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スローライフ配信をしてたら、相方のゴーレムがアップをはじめたようです  作者: アッキ@瓶の蓋。


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第386話 娘であり、母でもあります配信

「ススリアお母さん(・・・・)、私は食事を希望します。()となるために、十分な食事が必要となるのです」


 ポーション100本を品質A以上で作るという、基礎錬金術100連ノック配信をした私。無事、100本を作り上げる事に成功したのも束の間、謎の成人女性が現れたのであった。


 その成人女性は、立派な紅色の角を2本持ち、背中に2枚の大きな翼を持っていた。蛇を思わせる三白眼に、薄い水色のような肌の、22歳くらいの成人女性である。

 ワイシャツにミニスカートという、とっても個性的な姿をしている彼女は、なんども私を見るなり「母さん、母さん」と言って慕って来るのだ。


 一応、ベータちゃんに頼んでお食事を作って貰っているけれども、私としては、なんでいきなりこの成人女性が出てきたのかが気になるんだけれども。


「(とりあえず、あの角と翼、それに蛇を思わせる三白眼から見ても、ドラゴン、だよね)」


 うちには、ドラゴンの卵を素材に使ったアレイスターが居るが、彼女の持つドラゴン的特徴にそっくりである。ポーションを液体と考えれば、私が作って置いた液体と融合して生まれたダヴィンチちゃんを思い浮かべる。


 本当に、彼女はいったい、なんなんだろう?


「マスター、彼女なんですが……ゴーレム、で良いんでしょうか?」


 ベータちゃんにそう問われたので、私は首を振って違うと意思表示する。


「いや、こっそりと彼女の組成を調べさせてもらったんだけど、これはゴーレムじゃないし、なんなら生命体でもない」


 ちなみに、どうやって調べたかと言うと、彼女の髪の毛の一部を拝借して調査していた。錬金術師にとって、素材の鑑定は基本中の基本であり、髪の毛1本からでも彼女が何者なのかをだいたい把握できる。

 できるはずなのだが……結果は、ゴーレムでもなければ、生命体でもないという、謎の結果である。下手に調査できないと判断された方がよっぽど良かったとも言えるような、結果であった。


「それって、どういう事ですか?」

「髪の毛を調べて貰ったんだけど、鑑定結果が『液体』なんだよねこれ」


 そう、めちゃくちゃ感触からして固体なのに、鑑定結果は『液体』。水などに近いという判定だ。

 肌の色も水色っぽいし、普通じゃないのは確かだが……。


「なぁ、少女……ではないな。なんて呼ぼう?」

「ススリアお母さん、それでしたら【タラッサ】とお呼びください。村ではそう呼ばれていましたので」

「そう、タラッサさん、ね」


 なんで私がお母さん呼ばわりされるのかは謎だが、とりあえずヒントは得た。




 ----"村ではそう呼ばれていましたので"。




 彼女は確かにそういった。

 なら、彼女が何者かを知るためのヒントは、消えたポーション100個の素材の採取場所、クリィム村にあるに違いない。そして、そのクリィム村には、いま現在ゼータちゃんが滞在している。

 それならばっ----!


「マスター、それは蛇、でしょうか?」

「あぁ、情報収集用の蛇型ゴーレム達だ」


 蛇は優秀である。腕と足がなくても、その身体の構造で木を登る事が出来て、相手に気付かれずに背後を取ったりすることが出来る、自然界における潜入のスペシャリスト。周囲の色に溶け込む保護色による擬態など、その潜入性は非常に高い。

 今回、情報収集をする場所は、極地認定されている山村。何が起こるか分からない。下手したら、村人が強大な魔物に操られている可能性がある。だから、ゼータちゃんにはただの旅人を装うように、指示を出しているくらいなのだから。


 赤髪妖精ヴァーミリオンがこちらのイスウッドに来たように、転送装置の魔道具を使えば、モノのやり取りは可能。今こうして作り上げた、情報収集専用の蛇型ゴーレム達が、ゼータちゃんの代わりに、『タラッサ』とは何者なのかを調べ上げてくれる。


「さぁ、蛇型ゴーレム達よ。タラッサという言葉について、潜入先で調べてくれたまえ」

『『『キィィィ!!』』』


 蛇型ゴーレム達はそう言って、スーッと転送装置に吸い込まれていく。これで、ゼータちゃんの方へと転移できた事だろう。


「マスター! なんか彼女がマスターに用事だとか!」

「ススリアお母さん! 母を一人にしないでください、構ってください、おしゃべりしてください、じゃないと泣きますよ」

「なにその良く分からない脅し」


 ともかく、蛇型ゴーレム達はきちんと送れたので、私はタラッサの相手をする事にする。

 タラッサは「早く、早く!」と急かしつつ、私に色々と要求して来る。


「ススリアお母さん、もっとお母さんのことを教えて。母として、子供として、娘であり母親でもあるススリアお母さんの事を知りたくてたまらないんです、私」

「……そう、なんだね」


 いやぁ……非常に、面倒臭いなこの娘!



 とりあえず、極地認定機能がきちんとできていれば、こんな回りくどい事をしなくて済んだはずなので、今度【アルファ・ゴーレムサポートシステム】の大幅なアップデートをして、今後二度とこんな事がないようにしようと、心に誓う私なのであった。

調査は、きちんとしないといけませんよね!!


いざ、クリィム村の調査を開始しましょう(*'ω'*)

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