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スローライフ配信をしてたら、相方のゴーレムがアップをはじめたようです  作者: アッキ@瓶の蓋。


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第89話 ヴォルケーノドラゴン討伐大作戦配信(2)

『さぁ、このまま攻めさせてもらうぞ』


 槍を投げ捨て、【アイテムボックス】の中から剣を出して構える私。

 さっきの雷を落とす技は、ヴォルケーノドラゴンの火炎の発生を止めるために放っただけだが、翼まで麻痺して飛べなくなったのは好都合。

 飛べない間に、思いっきり攻めさせてもらうに限るというモノだ。


 それに対して、カイは『図に乗るなよ!』と大きな口を開けて威嚇(いかく)する。


『麻痺で炎が作れなくなったとて、こちらの力が全て無力になった訳ではない! ドラゴンは手負いでも最強、チャンスと思って油断をすると命取りだ!』


 むくりと起き上がったカイは、そのまま真っすぐ、こちらに向かって突進してきた。


 なるほど、体当たりと来ましたか。

 確かに、ヴォルケーノドラゴンの身体の鱗として使われているアンオブタニウムは、火炎からエネルギーを生み出すという摩訶不思議な力を持つ。

 しかし、それを抜きにしたとしても、アンオブタニウムは物凄く頑丈で、宝石で言えばダイヤモンドの何倍もの硬度を持つ。


 そして、あの巨体。

 普通にぶつかるだけでも、怪我だけでは済まなさそうだ。


 大きくて、硬い物体が、物凄い勢いで突っ込んでくる。

 ----なるほど、確かに脅威である。


『----シュッ!』


 私は剣を用いて、突進してくるヴォルケーノドラゴンにすれ違いざま、剣で斬りつける。

 しかしながら、ヴォルケーノドラゴンの硬い鱗に防がれ、剣は折れてしまった。


『硬いな、やっぱり……』

『まだまだ、これからだぞ!』


 体当たりが失敗したカイは、今度は尻尾や足を使って踏み潰しをしてきた。

 先程の体当たりと同じく、質量で攻めてくる気だな、これは。


『----ただ、体当たりよりもやりやすいぞ!』


 私は【アイテムボックス】から、新たに剣を2本取り出すと、それを構える。


『----【パリィ】!』


 私が発動したのは、剣技などではお馴染みの、相手の攻撃を弾くことで回避する【パリィ】というスキル。

 相手の力量差や物量などをまったく無視して、相手の攻撃によるダメージをゼロにして弾いて避けるスキル。


 このスキルに必要なのはタイミング。相手の力がいかに大きいかは、このスキルには無意味。

 逆に大きければ大きいほど、当てられる面が大きくなって、こちらとしては助かる~。


『----っ!』

『ほらほらぁ! どうした、どうした! 痛がってるぞ、このドラゴンによる攻撃が効いているみたいだな!』


 私が痛がったことで、それに気づいたカイがさらに攻撃速度を上げて来た。


 【パリィ】は便利なスキルではあるが、無敵って訳でもない。

 全ての攻撃を無効化するほどの完璧な発動ともなると、コンマ0.000001クラスのずれも許されない。

 それゆえに、達人クラスでも10回連続が限界といったところ。

 

 私の場合は、普段だったら【パリィ】はあくまでも緊急事態に置いての回避の一手段に過ぎない程度しか使ってこなかったため、精度が甘い。

 一回【パリィ】をする毎に、剣がゴリゴリ削られて、3回ほどで剣がぶっ壊れてしまう。

 【アイテムボックス】内に無限の剣があるという事を知っていなければ、絶対にこんな方法は取らなかった。


 それにダメージは剣だけではなく、その剣を持つ私の腕にも、それなりに負荷がかかっている。

 正直、腕がきつくて、止めたいほどだ。


『----っ! 限界っ!!』


 私はそう言って、剣に速攻で魔術付与を施して、カイに目掛けて投げる。



 ----どかぁあぁああああああんんっっ!!



『ウワーッ?!』


 カイは大きな声を上げつつ、翼を羽ばたかせて空へと逃げる。


『おぉっ! どうやら麻痺が解けたようだ! 偉大なるドラゴンは、やはり空を飛んでこそ、輝くというモノだ!』


 嬉しそうにそう語るカイは、口を大きく上に開け、そのまま頭上目掛けて火炎を放つ。

 ゴォォォッと大きく雄叫びを上げつつ、火炎を天高く燃え上がらせていた。


『炎も上々! 翼も問題なし! さっきまでのダメージも、既に全快に向かっている!

 これで分かっただろう、人間(ススリア)よ! ドラゴンという種族がいかに強いかって事が!』


 確かに、嫌というほどそれは分かっていた。

 私がさっきまで頑張ってつけた傷も、ただ炎を吐くという攻撃の準備段階の行動で、カイの身体は全治へと向かって行く。


 マトモな戦い方では、ヴォルケーノドラゴンの身体を倒す事は出来ない。


『そっちこそ、スキルの凄さは分からなかったの? 天からいきなり降り注ぐ弓矢や、雲一つ作られていないこの空間でいきなり雷に落とされるなんて、普通は驚きものだと思うけど?』

『うぐっ……』


 あっ、これはたぶん、図星を突かれたような顔をしている。

 ドラゴンだから分かり辛いけど。


『----うっ、うるさい! スキルなんてなかろうとも、ドラゴンは最強! 遊びはここまでにして、一気に止めを刺してやろう!』


 すーーっと大きく息を吸い込むカイ。

 それによって体内にて生じる炎の量は凄まじく、カイの身体全体が発火しているかのように、強く光り輝いていた。


『カアアアアアア!!』


 そして、カイが放った火炎は、周囲一帯を全焼させるほどの大火炎となって、広がって行くのであった。



『ガーハハハッ! アンオブタニウムで得られるエネルギー、それを全て凝縮した大火炎!

 まさしく災害に等しいこの力、生きれるものなら、生きて見ろ! 人間(ススリア)よ!』

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