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はなかご  作者: 和音
第一章 初めての学園生活
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部活体験

学園の寮に来てから一週間がたって少し慣れてきた。この一週間は蜜柑や椿、麻莉達と友達になれたり、先生や西園寺さんと話せて楽しかったけど、いろいろありとても忙しくて疲れていた。そして明日はついに入学式が開かれる。明日から、私の学園生活が始まるんだなとしみじみしていた。私はわくわくしながら窓を開ける。窓を開けると桜が舞っていとても綺麗で暖かな日差しがまるで私を応援しているようだった。私がそんな風にしみじみしながらコーヒーを飲んでいると誰かが部屋をノックしていた。

「はーい。今開けます。」

「よお!咲」

私がドアを開けるとそこには体操服の格好をした麻莉がいた。

「おはようまっちゃん。どうしたの?」

「どうしたのじゃねえよ。今日はバスケの体験会だろ。ちゃんと忘れてねえか見に来たんだよ。」

「うん、ちゃんと覚えてるよ。準備もちゃんとできてる。」

「そりゃあよかった。」

「そういえば私シューズとか服とか持ってないんだけどどうしよう。」

「あーなるほどなそれなら俺の古いやつ使うか?服は体操服でいいからよ。」

「えっいいの?」

「ああ。それより早く行くぞ。間に合わなくなる。」

「あっやばい」

そこで私はあることを思い出した。

「あん?どうしたんだ?」

「えっと、そのまだ蜜柑が起きてなくて。」

「はあ?嘘だろ。あいつまだ起きてねえのかよ。」

「ごめんね。私も何回も声かけてんだけと起きなくて。」

蜜柑は朝に弱く、いつも起きてくるのが遅い。私が何回起こしても一切起きる気がしない。

「こいつは中学の時からこんな感じでよく遅刻してたからな。」

麻莉はそう言いながら部屋に入って蜜柑の布団を剥がした。

「おいそろそろ起きろ!遅刻するぞ。」

「うーん、あと一時間だけだから。」

蜜柑は布団を剥がされようが、一切起きる気がしなかった。

「ふざけんな早く起きろ。」

一切起きる気がしない蜜柑に麻莉がいよいよブチ切れそうになっていた。

「やーだー、一歩も動きたくない。」

麻莉はため息を吐きながら、こっちを向いた。

「お前も大変だな。」

ついにはため息を吐くことしか出来なくなった麻莉が私を同情の目で見る。

「いや本当にね。」

私も呆れた顔をするしかなかった。





「はあ、よかったー。なんとか間に合ったよ。」

私達はなんとかぎりぎり、グランドに着くことができた。それも全て蜜柑のせいなんだけれどね。

「お前が早く起きればゆったり行けたのにな。」

結局蜜柑が全然起きず部室まで走りながら行くことになってしまった。

「二人ともごめんってば。そんなに怒らないでよ。」

「明日から、蜜柑が起きなかったら私一人で行くから。」

「本当にごめんってば。」

そんな風に騒いでいると、楓先輩が話しかけてきた。

「あっ咲ちゃんまた会ったね。咲ちゃんもバスケ部に入るの?」

「おはようございます。今日は体験だけで入るかはまだ分からないです。」

「そうなんだ。それより無理だけはしないでね。」

楓先輩はそう言って微笑んだ。楓先輩は今日も優しく接してくる。

「それより二人は久しぶりだね。二人はバスケ部に入ってくれると信じてたよ。」

「えへへ、久しぶりです先輩。元気そうで何よりです。」

「またお世話になります先輩。」

どうやら2人は楓先輩と知り合いらしい。二人とも中学からバスケをやってるようだし、その付き合いかな?

「先輩はなんで咲を知ってたんですか?」

楓先輩が私の名前を呼んだことを疑問に思った咲が、質問する。

「それはね、この前咲ちゃんが校庭の前で具合が悪そうにしてたの。だからその時にちょっとお話ししただけだよ。」

「そうなんですね。私の咲がお世話になりました。」

蜜柑は私にべったりしながらそう言った。楓先輩はその姿を見てびっくりした。

「蜜柑ちゃんがそんなに懐いてるなんて。」

その言葉に私は疑問を浮かべた。

「蜜柑って誰にでもこんな感じでは?」

「ふふっ。確かにそう見えるよね。でも、実際は・・・」

「そんなことより、早く行こうよ。」

楓先輩が何か言おうとしたがそれを遮るように蜜柑は私の手を掴む。

「ふふっ、蜜柑ちゃんってば。」

蜜柑は少し焦りながらそう言うとそのまま体育館に入っていくのだった。私は少し疑問に思ったが気のせいと思い、三人の後についていくのだった。





「ここが体育館だよ。そして体育館の奥にある部屋が部室だよ。」

「すごーい。中学のとこより広いや。」

蜜柑が大きな声ではしゃいでた。確かに体育館は広くて動きやすそうだ。

「そうだな楽しみだ。」

「ふふっ。気に入ってもらえてよかった。」

「ここでやるの絶対楽しいよ!ねえ咲?」

「うん。そうだね。」

このみんなでバスケをやるところを想像すると確かに楽しそうだ。私は運動が苦手だけどみんなが教えてくれるなら私でもやれると思う。

「咲ちゃん、この二人はものすごくバスケが上手なんだよ。中学の時とか本当にすごくてね。」

やはり三人とも同じ中学らしい。道理で仲がいいはずだ。

私達が雑談を終えたところで楓先輩が部活の紹介を始めた。私達は静かに聴き始めた。

「じゃあそろそろ順番に説明していくね。まずバスケ部が主に活動するのはこの体育館とあそこのグランドの二カ所。部員は今20人いて全員強いんだ。自慢じゃないけどうちのバスケ部は強豪校なんだよ。」 

ここの学園のバスケ部が強いのは有名な話だ。あまり部活に興味がなかった私ですら知ってるくらいには。

「いやー、本当たのしみだねえ。俺も早く大会にでて結果を残したいな。」

「あはは気が早すぎるよ麻莉ちゃん。でも麻莉ちゃんならきっと結果を残せるだろうね。」

「部活の時間は大体2時間で週4回だよ。それでうちの部活のモットーは軽く楽しくだよ。だから咲ちゃんも安心していいよ。」

楓先輩のそのセリフに蜜柑は眉を潜めた。

「待ってください先輩。軽く楽しくって言ってましたけどこの部活にはあの人がいるんじゃ?」

蜜柑がそういい終わる前に誰かが部室に入って来た。

「あん?なんか騒がしいと思ったら部活体験か。体験に来るのは自由だがアタシらのじゃまだけはすんなよ?大会も近いんだからよ。」

この人が来た瞬間、部活全体の雰囲気が重くなった気がするし三人ともすごい怯えていた。

「ん?よく見たら蜜柑と麻莉じゃねえか?おい蜜柑お前はもうバスケしないんじゃなかったのかああ?」

彼女がそう言うと蜜柑は今まで見たことのない形相でにらみつけていた。あの蜜柑がこんな表情をするなんて。

「先輩には関係ないじゃないですか。私たちに喧嘩ふっかけるくらいなら早く練習したらどうです?」

その蜜柑の言葉はとても冷たく少し怖い感じがした。

「はは、うっせーな。てかこの女は誰だ。蜜柑の友達か?明らかに運動が出来なさそうな感じだが何の用だ?」

そういって彼女は私に触れようとする。私は怖くて声が出せなかった。

すると蜜柑は私を守るように立って鬼の形相で睨みつけた。

「咲にだけは触らないでください。容赦しませんよ?」

「ちっ。相変わらず変わんねえな。まあいい邪魔だけはすんなよ。」

彼女はそう言うと私と蜜柑を睨みつけて部室の中に入っていった。彼女はとてもがたいが大きく怖かった。とりあえず何もなかったことに安心した。

「ごめんね三人とも大丈夫だった。」

「ああ俺は大丈夫です。蜜柑と咲は大丈夫か?」

「うん、私は全然大丈だよ。咲も怖かったらこんな部活入らなくていいからね。」

蜜柑は私の体を優しく叩いて慰めてくれる。少し怖かったがとりあえずは大丈夫だ。

「彼女はアザミ先輩。元部長でとても強いんだけどすごい怖くてちょっと独裁的なんだ。蜜柑ちゃんが言ったように怖かったらやめていいからね。それと今日はアザミ先輩もいるから体験はやめよっか。」

今は体験できるような雰囲気でもなかったので今日はもう終わることになった。何も悪くない楓先輩が申し訳なさそうな顔をして私まで申し訳なくなる。

「みんな本当ごめん!私も怖くて、直接言えないの。またアザミ先輩がいない時に来てくれたらいいから。アザミ先輩はあまりこの部活には来ないから。」

「そうっすね。今日はとてもやれる雰囲気ではないですもんね。」

「咲とバスケ出来なかったのは残念だけどしょうがないもんね。」

「楓先輩今日は本当にありがとうございました。」

私はそれだけ言ってお辞儀をして三人で帰るのだった。

こうして今日の部活体験は少し暗い感じで終わった。





今日も2人でお風呂に入っていた。

「ねえ咲。」

「どうしたの?」

蜜柑はしんみりとした感じで私に質問してくる。今まで元気な蜜柑しか見てなかったから今日の蜜柑は少し意外だった。

「今日あんなことがあったけど部活入りたい?」

蜜柑は今までにない真剣な顔で言った。

「まだ分からない。もう一度体験に行きたいかな。」

「そっか。それなら次はアザミ先輩がいない時に行こっか。」

「それより明日から学校だよ。楽しみだね。」

私は話をそらして蜜柑に質問した。

「そうだね同じクラスになりたいなー。」

蜜柑はさっきまでのしんみりさは嘘かのようにそう笑顔で言うのだった。私は笑顔の蜜柑の方が好きだ。

今日はあまりいい感じではなかったが、とにかく明日を楽しみに待つのだった。明日は楽しい一日になると信じて。

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