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スローライフ配信をしてたら、相方のゴーレムがアップをはじめたようです  作者: アッキ@瓶の蓋。


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第389話 アレイスターの中で作戦会議配信

 アレイスターに、モード変更して貰って輸送形態になって貰い、私とフランシアの2人は揃って、クリィム村へと向かっていた。


「~~♪」

「ご機嫌そうでなによりですね」


 窓から外を眺めつつ、鼻歌をルンルン気分で歌っているのを見ると、誰でもそういう感想が出て来るに違いないだろうが。にしても、そんなに私とのお出かけとやらが、嬉しいのだろうか?

 行先は、クリィム村という、謎の事態が待ち構えているであろう、娯楽施設も期待できないただの山村だというのに。


「当たり前ですよ、師匠! なにせ、2人という事は、私にみっちり訓練をつけてくれるという事じゃないですか!」

「なるほど、そう来たか」


 いや、2人きりという訳ではないよ? ここに、今は馬車のような姿になっているとはいえ、アレイスターがいるのだからな。なぁ、アレイスター?


『…………。』

「おい、アレイスター」


 なんで、無視するの? 製作者である私が声をかけているんだから、返事をしてくれても良いのではないかな?


『いきなり、村に移動するから馬車になれと言われた私に、どうしろと?』

「……それについては、すまない」


 そうだよね、アレイスターにも色々とやりたい事があったよね。

 それを無視して、というかほぼ強行したような状態だから、流石に怒っても仕方がないか。


「良し、分かった。この件が済んだら、アレイスターに"とっておきの機能"を追加してやる」

『……っ! 期待して良いんですか、その機能?』

「あぁ、まだコンセプト段階で、細かい調整はまだ先になる予定だったけど」


 私がアレイスターに追加したいと考えていた、とっておきの機能。

 それは、デメリットなしの【狂化】によるパワーアップである。


 【狂化】とは、ハイリスクハイリターンでおなじみのスキル。理性という枷を弾き飛ばす代わりに、全体的な強化を行い、一時的に上位の力を発揮できるようになる。ただし、使えば使うほど、理性がどんどん失われて行き、最終的には廃人になってしまうヤバいスキルだ。

 この理性という枷を弾き飛ばすというデメリットを無くすのが、アレイスターに与えたい機能である。既に簡易的な実験は済ませてあるが、このデメリットなしの【狂化】は少し厄介な仕様になっていたため、実装を見送っていたのである。


「まぁ、回数制限はつけるつもりだけど、めちゃくちゃ強くなること確定だ」

『おぉ! あの魔法の杖だけではなく、そんな素晴らしい機能まで! アレイスター、頑張ります!』


 うんうん、頑張って私達を運んでくれたまえ。



 アレイスターの馬車の中で、私とフランシアはお互いに状況を確認しておく。何回も確認しているが、こういうのは詰めの詰めまで確認しておくのが大切だから。


「クリィム村についたら、とりあえず山奥の一軒家を借りよう。そして、3日間修行をする」

「なんで修行を……?」

「3匹の蛇型ゴーレム達が消えた場所が、神社の奥だから」


 そう、神社の奥、【祭壇の間】と呼ばれる場所に入り込んだ際に、通信が途絶している。【祭壇の間】は神社にとって一番大切な場所だから、「入れてください」とすんなり言ったところで入れるとは限らない。

 

「だから、私は神社に気にいられようと思う。少なくとも、【祭壇の間】を見せても問題ないと思うくらいには、神社側とのコネを作りたい」


 3日間の修行というのは、そのための時間稼ぎだ。

 いきなり行ってすぐに「見たいです」と言っても難しいかもしれないので、少し時間をかけて、村からの評価をあげておきたいのだ。3日間と言うのは、その信頼値を稼ぐのに、必要な時間の最低値であり、もっと時間がかかる事も想定している。


「私が、シュンカトウ共和国の姫だと名乗るのは……?」

「権力を振るえば解決するのは、一般の家や商会くらいで、神社にはそれは通じないと思うよ」


 むしろ、相手に警戒心を抱かせて、より見せてくれなくなるかもしれない。


「3日間修行をして、その間に"この2人は純粋に【祭壇の間】を見たいと言っているだけの、ただの流浪の民"と思わせるのが、今回の目的だ」

「なっ、なるほど……難しそうですね」

「そう? 意外と簡単にしてますよ」


 そう、【祭壇の間】なんて普通に見せてもらおうとしても、見られる訳がない。

 教会は多くの人に神様を象った像を見て貰って、一緒に崇めましょうというスタンス。私のイスウッドにある教会も、そういう風に神様の像を見たいと言えば、すぐさま、見せて貰える。

 それに対して、神社は神様となるべき像は神社の大切な場所に隠し、その方向を見ながら「そこに居る」という条件を頭の中で思い浮かべながら祈るスタンス。神様を直接見るのは無礼だとされており、特別な日にのみその姿を、それも一部の人間だけが見る事が許されるというモノなのだ。


 そんな神社の、【祭壇の間】に入る方法。



「フランシアさん、今から私達は、2人で----」

「ごくりっ……!」




「ペアで活動する配信者となりますっ!」




 私はそう、今回の重要な作戦目標を、馬車の中で語るのであった。

ベータちゃん、激おこ案件!!

これは確かに、ベータちゃんが知ったら

フランシアちゃんが怒られる事確定ですねぇ('ω')ノ

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