第385話 基礎錬金術100連ノック配信
「はいみなさん、おはうおっち! 錬金術師系配信者のあるけみぃです!
今回は基礎錬金術100連ノック! 出来るだけ早く、基礎錬金術でポーションを作っていきたいと思います!」
(※)『おはうおっち!』『おはうおっち!』『久しぶりの錬金術配信ですね☆』『おはうおっち!』『本当に久しぶりに錬金術をやてる気がする』『←やってる、な』『コメントに突っ込むのも久々に見た気がする』『ほんとうそ』『それは狙ってやってるの?』
という訳で、今回は『クリィム村』の素材を使って、基礎錬金術100連ノックというのを開始したいと思っています。その名の通り、タイムを競うつもりで急ぎ、錬金術の基礎中の基礎であるポーションを100本作るというのをやろうと思います。
ポーション作成に関しては、早さを競うためだからそれを基本にはしつつも、錬金術師としてのレベルアップを目的にしたいので品質A以上を目安に頑張りたいと思います。
「(『クリィム村』の素材を使えば、私の現在の錬金術師レベルなら速度だけを求めれば品質Bくらいはいけるだろう)」
品質A以上を目指すには、1つ1つ丁寧にこなしていけば、問題はないはず。ただスピードもしっかり求めていきたいため、その辺もしっかりやっていこうか。
「品質判定はこの私、ベータちゃんがさせていただきます。この度、マスターから紙の力を使えるようになれと言われました」
品質A以上なのか、そして個数の計測に関しては、ベータちゃんの担当である。治癒神のカンロ神様から神様の力を使えるようにして貰ったベータちゃんだが、今のところ家事担当のベータちゃんに出番がないため、使用する機会が極端に少なかった。
なので、今回はその訓練も兼ねているという訳だ。
「ふふっ! マスターと一緒に訓練♪」
(※)『あっ、女の顔』『これ、一緒に訓練するの待っていたな』『尊い』『カワユス』
さて、それじゃあポーション100連ノック、スタート!
私は順調な滑り出しを見せた。初めの20個くらいは、品質A以上、なんなら品質Sのモノもあったくらいだ。
問題は23個目。そこで初めて、品質評価『B』がついた。
ベータちゃんは私に甘々なゴーレムではあるが、頼んだ仕事に関してはきちんとやってくれるタイプのゴーレムである。そんな彼女が『このポーションの品質はB』というのならば、そうなのだろう。
どこが悪かったのかを、作り直した23個目を作りながら考えつつ、私は軌道修正を行っていく。
(※)『真剣な様子だな』『作りながらどこが悪いかという反省をしているな』『ランニングしながらフォームの調整をするようなモノ』『無謀じゃない?』『この人、スローライフを欲しているがそういうのストイックだよな』『あぁ、妥協を許さないというか』『別の配信者で同じような事をしていたが、途中で投げ出したりしてたぞ』『あぁ、見た事ある』
作り直した23個目、24個目、25個目、26個目と問題はなく、私は作業を続けて行く。
次に躓いたのは、48個目。もう少しで半分行くかという、大事な場面。
そこで初めて品質Cがつき、その後も品質Bと品質Cが5回ほど続いた。
(※)『あ~、沼ってるなぁ』『良くあるよね、慣れってやつだな』『品質Cでも普通に売れるレベルのポーションなんだが』『作り続けていると、自分でも気づかないうちに楽しようとするんだよな』『あるいは、なにかを疎かにしている』『普通、ポーションをここまで大量に、それも高品質を一気にとかないからな』『休憩とかいれるべき』
確かに、休憩して一息入れれば、それで済む話なのかもしれないが、タイムアタックをやっている最中にそれはダメでしょうと、自分の心がそう叫びたがっていた。
8回目の挑戦で、ようやく48個目をクリアする。
その後は、超集中状態であるゾーン状態に入ったとでも言うべきか、サクサクとポーション作りが進んで行く。なんなら目を瞑っても出来そうなくらいだ、実際にやったら品質E以下とか普通に出来そうなのでしないけれども。
そして、遂に念願の100個目の品質A以上のポーションが完成したその瞬間である。
----こぉぉぉぉぉぉぉ!
私が作った100個の品質A以上のポーションが、光り輝き始めていた。
(※)『なにこれ?!』『ポーションたちが光り輝いている?!』『100個のポーションを揃えし時、お主の願いを叶えよう』『ポーション神様!』『いや、ポーション100個買うだけで呼び出せる神って、安上がり過ぎない?』『神を呼び出すにしては、コスパよさそう』
「マスター! マスターの唇は、私が守ります!」
「なんで唇?! そういう時は、目を守れ! 目を!」
(※)『正論ww』『確かに唇守る必要ないよな』『ベータちゃん暴走してる』『いきなり光り輝いたら驚くでしょ』『ゴーレムでも?』『ゴーレム警察さん、差別者はここですよぉ~!』
そうして、何故かベータちゃんに唇を手で押さえられていると、
「どうも、ススリアお母さん。あなたの母です」
何故だか、ポーション100個は消え、私の母親を名乗りながら、私を母と呼ぶ成人女性がそこに居た。
……いや、どういう状況なのこれ?
「ススリア母さん、私は母親です」
……ほんとうに、変なのが出てきましたね(*´Д`)




