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スローライフ配信をしてたら、相方のゴーレムがアップをはじめたようです  作者: アッキ@瓶の蓋。


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第395話 こんなバカな事をしでかした、犯人について配信

 ~~こんなバカな事をしでかした、バカな犯人~~


 クリィム村の中腹辺りの川にて、5人の奥様達が洗濯をしていた。

 彼女達は、この村で4人の人間が立て続けに殺された事を知っていた。金貸しのイラキ、助役のロイワ、ガキ大将のキガルワ、泥棒癖のイチノクと、村の仲間達が見るも無残な姿にされた事を知っていた。




 ----だが(・・)それが(・・・)どうした(・・・・)?




 殺された者達は全員、村の中でも悪人と呼ばれる者達であった。正直、誰もが「あの人たち、いつか天罰が下るに違いないわ」と思っていた4人である。


 奥様達は、それどころか他の村人達全員は、思っていた。


 ----自分達はあの4人と比べたら悪人じゃないから大丈夫だ。


 そう、村人全員が思っていた。



 そんな事を頭の片隅にてうっすらと思いながら、いつも通り神様が守ってくれていると奥様連中は信じ切っていた。

 神様は、白い髪が好きだ。赤い瞳も好きだ。アルビノが大好きだ。


 ----だからこそ、アルビノである自分達は、いつも通り大丈夫だと。



「それだからこそ、あなた達は殺されるっつー話だな」



 5人の奥様達をバラバラにするのは、実に、そう実に面白かった!

 やっぱり、自分達がやられるはずがないと思っている人間を解体(ばら)すのは、楽しい! ワクワクする!


「快感のブラッドと契約したのは、正解中の大正解だなぁ! なにせ、これだけの事が出来るのは、素晴らしいとしか言いようがないなぁ! あぁ、この映像を出せば、いっぱいファンが出来そうで、楽しみで、楽しみで、楽しみでしょうがないわあ!」


 そんな事を思いながら、この快感を長続きさせるために、この場から離れようと思って----



「----やっぱり、あんたが犯人だったか」



 私の前に、1人の女が立ちふさがっていた。その女は私の事をじっと犯人だと、睨みつけていた。

 確か……ススリアとかいう名前だったな、この女。その女は、今まさにこの場から立ち去ろうとしている私の前に、いきなり現れたのである。

 一瞬、私はビックリしたけれども、すぐに落ち着いた。そう、私が犯人であるとバレるはずがない。なにせ、例え殺人現場に居たとしても、私には彼女達を殺せないのだから!


「その髪だろう?」


 ススリアは、私の髪を指差す。そう、私には彼女達を殺す事は出来ない!

 何故ならば、黒髪(・・)なのだから! そう、このクリィム村は白髪赤目は優遇されるが、それ以外が犯罪を犯せば神様による神隠しが待っている! そんな特殊環境で、黒髪の私が、白髪赤目(アルビノ)の女の人達を殺せるわけがないじゃないですか!


「あぁ、確かにそうだ。だからこそ、全員油断してたんだろう。

 金貸し(イラキ)も、助役(ロイワ)も、子供達(キガルワ・イチノク)も、黒髪のあんたがナイフを振り回そうが、アルビノでないから神様が助けてくれると思っていたんだろう? そこの、女の人達と同じく」


 その通り! 彼らには、アルビノ以外の危機感は皆無! なにせ、過保護すぎる神様によって守られているから!

 そんな彼ら彼女らにとって、白髪赤目(アルビノ)以外の人物がいかに凶悪な武器を持っていようが、その辺に落ちている棒きれよりも不安がらない! きっと、なんで殺されたのか……いや、なんで(・・・)殺せたのか(・・・・・)、分からないといった具合でしょう! まぁ、私には関係ないですが!


「そう、アルビノでないから、犯行は無理。だからこそ、持っていた【黒キ翼】を髪に貼り付けたんだろう? あれを張れば、どんな色の髪だろうと黒く染める事が出来るから。

 ----あんたの元の髪色は、配信(・・)を見れば明らかだ。白髪に赤い目、さらにはとある配信回では、あんたの母親の故郷がこのクリィム村であるという配信もしていたな」


 そう言いつつ、ススリアは真っ二つに切断された奥様連中の身体を持ち、指で切断面を押す。


「こんだけ触っても、本物としか思えない。まさか、殺した相手を(・・・・・・)コピーした(・・・・・)模造品を(・・・・)出すとは(・・・・)

 隠れて見て、ようやくその手口が分かった。そりゃあ綺麗に真っ二つに出来るよな。人体ではなく、それに近い見た目をしているだけの模造品なんだから」


 ススリアが指を私の方向に向けると共に、私の後ろからナゾメイク氏とテラーテ氏が私のマントを裂く。裂かれたマントの中には、今もなお血がドバドバと流れ続ける、5人の奥様達の、本物の死体が転がり出ていた。


「人を殺して、その人そっくりの模造品(コピー)を置く。言ってしまえば、ただそれだけの事件。こんなの推理事件にもならない、ただの殺人犯の無駄な抵抗ですね。

 ----そして、子供達を殺したのが、あなたが犯人だと決めた一番の理由だ」


 裂かれたマントから、必死に戦利品(死体)を回収しつつ、私は「子供?」ととぼけたように言う。

 あの2人は、嫌いだった。キガルワは10も歳が離れた私の事を呼び捨てにするし、イチノクに至っては通り過ぎる度に財布から金を盗っていくんだぞ? 殺されて当然……というか、その2人が殺されたからと言って、どうして私が犯人だという事になるのか、分かりませんね! ちっとも!


「うちのゴーレムは優秀でしてね。あなたを宿泊させる(・・・・・)にあたり、あなたの配信から情報を抜き出していたんですよ。ホテルにとって、良くない事を書き込むか否かをね。その時は、お店の悪口を書くという動画投稿をしていなかったから、最終的にはあなたの宿泊を決めたようですが。

 その際に、こういう動画を投稿してたことを、私に報告してくれていたんですよ。【全ての人間は、獣人族だろうと、魚人族だろうと、赤い血である】という、とち狂った配信を。


 あの子供達はね、赤い血(・・・)ではない(・・・・)んですよ。

 タコは銅を含むヘモシアニンというタンパク質が酸素を運搬していて、呼吸によって酸素を取り込むと、青色に変色する。コオリウオは元々低温の海で生活するために、赤いヘモグロビンではなく、透明な血漿(けっしょう)に運ばせているから、血の色も無色透明。

 だから、タコの魚人族であるキガルワの血の色は、青色。コオリウオの魚人族であるイチノクの血の色は、無色透明のはずなんですよ。本来の魚の性質を色濃く出ているのが、魚人族という種族なのだから。


 それなのに、あなたが現場に残した2人の子供の死体の模造品の血の色は、2人とも赤色。

 そう、2人とも、タコの魚人族だろうと、コオリウオの魚人族だろうと、血の色はどうせ赤色だろうという、あなたが配信で語っていた事が、その模造品作りに出てしまった。



 ----そうなんでしょう?



 ----登録者数11万2000人。お騒がせ系配信者として、うちのホテル・イスウッドにも泊まった宿泊者。


 ----ロンダリゼ、さん?」

犯人の正体は、お騒がせ系配信者ロンダリゼさんでしたぁ!!


犯人は、お騒がせ系配信者のこいつでしたぁ~!(^^)!

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