第597話 副会長ヒレ・オルトラの敬慕について配信(3)
~~オルトラ商会副会長 ヒレ・オルトラ~~
私がフカと結婚してから、数年後。
フカは悪徳商会と結託して、オルトラ商会を追放されてから数年後たる、現在。
私はオルトラ商会の副会長として、確固たる地位を築いていた。
マフィアや暴力団といった、裏社会の人達との協力。
他の商会を強請って、別商会を使っての裏取引。
他にも、様々な裏取引を用いて、オルトラ商会の副会長という地位を勝ち取ったのである。無論、サバブカ商会長様が知ったら驚かれると思うので、隠していますが。
そんな、そんなサバブカ商会長様がっ! 辺境に行ったと思ったら!
「そんな私の人生の指針たるサバブカ会長が、サバブカ会長がぁ!
まさか、あんな綺麗すぎるお姉様になるだなんて!」
はわわっ……!
あんなの、反則じゃないですか!
――いや、中年男性の姿が酷いだなんて思ったことは決してないんですが、美女の姿はあまりにも! あまりにも、容姿が良すぎるっ!!
「あぁ……そんなサバブカ会長が、オルトラ商会を辞するなんて、許しませんよ! えぇ、このヒレ・オルトラの名において!」
オルトラ商会に所属している商会員のほとんど……サバブカ商会長様と出向してきた人達以外は、皆様このヒレ・オルトラの配下となっているのです。彼らと連絡して、サバブカ会長がいかに必要な人間なのかを、サバブカ会長に分かって貰わなくては。
「それから、市場の方にも連絡しておかないといけませんよね」
サバブカ会長の代名詞たる、魚の取引に関しては、サバブカ会長の自尊心を高めるためにも、どうにかして、あの美女の姿を『サバブカ・オルトラ』として認識してもらいませんと。
幸いなことに、サバブカ会長が普段からお世話になっている魚市場の代表は、私の裏取引メモによれば、私が強請れるだけの黒い噂の持ち主と聞いております。その噂を使って強請れば、あの美女の姿であろうとも、サバブカ・オルトラ商会長様として認識させられるでしょう。あとは、普段からのサバブカ商会長様の目利き技術を見れば、あの美女がサバブカ商会長様である事なんて、一目瞭然。
まぁ、私は一目見ただけで、あのお姿になろうとも、サバブカ商会長様である事は容易に分かりましたが!
「色々と準備が必要ですね」
サバブカ商会長様には、今後とも、私の推しとして、元気に、末永く、商会長様としての責務を全うしていただかなくては。その過程で、転がる石に蹴躓く可能性があるのならば、このヒレ・オルトラが、その石をこっそりどかしておきましょう。
そう、これまで通り、ずっと。
「サバブカ商会長様が美女になったのですから、今後のオルトラ商会の売り方も考えなければなりません。商会長様様を広告塔のように使うのは控えたいところではありますが、あの美しさを、世間に発表しないのは勿体ない!」
無論、今までのサバブカ商会長様の姿がイケてないと言うつもりはありませんが、世間一般の大多数にとって、『可愛らしい女の子』だの、『虜になってしまいそうなイケメン王子様』など、美醜は大きく関係してくる。
サバブカ商会長様は自分の容姿に無頓着であったから、魚の目利きと熟成法についてだけやっておいて、その裏で私を初めとした皆が取引をしていたのですが、今後はサバブカ商会長様にも動いていただきましょう。
「サバブカ商会長様が目利きしたというだけでも売れていましたが、今後はあの美女の姿で、サバブカ商会長様の事を知らない層に向けても販促させていきましょうじゃないですか」
あぁ、どんどんビジネスアイデが浮かんでくる。
これもきっと、サバブカ商会長様がくれたアイデアに違いない! サバブカ商会長様のためにも、このヒレ・オルトラは、オルトラ商会、サバブカ商会長様、そしてこの商会を選んでくれた皆々様のために頑張って仕事をしていきたいと思いますよ!
「副会長、そろそろ……」
「はい、サバブカ商会長様。参りましょうか」
私はそう言って、サバブカ商会長様の隣に立つ。
あぁ、今日もサバブカ商会長様の近くに居るだけで、疲れが一気に吹き飛びます~!
……まぁ、そんな緩みきった顔を見せると、サバブカ商会長様が驚くと思いますので、その辺りを決して悟られないようにしますが。
「次は新生ハンドラ商会との会合でございます、サバブカ商会長様」
「了解した。早速向かおうじゃないか」
えぇ、どこであろうとも、あの時の恩を返すべく、このヒレ・オルトラは御身を支え続けていきたいと思います。
(※)ヒレ・オルトラ副会長
オルトラ商会の副会長にして、サバブカ会長推しの猫獣人娘
過去にサバブカ・オルトラ会長に助けられた後、サバブカ会長のためになるように一途に頑張りまくってきた、クールな容姿ながらも、サバブカ商会長への熱意マックスの美女
暴走族や別商会など、かなりダーティーな方法を行っており、サバブカ商会長のためになるなら、息子と契約結婚することも平気で行う。ちなみに、サバブカ商会長への感情は推しに対する愛であって、一緒になりたいとかの恋愛では一切ないと本人はそう言っている
ヒレちゃん、ヤバいです
ただの湿度超高めのキャラでした
なんでこんなヤバい奴を
書いてしまったんだ、私……
実際、自分の中でもどうして出来たのか
未だに分かっていない(T_T)




