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スローライフ配信をしてたら、相方のゴーレムがアップをはじめたようです  作者: アッキ@瓶の蓋。


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第399話 フランシアは破りたい配信【守破離】(2)

 ロンダリゼの持つ武器、【模造する上昇志向(クイーン・レプリカ)】。

 相手の能力を自動的に模倣(コピー)するこの武器は、快感のブラッドによって彼女の魂が変質した結果、生まれた武器。


 つまり、彼女の精神性から来ているという事だ。


 配信者にとって、大切なのは支持者(ファン)の獲得であると、ロンダリゼはそう考えていた。


 自分の動画をいかに良くするよりも、彼女は他の動画配信者の支持者(ファン)をいかに効率よく奪えるかを考えた。そして、気付いた。

 ----自分が、彼らの上位互換(・・・・)であれば良いのだ。


 他の動画配信者の配信を研究して、ロンダリゼは彼らの人気の理由を発見した。

 それは軽妙な語り口調であったり、時折見える愛らしい素の表情であったり、専門的知識を分かりやすく教えてくれる所だったり、人気な動画配信者というのは何かしらの長所を持ち合わせているモノだ。

 その長所を真似して、その上で彼らの良い所をさらに高性能化(バージョンアップ)させて、切り抜き動画のように短時間で分かりやすさを意識した動画を作り出した。その動画を、敢えて『他配信者様の動画を、私なりにアレンジしちゃいました!』というシリーズ物として、配信したのである。


 もちろん、元ネタである他の配信者には恨まれたし、その配信者だからこそ好きという人達からは蛇蝎(だかつ)の如く嫌われていた。


 ----それでも、他の配信者の良い所を、短時間で見られるという事は、他の配信者の支持者(ファン)の中にはその方が見やすくて良いと思う者達も居た。


 そうした結果が、登録者数11万2000人の配信者ロンダリゼ。

 そんな彼女の魂が武器化した、【模造する上昇志向(クイーン・レプリカ)】なのである----。


 それだから(・・・・・)こそ(・・)、それが分かっているからこそ、フランシアはその対処方法を思いついたのであった。




 ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆




「何をしようとも、無意味! どんな能力であろうとも、それを模倣(コピー)したうえで、さらに上位のスキルを手に入れるのが、私の武器なのですから!」


 ロンダリゼは、武芸者ではない。ただのお騒がせ系配信者である。

 でもだからこそ、相手がなにかしようとする雰囲気はすぐさま察知する事が出来た。


 フランシアは力を込めると、彼女の髪がうねうねと唸り始めた。何かしらの操作能力の一種だと、ロンダリゼはそう感じたが、構わずにフランシアへと向かっていく。

 ススリアの【オーラ】を模倣(コピー)して得たこの強すぎる謎の力は、彼女の力を何倍にも高めてくれている。多少、髪がうねうねと動いたところで叶うはずもないし、それに【模造する上昇志向(クイーン・レプリカ)】は相手の能力を模倣(コピー)して、その上でそれよりも強い能力を得る。さらには、その使い方ですら、ロンダリゼに一番都合が良いように勝手に自己判断して使ってくれる。


 ロンダリゼは恐れる事はない。

 ただ、一歩踏み出す。それだけで良い。後は勝手に、この武器がなんとかしてくれる。


「さぁ、勝負っ!」


 ロンダリゼはそう言って、無警戒にフランシアの攻撃範囲に足を踏み入れる。


「そこっ----!」


 無警戒に、隙だらけのロンダリゼ。そんな彼女に、フランシアが操る髪が、まるで意思を持った怪物のように襲い掛かって来た。


「(馬鹿めっ! どんな能力であろうとも、模倣(コピー)して、それよりも上位の存在のスキルを持つ私の武器が、そんな攻撃なんて、普通に対処----)」


 彼女の思考は、そこで止まった。

 何故なら、彼女の首は、そのフランシアが操る髪によって、グルグルと巻かれていたからだ。


「どんなに強い力を持とうと、あなたは所詮、ただの素人。そう、ただのクサフグの魚人族!」


 フランシアはそのまま、強く、彼女の首を髪で締め付ける。


「魚人族は、他の人間族や、獣人族などと比べて、酸素を多く消耗しやすい! 水の中を生きる、魚の特徴を有しているからでしょうね! もちろん、訓練によって解決する程度の問題でしかありませんが、そんな訓練なんてあなたはしていないでしょう!」


 それは、事実であった。


 逃げ足が速いロンダリゼであったが、それは単純に、クサフグという、"他者から隠れる能力が高い"という能力の一種で、敵から逃げる足が速いというだけであった。

 普段から、どうすれば楽に支持者を稼げるかという考え方で、他の配信者の動画を模倣(パク)っている彼女に、そんな酸素の消耗を抑える訓練なんかしていなかった。


「苦しっ……息がっ……!」


 必死でもがくが、酸素不足で朦朧(もうろう)としている彼女に、自分の魂を具現化した武器を維持するという気力は残っていなかった。

 【模造する上昇志向(クイーン・レプリカ)】が消えたので、ススリアから模倣(コピー)して得た謎の力も、同時に消えた。彼女には抵抗するだけの力もなかった。


 意識が消えゆく最中、ロンダリゼはこう思っていた。


 ----なんで、フランシアの髪を操る能力を、自分は模倣(コピー)できなかったのだろう……。


 その答えを彼女が知る事はない。

 何故なら、意識を手放した瞬間、彼女の魂にスーッと、誰かが手で掴んで来たからだ。



『はい、契約通りこの魂はもらっていきますよ。

 "あなたの自由に、この能力は無制限に使える"。そういう契約だったんですから、『自由じゃない』、つまりは逮捕などされた瞬間、この契約は白紙にさせていただきましょう。


 ----快感のブラッドは、あなたの魂を回収しましょう』



 こうして、ロンダリゼの魂は、快感のブラッドによって回収され、この事件は1つの終幕を迎えるのであった----。

力が強い武器の副作用が、強いのは当たり前ですよね

なにせ、その力を与えたのは、魔王ユギーの五本槍の1人である

最凶の悪魔ですよ?


ロンダリゼ、死す($・・)/~~~

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