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はなかご  作者: 和音
第一章 初めての学園生活
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柳月花

私はおそるおそる教室の扉を開けた。教室にはすでにたくさんの人がいて、みんなが一斉に私の方を見た。しかし蜜柑は緊張してる様子はなくそのまま挨拶をする。

「おっはよー。みんな初めまして浅野蜜柑です。これから一年よろしく。」

「わあ、蜜柑と同じクラスなんだね。」

「マジかよ。浅野さんやっぱり可愛いな。」

蜜柑がそう言うと、クラスのみんなが蜜柑に集まっていった。その間に私は自分の席に着いた。私の席は前から3番目の窓際で蜜柑がその二つ後ろの席だった。

蜜柑と同じ席にはなれなかったが上手くやってけるだろうか?

 先生は今職員会議中であと一時間近くらい暇で特にやることもないので明日のテスト勉強でもしておこう。明日は実力を測るためのテストがあるのでそのために少しでも多く勉強しとかないといけない。明日のテストは成績には関係なく大抵の人は勉強してないのだが私はそれでも特待生を目指してるから気が抜けない。

 後ろを見ると、蜜柑は、もうすでに隣の席の人と話していた。蜜柑はコミュ力高いし、私も少しは見習わないといけない。

隣の席の人くらいには何か話しかけた方がいいのかな?そんなふうに考えて結局やめた。私ってば本当にコミュ症だ。

それにしても教室は賑やかですごく騒がしい、みんないかにも陽キャといった感じで私がこのクラスに馴染めるかものすごく不安になる。。流石に蜜柑意外にもクラスで話せる友達が欲しい。蜜柑だってずっと私といるわけじゃないしクラスであまり浮きたくもない。それにしても私の中学は人が少なかったからここは人が多くて当分慣れそうにない。そんな感じで私が考えながら勉強してると誰かが話しかけてきた。

「ねえ、そこの問題間違ってるよ。ここはこの公式を使うといいよ。」

そう言われてよく見てみると確かに間違っていた、こんな難しい問題をちょっと見ただけでわかるなんてすごい。

「わざわざ教えてくれてありがとう。私は日野咲、これからよろしく。」

私が挨拶をすると隣の女の子はクスッと笑った。透き通った髪が綺麗だ。

「私は柳月花。よろしくね。」

月花は白髪で童顔の美少女であまり言葉数は多くなさそうな感じだ。この子とならやっていけそうだ。

「うん、こちらこそ。」

「それにしてもよくちょっと見ただけであの問題解けたね。すごいね月花。」

「・・・いきなり下の名前で呼ぶの?柳って呼んで。」

彼女は私を睨みながらそう言った。意外とそこら辺が厳しいんだなと思いつつ苗字で呼ぶことにした。確かにいきなり下の名前で呼ぶのは馴れ馴れ過ぎたかもしれない。

「ごめん、柳さん。会ったばかりなのに下の名前で読んで。」

「まあ、わかってくれたなら大丈夫だよ。あとこの問題のことだけどこれくらいなら簡単だよ。日野さんがいいなら先生が来るまで分からない所教えるよ?」

「本当!ありがとう柳さん。」

丁度難しくて分からなかったとところだから助かる。柳さんは私の分からない所を優しく教えてくれる。

柳さんは優しいし、柳さんが隣の席で良かった。

「それにしてもここはうるさいね。私あまりうるさいのは好きじゃないんだ。」

柳さんは少しだるそうにそう言った。

「うん。私もそんな好きじゃないかな。静かなところの方が落ち着くから好きなんだよね。」

「本当?私たち気が合うかも。それに隣の席が日野さんでよかった。」

「私も友達ができるか心配だったから嬉しいよ。」

「友達?私たちもう友達なの?」

「あっ、ごめんもしかして嫌だった?」 

また柳さんを不快にさせただろうか?そんなことを思っていると柳さんは慌てて否定した。

「違うの。そうじゃなくて、そのもう私のこと友達として認めてくれるの?」

「もちろん!柳さんとはこれからも仲良くしていきたいし。」

柳さんはキラキラとした目で私を見つめて来る。

「ありがとう日野さん。友達なんて初めてなの。」

月花は友達と言われてすごく嬉しいのか、すごく笑顔になってる。私も柳さんと仲良くなれて嬉しい。

それから一時間ほど柳さんと雑談も交えながら勉強をしていると教室に霞先生がやってきた。

「みなさん、すみません。会議が長引いてしまって。それでは今からロングホームルームを始めたいと思います。」

霞先生がそう言うと今まで騒いでいた生徒がみんな自分の席に着いた。

「はい、ではまずは僕の自己紹介からしましょうか。」

「私の名前は垣根霞と申します。これから一年間皆さんの担任として頑張っていきます。」

先生が自己紹介を言いおわると、クラスはまた騒ぎたじた。イケメンだとか優しそうとかで特に女子会騒いでいる。私からしたら霞先生は少し胡散臭くて怖い。

そのあとは教科書が配布されたりこの学校の注意事項を聞いた。そんなこんなでロングホームルームは無事終わることができた。

「最後に二つ注意事項があります。まず一つは明日テストがあるのでみなさん頑張りましょう。明日のテストは成績に入らないからといってあまり勉強しない人が多いでしょうからねえ。それともう一つは大事な話なので真剣に聞いてください。最近この街に不審者が目撃されてるとのことなのでみなさん気をつけて、できるだけ一人では行動しないようにしてください。」

その時の霞先生の目は真剣だった。ここまで真剣そうな霞先生は、初めて見た。

「じゃあ今日はこの辺で終わります。それではまた。」

挨拶が終わった瞬間、みんな一目散に帰っていった。教室にはほとんど残っていなかった。まあ私も帰ろうかな。

「やっほー咲!やっと話せた!いやー、ほんといろんな人に絡まれて大変だったよー。そんなことより早く帰えろう!」

蜜柑はたくさんの人に質問責めされたのかものすごく疲れていた。まあ、私も今日は疲れたのだけれど。

「じゃあ帰ろっか。」

そう言って蜜柑は私の手を掴んで引っ張って行く。

「うん。じゃあ、柳さんもまたね。」

「うん、日野さんまたね。明日も話そうね。」

柳さんは笑顔で手を振った。





「はあー、疲れたー。もういきなりあんな質問責めされるなんて。」

蜜柑はすごい疲れ果てていた。

「蜜柑はすごい人気だね。」

「まあね。そんなことより、さっき話してた子は?」

「隣の席の子でもう仲良くなれたんだ。」

「なるほどね。よかったよ、咲に友達ができて。」

蜜柑はそう言いながらも頬を膨らましていた。

「蜜柑もしかして嫉妬してる?」

「そりゃそうだよ。私だって咲といっぱい話したいのに。」

「まあいいやそれより午後蜜柑は何か予定あるの?」

「いや、ないけど、どうしたの?」

「明日テストがあるから図書館で勉強したいけど1人で街に出るの怖いからついてきてくれない?」

私が頼むと蜜柑は、にこにこになった。蜜柑ってばすごくちょろい。

「もー。しょうがないなあ。そうと決まればすぐ行こう。2人でお出かけだー!」

ハイテンションの蜜柑を遠目に私はこのあと何事も起こらないことを祈るのだった。

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