後悔
蜜柑視点です。
今日はとても楽しい一日だった。みんなでご飯食べて、いろんなところ回って、ゲームセンターで遊んで、それで終わりと思ってたのに。私がちゃんと見てないから、また咲を怖い目に合わせてしまった。咲を傷つけてしまった。咲が私に抱きついてきた時、咲の体は震えていた。どれだけ怖かっただろうか。そう思えば思うほど何もできなかった私が憎くなる。咲はもう泣いてはいないがまだ少し震えて、不安そうな顔をする。私は咲の背中を優しく叩きながら、大丈夫だよと言うしかなかった。
「蜜柑、戻ってきたよ。」
少しすると麻莉と椿が帰ってきた。あの事件のあと私は咲の元に残り、椿はナンパした奴らを探しに行って、麻莉はこのことをショッピングモール内にいる警備員に事情を説明した。
「でこのあとどうするよ?」
「私が霞先生を呼んだから、もうすぐ来るはず。」
あの先生は怪しいからあまり頼りたくなかったが今回ばかりは仕方ない。
「そっか。それは良かった。あの男達が外にいるかもだから先生がいると安心だね。」
「うん。だから椿と麻莉はもう帰って大丈夫だよ。」
私がそう言うと、二人は呆れた顔をした。
「いやいや、そんなこと出来るわけないでしょ。こんな状況なんだから先生が車でアタシもそばにいるよ。」
「そうだぜ。俺らも最後まで見守るよ。あいつらがここに来るかもだしな。」
二人はそう言って、私の隣の席に座った。二人はいつもこういう時一緒にいてくれる。それが私としてはすごく嬉しい。そうしてみんなで待っていると静かに咲が口を開いた。
「ごめん、私のせいで。せっかくみんなで楽しんでたのに。」
咲が震えた声でそう言うと、私は心苦しい気持ちになる。咲は何も悪くない。そもそも悪いのはどう考えても男の方だし私が一緒に行ってればこうはならなかったかもしれない。咲が酷い目にあったことは決して許せなかったがそれよりも、咲がおい目を感じてることが何よりも私にとって許せないことだった。
「なんで咲が謝るの?咲は何も悪くないでしょ。」
「だってみんなに迷惑かけたし。私がいなければ。」
「違うから!」
私が大きい声でそう言うと、咲は驚いた。私は遂に我慢が限界を迎えた。
「咲のせいじゃないから。こんなの予想出来なかったことだし、あの状況は誰だって怖いから。だから迷惑なんてかかってないし、自分がいなければなんて思わないでよ!咲がいなかったら私はもう。」
気がつけば私は涙を流していた。本当に泣きたいのは咲のはずなのに。ただ私は自分の弱さに泣いていた。
「ごめん蜜柑。私怖かった。でもそれを伝えるのがもっと怖くて。」
「大丈夫だよ。咲と私は親友だから私になんだって相談していいんだよ?椿や麻莉もみんな咲の味方だからね。」
椿と麻莉もそっと頷く。私がそう言うと咲は再び泣き出した。
「ごめん嫌だった?」
「いやそうじゃなくて。すごく嬉しくて。」
泣きじゃくる咲を私はずっとぽんぽんと優しく叩いた。。するとタイミングを見計らったように、霞先生がやって来る。いつもの霞先生とは違い今日はすごく焦っていた。
「すみません遅れました。それじゃあすぐに帰りましょう。」
「じゃあ私達はここまでだね。それじゃあまた明日。」
「咲のことをちゃんと見てやれよ。」
「二人とも本当にありがとう。」
椿と麻莉は先生が来たのを確認すると、そのまま帰って行った。 私は二人にお礼を言って霞先生の車に向かった。
とりあえず私と咲は霞先生の車に乗った。私は車の中でも蜜柑の手を離すことはなかった。
「聞きたいことは山ほどありますが、今日は疲れてるでしょうから休んでください。明日また、二人には色々聞こうと思います。とりあえず二人が無事でよかったです。」
車から降りた私たちは自分の寮に戻った。寮に戻ると咲は再び私に抱きついて来る。
「今日は本当にありがとう。」
「ううん。私はなにもしてないよ。」
「いや蜜柑がいてくれて良かった。蜜柑が隣にいると安心するから。」
咲にそう言われると私は顔が真っ赤になった。やっぱり咲といるだけで私は幸せだ。
とりあえず私は誤魔化すように、お風呂に入ることにした。
「私も一緒に入っていい?」
咲が自分からお風呂に誘うのは初めてだった。なんだか今日の咲は甘えん坊だ。
「うん。大丈夫だよ。」
私がそう言うと咲は笑顔でお風呂場に入って行った。
怖いことがあったあとだからか、今の咲はいつもより甘えてくる。このままだと私が耐え切れる気がしないがとりあえずお風呂に入った。
それから食事をとってテレビを見たりしたがやはり今日はいつもより近い。私は心臓バクバクで、咲が話しかけてきてもほとんど上の空だった。
そんなこんなで波瀾万丈な一日だったがなんとか終わった。とりあえず、私はもう咲を1人にさせないことを誓った。咲は私が守る。あの男どもめ咲を泣かしたことを後悔させてやる。




