表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
スローライフ配信をしてたら、相方のゴーレムがアップをはじめたようです  作者: アッキ@瓶の蓋。


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

61/408

第61話 ドラゴンの卵を調査をしちゃうぞ配信

 イスウッドへと帰って来た私は、早速、炭酸発生魔道具を、作り上げておいた。


 ただ液体の中に炭酸の泡を生み出す魔道具の原型を作るのに、3日。

 そこからさらに2日かけて、液体の中の炭酸量の調整が出来るようにして、魔道具を完成させておいた。

 

 5日ほどで魔道具を完成させた私は、発注数である残り119個の作成を、タラタちゃんに振って置いた。

 既に魔道具は完成してあるし、あとはそれをタラタちゃんが分析して作るだけ。

 『弟子に魔道具の作成をやらせる』というのは珍しい事ではないので、遠慮なく仕事を押し付けられたので、満足である。


 そんなわけで速攻、炭酸発生魔道具を完成させた私は、優勝賞品であるドラゴンの卵の調査に取り掛かったのだけど……。



「はぁ~っ……」



 調査結果を見て、私は溜め息を吐いていた。


「----大きな溜め息、ですね」


 美しい銀の鎧を着た弟子、フランシアさんは私を見ながらそう言った。


 デルタちゃんによれば、フランシアさんは課題として与えておいた体中剣を、ほぼ完全に会得できたらしい。

 さらには、魔力武装も限定的ながら出来るようになったらしく、「そろそろ新たな課題を与えてみては?」とデルタちゃんから打算されてるくらいである。


「どうかしたんですか、師匠?」


 と、フランシアさんは溜息を吐く私の懐を覗き込み、ドラゴンの卵を見る。


「それって確か、師匠が大会で優勝して手に入れたドラゴンの卵でしたっけ?」

「えぇ、ただいまドラゴンの卵の調査中です」


 ちょっとドラゴンで確かめたい事があったのだけれども、思ったよりも難解なのだ。


「----というか、よくよく考えた結果、私はドラゴンの卵の孵化(ふか)の方法とか知らなかったんですけど」


 このドラゴンの卵、どうやったら孵化(ふか)できるんだろう?

 温める? 燃やす? 埋める? 凍らす?


 あぁ、もう! ちゃんと聞いとけば良かった!

 ドラゴンって有名な魔物ではあるけれども、その分、情報とかに規制がかかっているから、その生態とか全く分からないんだよ。

 配信とか、図鑑とかに、そういうのが載ってないから分からないんだよ……。


「あぁ、いったいどうすれば……」

「つまり、ドラゴンの卵の孵化(ふか)方法を教えて欲しい……そういう事ですか?」

「----? まぁ、そうだね」



「そういう事でしたら話は速いです!」



 ガバッと、私の手を取るフランシアさん。


「ドラゴンの卵の孵化(ふか)の方法が分からないのでしたら、それを知ってる人に聞けば良いのです!」

「知ってる人?」

「そう、私にはその伝手があります!」


 キラッと、フランシアさんは笑みを浮かべ----


「ドラゴンを輸送に使うドラスト商会なら、ドラゴンの孵化(ふか)の方法なんていっぱい知ってるに違いないです! という訳で、一緒にシュンカトウ共和国、私の故郷に行きましょう! 善は急げ、です!」

「はいっ……?」


 という訳で、なんか私、次はシュンカトウ共和国に行くことになったんですけど……なんで、こうなったんだろう?




 ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆




「----という訳で、私は今度はシュンカトウ共和国に行こうと思います」


 私のその言葉に、ベータちゃんは「へぇ~、そうなんですね」とジト目で応えていた。


ススリア(・・・・)さんってば、またしてもこの自分(・・)を置いて、このイスウッドの街を離れてしまうんですね。こんな短期間に、自分達との交流を抑えてまで……うぅ、自分、泣けてきましたよ……」

「うぐっ……そう言われると……」


 ベータちゃんの言葉に、反論できない……。

 確かに、実家(イスウッド)を放っておいて王都の『錬金術師大会』、さらにはシュンカトウ共和国と、短期間に色々行くのは……ほんのちょっと、ベータちゃん達に悪いかもしれない。


「すっ、済まないとは思ってるよ。でもさぁ、シュンカトウ共和国に行くにはドラゴンの卵を孵化(ふか)させるためであって、そしてあら----」

「----えぇっ、分かっております」


 ベータちゃんはフフッと笑いながら、私の方に手を伸ばす。


「自分は、ススリアさんに作られたゴーレムなんだから、ススリアさんのやりたい事をサポートするのがお仕事! ススリアさんのために役立ち、ススリアさんのために仕事を手伝い、ススリアさんのために戦闘を行う!

 ----それこそが、ススリア製ゴーレムの役割なのですから」


 ベータちゃんの顔で笑いながら、彼女は手を差し伸べて来る。


「えぇ、そうだな。まぁ、今度はちゃんとお前の本体(・・)にも挨拶に行くから許してくれ」

「ふふんっ、大丈夫です! 自分は常にススリアさんの近くにいるのですから! ----じゃあ、あとで謝っておいてくださいね!」


 すーっとベータちゃんが(まぶた)を閉じると、「はっ!?」とベータちゃんは目を覚ます。


「まっ、マスター?! 私いま、家事をサボってました?!」

「大丈夫だよ、ベータちゃん。ちょっと喋ってただけだから」

「はぁ……それなら、良いんですが……」


 ベータちゃんは納得すると、そのまま家事に戻っていった。



「また一緒に話そうね。----なぁ、【アルファ(・・・・)】」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
↓途中でも『ご感想』『こうなったら面白そう』『こんなキャラどう?』という発想、また『フォロー&☆評価』お待ちしております!

カクヨム版(最新話更新中)!! 是非、ご覧ください!!
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ