも分かるけど、西園寺さんが無理をしてるかは分からないし、影山さんも西園寺さんとは仲良くなりたいんじゃない?」

「それはそうですね。」

「今度二人で喋ってみたら?」

「それは少しハードルが高いです。」

「いやでもさ少しくらいは」

「もういいです!貴方たちには何も分からないですよね。僕の様なコミュ症の事なんて理解出来ないんですよ。」

「いやいや。そんなことないから。私は二人の事を思って。」

「というかなんでそんな西園寺さんと話させようとするんですか。関係ないでしょう。」

「違うよ影山さん。私も蜜柑も別に悪気があったわけじゃなく、ただ純粋にいろんなこと聞きたいなと思っただけで。」

「もうこれ以上言い訳は聞きたくないです。とりあえず今日は帰ってください!もう疲れたので。」

そう言って、咲は私と蜜柑を無理矢理追い出した。どうしてこうなった?途中までいい感じにいってたのに。





「はあ、無理だったよー。とりあえず西園寺さんになんて伝えよう。」

「うーん。まあ正直に言うしかなくない?」

「まあそうか。きついなあ。」

結局私達は正直に西園寺さんに言うことにした。

「おお!帰ってきましたか。上手くいきました?」

西園寺さんにそう聞かれると私と蜜柑は目を合わせ気まずいながらも西園寺さんに本当のことを話した。西園寺さんの顔色が少しずつ悪くなっていく。

「なんて事してるんですか!余計に気まずくなったじゃないですか。」

「ごめんってば。まさかこんなことになるとは。」

「まあしょうがないですけどね。私が頼んだことですし。」

もっときつく叱られると思った私達はきょとんとした。

「あれ意外と怒らないんだね。」

「ええ。まあどうせ私一人でも解決しないことでしたし、これはもうしょうがないことなのかもしれません。」

そう言って西園寺さんは顔を暗くした。その顔を見ると、私は心が傷んだ。どうにかして二人を仲良くさせたい。

「じゃあ私はこの辺で帰ろうと思います。それではごきげんよう。」

西園寺さんの顔は曇っていて、気力が感じれなかった。だけど今の西園寺に何を言っても無駄だと思った私は今日のところは何も言わないとにした。しかしこうなったらからには、どうにかして二人を仲良くさせて、影山さんとも和解できるようにしたい。

「あれ?咲のスマホ音なってるよ?」

考え事をしてる内に気がつくと、電話がかかっていた。私はとりあえず電話に出た。

「もしもし。どなたでしょうか?」

「ふふ、私だよ。急にごめんね。」

「うん大丈夫だけど電話番号よく分かったね。」

「霞先生が教えてくれたんだ。」

教えてくれたって、そんなこと先生が教えていいのか?プライバシーとかないの?

「まあいいや。それで何かあったの?」

「ううん。明日って学校が休みでしょう?だから二人で会いたいなあって。」

「いいよ、私も柳さんと遊びたいと思っていたから。」

「本当!やったあ。言質は取ったからね。じゃあ時間はまた後でLINEに送っておくからね。」

「うん。それじゃあ。」

私はそう言って電話を切った。

「咲。誰からの電話だったの?」

「柳さんが明日遊ぼうって。」

「えー。それって私も着いて行っていいやつ?」

「それは柳さんに聞いてみないとわかんないかな。」

「やだやだ私も行く。じゃなきゃ外出禁止。」

そう言って蜜柑は大声で駄々をこねる。何故蜜柑が決めるのか。

今日はいつもより疲れた気がするがとりあえず今日はもう何も考えないようにしよう。部活のことも西園寺さんのことも一旦後回しにして、ベットに飛び込むのだった。

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