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はなかご  作者: 和音
第一章 初めての学園生活
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図書館

「咲、早く早く。図書館はこっちだよー。」

蜜柑はそう言って、私の手を引っ張りながら走った。

「ちょっと蜜柑、テンション高くない?あと急ぎすぎ。」

いつもうるさい蜜柑だけど今日ははいつもより少しテンションが高かった。

「えへへ、だって咲とお出かけなんてそりゃあテンションも高くなるよ。」

「まあ、テンションが高いのはいいけど図書館の中では騒がないでよ?あと私の勉強の邪魔もだめだからね?」

「わかってるってば!その代わりに勉強が終わったらカフェでもいこうね!」

蜜柑と約束し、2人で図書館へと向かった。今日は勉強が目的であり蜜柑と遊ぶことは後回しだ。

「着いたよ。ここが多分この辺で1番大きい図書館だよ。」

「えっ、図書館ってこんなに大きいの?」

蜜柑が案内した建物は、あまりにも大きくて、とても図書館とは思えなかった。私の町にも図書館はあったがそんなに大きくはなかった。

「すごいよ!ここならすごく捗りそう。」

「じゃあ私は小説でも読んでるから終わったら声かけてね。」

「うん。それじゃあ後で。」

そうして蜜柑とは一旦別れて、私は勉強室へと向かった。やっぱりここの図書館は、ものすごく広くて何度か迷いそうになった。本の種類もたくさんあって正直気になってしたかない。しかし今日は勉強のために来たのでこの誘惑に負けてはだめだ。幸いにも家からそんなに遠くもないから暇な時にでも行こうかな。 

図書館の1番奥の方に学習室があった。初めてきたのでよくわからないがとりあえず中に入ろうかな?

「失礼します。」

私は小声で挨拶だけして中に入った。中にはたくさんの本棚があって、参考書がぎっしりと入っていた。

大きな机が何個かあってそこでみんな勉強していた。周りはほとんど学生でみんながそれぞれ黙々と勉強していた。とりあえず私も席に着いて勉強を始めた。

何からやろうか迷ったけど、とりあえず1番苦手な英語から始めよう。私は英語がすごく苦手だった。公式だけ覚えればあとは簡単な数学、他人の感情や心情を読み取ればいい国語は得意だけど、英語は単語一つ一つを覚えないといけないうえに、活用形が多すぎて覚えきれない。そのうえ、外国人の英語はネイティブで聞き取りずらい。だから私は英語の成績だけあまり良くなかった。

だからこそ、高校ではもっと英語勉強しないといけない。とりあえず単語から覚えることにした。ひとつひとつレッドシートで隠しながら頭に入れていく。分からなかったらその単語を使った文を五回ノートに書くことを繰り返していった。





そんなこんなで二時間近くたったところで一旦勉強を止めることにした。本当はもっとやりたかったけど流石にこれ以上蜜柑を待たせるわけにも行かないので今日はこの辺で終わる。苦手な英語もとりあえず今回の範囲は行ける気がする。大体は覚えたからあとは家で最後の仕上げをするだけでよさそうだ。

「あら、もしかして日野さん?」

私が帰ろうとした時、西園寺さんが話しかけてきた。まさかこんなところで会うとは思ってなくてびっくりしてしまう。

「西園寺さんも勉強を?」

「はい。寮は騒がしいので、ここで勉強してました。」

「よくここに来るんですか?」

「ええ。ここはとても静かで落ち着きますから。それより、日野さんも明日のテストに向けて勉強されてたのですか?」

「はい。明日のテストは成績に関係ないとはいえ、それでもいい点数は取りたいので。」

私がそう言うと西園寺さんは微笑んだ。

「ふふっ、いい心がけですね私のライバルとして、申し分ない。」

西園寺さんはそう言うと部屋から出て行った。確かに特待生を目指す2人はライバルと言えるかもしれない。そうなるともっと私も頑張らないといけないな。

とりあえず私も部屋を出て、蜜柑を探しに行こう。確か、蜜柑は小説を読んでるって言ってたから、小説コーナーを探してみる。そこにはたくさんの小説があり、私が気になってた小説もいくつかある。その中に私の大好きな作家さんの本があったので、手に取ってみた。私の大好きな作家のLunaの奇跡の旅路いう本だった。体が弱く、小さい頃からずっと病院暮らしで、外の世界を知らない少女が、本の世界からやって来た妖精と旅に出るという内容だった。

Lunaの作品は毎回、ファンタジーの冒険物で、何度も読んでも飽きず、読むたびに新しいことに気づける。登場人物の心理描写もたくさんあり、本当に毎回ドキドキされる。とりあえずこの本だけ借りようかな。久しぶりに見たくなった。

「日野さん?」

私の後ろにはなんと柳さんがいた。まさか連続で知り合いに会うなんて。この図書館って人気なのか。

「まさかこんなとこで会えるなんてびっくりだよ。柳さんはどうしてここに?」

「私もびっくりしちゃった。私はただ本を読みにきただけだよ。暇な時はよくここに来るの。ところで日野さんは奇跡に旅路を借りるの?」

柳さんの問い私は軽く頷いた。奇跡の旅路を知ってる人がいるなんて嬉しい。

「柳さんもこの本知ってるの?私はLunaの大ファンでこの人の作品は全部読んでるよ。」

そう言うと、柳さんはぱあっと顔を明るくした。

「いいよね、この本!日野さんも分かってくれるんだ!」

興味津々に見つめて来る柳さんに私は不覚にもドキッとしてしまう。

「うん。特に心理描写が多いのが良いんだ。」

「わかる!それに世界観もよくて、見てて飽きないから神作品だと思う。」

好きな作品を語る柳さんは凄く興奮してた。柳さんも読書が好きだなんて気が合いそうだ。最近はあまり小説を読んでなかったけれどこれを機に読もうかな。今日何か借りてみよう。

「他にもおすすめの作品なんか教えるね。」

「本当?柳さんのおすすめ作品見てみたいな。」

そう言って二人で本について語り合っていたら蜜柑が少し怒りながらやって来た。すっかり蜜柑のことを忘れていた。

「あっ、咲ってばここにいたんだ。勉強室に行ってもいないからいろんなとこ回ってたらまさか他の女と話してたなんて。」

「ごめん蜜柑。蜜柑を探している間に柳さんと会って、気づいたら本に夢中になっちゃった。」

「もう、とりあえず早く行こうよ。私とデートするんだから。」

本当はもっと月花と話したかったがこれ以上待たせるわけにもいかないので今日はこの辺でおわることにした。あと別にデートするわけじゃないよ?

「ごめん、柳さん。今日はこの辺で」

「私はまだ日野さんとお喋りしたいのだけど。」

「だーめ!咲はこれから私とカフェに行くの!」

蜜柑と柳さんはお互いに見つめあっていた。もしかしてこの雰囲気はやばかったりする?

「浅野さんは日野さんと同じ部屋でしょ?それなら私に譲ってくれてもいいんじゃない。」

「咲は私とデートしたいよね?それに咲カフェとか好きでしょ。」

「いや、まあ好きだけれど別にデートではないから。」

どうしたらいいか分からない私はその場で戸惑うことしかできない。こんな時椿や麻莉がいてくれたら安心するのに。

「それなら私も行く!」

「え?」

私は戸惑いながらも結局三人で図書館に出ることになった。




こうしてなぜか三人でカフェに行くことになった。とはいえ、柳さんも蜜柑も私に交互に話しかけてきてとても疲れる。その上、二人の中は最悪で私が喋らないと空気が悪くなる。普段明るく誰にでも優しいはずの蜜柑は凄く柳さんを睨んでるし、柳さんも蜜柑を無視して私に話しかけてくる。何故こうなったのだろうか?

「とりあえず何頼む?私はミルクティーにしようかな?」

この空気なので私が仕切るしかない。私が喋らないと二人が喧嘩してしまう。

「じゃあ私も咲と同じので。」

「私も」

さっきから二人とも私を見つめるせいで落ち着かない。ただでさえ私は仕切ったりするのはあまり得意ではないのに。

「そういえば咲、勉強はできた?」

「うん。バッチリだよ。これなら明日のテストも大丈夫かな。」

「日野さんは勉強熱心だね。分からないことがあれば私が教えてあげるよ。」

柳さんがそう言うと、蜜柑も対抗してきた。いちいち対抗しなくていいのに。

「勉強なら私も教えられると思うよ。それに私の方がわかりやすく説明できる気がするもん。」

こうして二人はまた言い合いになる。さっきからこれの繰り返し、誰か助けてほしい。あと蜜柑って勉強できたの?私はそこが気になって仕方がない。

「とりあえず、2人とも仲良くしなよ。」

そう言うと、先に柳さんが答えた。

「だってこの人怖いから。私はただ日野さんとお話ししたいだけなの。」

「そんなことないよ。柳さんの方がずっと睨んで怖いよ。」

こうしてまたいい争いになる。助けて欲しいそう思っていると黒スーツを着た男性が話しかけてきた。

「お取り込みの中申し訳ありません。お嬢様、もう帰宅の時間であります。」

「えっ、もうこんな時間なの?まだ話し足りないけどしょうがないか。それじゃあまたね日野さん。」

笑顔でそう言うと月花はリムジンに乗って帰っていった。その様子を見て二人は口を合わせて言った。

「もしかして柳さんってお嬢様?」



そして色々あったが蜜柑と2人で帰ることにした。

色々あったがなんとか無事に終わることができた。

とりあえず分かったことは、あの二人を合わせてはいけないということだった。

「ねえ、咲。次はニ人で遊ぼね。」

それとさっきから蜜柑が手を握って来る。

「うん。また今度ね」

今日も大変な一日だったがとりあえず無事に終わって良かった。

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