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スローライフ配信をしてたら、相方のゴーレムがアップをはじめたようです  作者: アッキ@瓶の蓋。


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第393話 配信者と共に殺人事件調査配信(3)

「やったぁああああああ! 釈放だぁあああああああ!」


 ----【朗報】推理系獣人配信者ナゾメイク、めでたく釈放!



 被害者であるイラキを殺した凶器がなにか分からないので、ナゾメイク氏は釈放という判断になった。怪しい行動をしていたのは事実だけれども、その際に身体検査をした時に凶器が見つからなかったので、"めちゃくちゃ怪しいけれども犯人ではないっぽい"くらいの扱いになったのである。


「絶対、犯人を突き止めて、ギッタギタのボッコボコにして、100万ナゾメイクポイント分の怒りをぶつけてやります!」

「それって、どれくらいの怒りなんだか……」


 基準が分からないから、何も言えないんだけど……。


「そのためにも、この4人(・・)で推理同盟を結びましょう!」

「えっ? 4人?」

「そう!」


 と、キラキラした瞳で私とフランシアさん、そしてテラーテさんを見つめて来るナゾメイク。テラーテさんは「1人だと、怖いですぅ……」と、同盟を受け入れて、フランシアさんも「せっかくなら」と乗り気な様子。

 そんな中、私はまだ同盟を受け入れられずにいた。いや、だっていきなり牢屋行きした人間を信用しろって言われてもなぁ……。


「(そもそも、まだナゾメイクさんが犯人だという可能性もあるんですがねぇ)」


 イラキさんを殺した凶器が見つかっていない以上、どのような形状になっているかが不明。ならば、一般的な凶器の形になっていない可能性もあるため、身体検査をパスした可能性もあるのだ。

 この状況でナゾメイクさんが犯人だと疑われなくなる、最も確実な方法と言えば----



「あっ、あんたら大変だ!」



 と、ナゾメイクの提案にどうしようかと悩んでいると、村人が大慌てで入って来た。そして牢屋から出て来たばかりのナゾメイクを見て、複雑そうな顔をしていた。まるで、ここに(・・・)居ないで(・・・・)欲しかった(・・・・・)、とそう言わんばかりに。


「じっ、実は村長の家の前に、謎の黒フードの人がまた死体を置いていったのです!」




 ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆




 第2の被害者は、この村の助役----村長の代理や補佐などを行う人だった。名前は【ロイワ】。

 助役と言っても、名ばかりで、ほとんど村長が行っていたため、この人物は助役という職務についた者が毎月貰えるお金を使って暮らす、ただの怠け者だったというのだ。


 そんな被害者は村長の家の前で、それはもう、見るも無残な姿で転がっていた。




 ----真っ二つの死体。




 そう、1件目のイラキさんと同じく、切断面が全く同じの真っ二つの死体になっていたのである。


「うわぁ、これは……」


 私はその死体を見て、思わずそう言ってしまった。

 そう、あまりにも(・・・・・)綺麗すぎる(・・・・・)


 1件目の時は遠巻きだったから分からなかったが、今回の調査ではっきりした。



 この死体は、生きている(・・・・・)



 いや、冗談じゃなくて、そうとしか言いようがない。

 あまりにも切り口が綺麗すぎて、切断面はまだ生きているのだ。残念ながら人間としては生きていないが、この身体の細胞はまだ死んじゃいない。それくらい、切り口が綺麗なのだ。


「(触っても、問題なしか)」


 これくらい切断面が綺麗ならば、刃物のように触ったら怪我をするくらいになっているかもと思ったが、全然そんな事はない。50代の男性のぶよぶよとしたビールっ腹の硬さだ。


「ふふっ、どうだ! これでこの私、探偵ナゾメイクの犯行は不可能だと証明された! なにせ、3人とも私がその時間、牢屋に居た事は証明してくれるのだから!」

「おまけに村長の家の前、ですからね」


 私は、村長に対して、魔法を防ぐ防御結界を張る魔道具を送っている。無論、神社に伝手がある村長を通して、私とフランシアさんの2人を神社の中に招待してもらうための、いわゆる賄賂(わいろ)である。

 だからこそ、作った当人だからこそ、この魔道具の凄さは良く知っている。この魔道具がある以上、黒フードの人物は、ナゾメイクが魔法で作り出した幻影ではなく、本物の人間である可能性が高い。


 くそぉ、録画機能とか用意しておけば、良かったぁ~。


「やはり、この私の無実を証明してくれるのだな! ありがとう、ススリアさん!」

「まぁ、どうでも良いけど」


 ちなみに、私の名前がススリアである事は、ナゾメイクとテラーテさんには伝えてある。本当はフランシアさんとカップル配信者で神社に入るつもりだっただけで、カップル配信者用の配信者名なんかほとんど覚えてないから。普通に呼ばれた方が対応しやすいという判断である。


「それにしても、犯行がエスカレートしてますね」


 最初は、2つを別々の場所に置くという犯行だったのに、2件目の今回はわざわざ黒フードで顔を隠しながらも死体を家の前まで運ぶという行動を起こしている。

 これはたぶん、2人に恨みがある人物の犯行というよりも、この2人を真っ二つにする凶器の愉悦(たの)しさから事件を起こしていると考えた方が良さそうな気がする。


 これは、次の事件もすぐに起きるんじゃ……。


 その私の予感は的中し、神社の前に、真っ二つにした2人の人間の遺体が届けられたのであった。

切断面が綺麗すぎて、細胞が生きてるような、

そんな死体!!

 

生きてるのに、死体とは?

一回見てみたい(๑╹ω╹๑ )

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