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スローライフ配信をしてたら、相方のゴーレムがアップをはじめたようです  作者: アッキ@瓶の蓋。


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第392話 配信者と共に殺人事件調査配信(2)

「ちくしょぉぉぉ! 私は犯人じゃないのにぃぃぃぃぃ!」


 ----【速報】推理系獣人配信者ナゾメイク、いきなり投獄!



 ……いや、当たり前だよね?

 白髪に赤い目、住人も魔物も全てアルビノの性質を有しているという、クリィム村。その村で起きた殺人事件を推理する探偵が、白髪に赤い目という、ホワイトタイガーの獣人族の少女ならば、そりゃあ村人かもしれないという考えが出て来てもおかしくないよな。うん。


 ナゾメイク氏は認めた。この村で生まれ育った元住人である事を。

 とは言っても、8歳の頃までの話で、その後は放浪しながら商売する両親と共に各地を転々としていたため、この村が生まれ故郷かと言われると、本人としてもその感覚はないんだそうだ。


「たまたま! そう、白髪に赤い目の、奇妙な村があるという事で配信者として、これは行かねばと思っただけで、故郷だなんて今の今まで知らなかったですよ!」

「うっ、嘘っぽいです……」


 テラーテさんが言うように、錬金術師として簡易式の即席牢屋を作った身としては、ナゾメイク氏が一番怪しいと言わざるを得ない。


 被害者(イラキ)を殺せるのは、この村の『住人には甘すぎる神様の加護』によるモノだとすると、犯行が行えるのは村の関係者だけ。そんな中、元村人にして、皆が探していたイラキさんの右半分の死体を家の床下から見つけ出した第一発見者となると、一番怪しいのは事実でしょうが。


「うぐっ……たっ、確かにセオリー通りで言えば、私が犯人に一番近いですが……それを言うなら、テラーテさん、あなたも1000ナゾメイクポイントくらい怪しいですよ!」


 ビシッと、牢屋の中からナゾメイクが、テラーテさんを指差す。


「あなたも、肌が白いじゃないですか! 赤い目じゃないですか!」

「うっ……たっ、確かに私もアルビノではありますが……」


 そう、テラーテさんもアルビノだ。しかも、サクラダイの魚人族なのである。

 サクラダイとは、生まれた時は全員女性(メス)であるが、成長するに従って男性(オス)になり、複数の女性と共にグループとなって子作りをする魚だ。

 そんなサクラダイの魚人族は生まれた時は全員が女性という訳ではないのだが、サクラダイの魚人族の女性は身体を大きくするスキルを成長と共に獲得し、さらに大きくなると男性の姿となるのだ。


「テラーテさんには男性化という力がある。男になれば周囲の目も欺けるだろうし、イラキさんを真っ二つにするほどの力が手に入る……はずです!」


 「動画にもありますし!」と、ナゾメイクはテラーテさんの過去の配信(アーカイブ)を流す。そこには210cmほどのムッキムキの筋肉質な男性の身体になったテラーテさんが、ゾンビ型の魔物を拳で握り潰す動画が見えた。

 確かに、力に関しては問題なさそうに見える。むしろ、過剰戦力と言っても良いだろう。


「うぐっ……けれども私はウミヅリ王国の、とある田舎町出身で……」

「元村人である私が疑われるのなら、あなただって、村人に近い姿だから、犯行が可能なのでは?!」

「----うぐぅぅぅぅ! 完璧すぎて、反論……むりぃ~」


 そう、問題はそこなのだ。

 犯人は、村の関係者という話だが、その根拠は"神様が守ってくれるから"という酷く曖昧なモノだけ。検証しようにも、人を傷つけたりしたら神様によって神隠しという形で二度と戻って来れない。だから、どういう基準で神様が守っているのかという確証がない。


 メイクで、白髪のカツラに、赤いカラーコンタクトでも突破できるかもしれないし。それを言うなら、最初から村の関係者の容姿に近い、テラーテさんが犯人だという説も捨てがたい。


「まぁ、どちらにせよ凶器が何か分からないといけないのでは?」


 私がそう言うと、2人ともキョトンという顔でこちらを見て来る。

 ……え? そんな変な事を言ったかな、私?


「凶器ですよ、凶器。あんな見事に真っ二つ、それも血が出ないようにする凶器は、魔法でも無理ですよ」


 そう、魔法でも無理なのだ。

 人間の身体には魔力があり、それが層のようにまとわれている。薄すぎて、触っても実感はないんだけれども。


 だから、なにかの魔法で真っ二つにしたのなら、魔法の痕跡があるとか以前に、あんなに完璧に、綺麗に2つに切る事なんて出来ないはずなのだ。必ず、どこかで魔法の防御力によって、デコボコとした凹凸(おうとつ)があるはずなのだが、検証した所、それが一切ない。

 つまり、あの被害者イラキの身体は、切れ味が鋭いなにかで、一気に、スパッと切れたのだ。


「無抵抗----そう、身体にあるはずの皮膚や骨など、そういったモノが一切抵抗なく、同じ速度で、かつ一気に斬られている。さらには、血が出ていないという事は、斬った瞬間に血が出ないような処理がされているという事。無論、凍結とかで氷漬けにする以前に、魔法の痕跡とかまるでないからね」


 錬金術師として言わせてもらうけど、魔道具を使った際も、必ずなんらかの魔力的な痕跡が残る。それなのにもかかわらず、あの死体には一切の痕跡がない。


 ……そう、犯人以前に、凶器が分からないのだ。

殺人事件で重要なのは、

「凶器」「動機」「トリック」の3つだと思います

今回の事件は、「凶器」が一番謎という事ですね


完璧に真っ二つに出来る凶器とは、いったい……

はて、どういうのでしょうか(?_?)

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