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スローライフ配信をしてたら、相方のゴーレムがアップをはじめたようです  作者: アッキ@瓶の蓋。


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第381話 とある少女の正体暴露配信

 ~~魔王ユギーの五本槍 無敵のナタラ~~


「----さてと、それじゃあ早速」


 少女はそう言うと、手にしている赤い腕に力を込める。魔王ユギーの赤い右腕が、少女が力を込める事によって赤い右腕が光り輝いて行き、そしてポイっと少女はその右腕を捨てる。

 地面を転がった赤い右腕は、光が集約されていくと共に、1つの姿形へと変化していく。


 光が収まった時、そこに居たのは黒い帽子を深々と被った細身の少女であった。着ている白いワンピースの背中には【希望】という二文字が黒いペンキで深々と書かれている。


「…………」


 そのワンピース姿の少女はキョロキョロと辺りを見渡して、そして少女と視線をぶつける。少女はその視線に気付いたのかニコリと微笑みかけると、ワンピース姿の少女はぶるぶると震え始めた。


「まさか、そんな、また会える(・・・・・)日が(・・)来ようとは(・・・・・)!」


 ワンピース姿の少女はそう言うと、どこから出したのか、メモ帳に物凄い勢いで執筆し始める。


「【あぁ、麗しき君よ。私の目に映る君は以前とは違うけれども、その美しさはいつまでも、そしてどんな姿になろうともこの目に美しく映っていますとも】」

「相変わらず、だな」


 その執筆する姿に、思わず声をかけると、ワンピース姿の少女は帽子をすっと上にして、こちらの顔を見る。その帽子の下には、【希望】という二文字が書かれた仮面をつけていた。


「あぁ、【無敵】さん。どうもお久しぶりです」

「お久しぶりだな、【希望】」


 メモ帳を片付け、ワンピース姿の少女はペコリと頭を下げる。


「魔王ユギーの五本槍の1人、【希望のムスケル】。ただいまここに」


 と、【希望のムスケル】は少女に向かって、深々と頭を下げる。


「やはり、か……」


 その様子に、私はこれが真相であると、確信できた。



 -----【希望のムスケル】。

 魔王ユギーの五本槍の1人であり、分身体。【快感のブラッド】が作り出した、自我を持つ魂だ。


 快感のブラッドは、魂に干渉して、武器に変えるという特殊能力がある。魂に権能を使って干渉し、自身を武器にする能力を与えるのが、快感のブラッドの能力である。

 そんなブラッドは自身の能力を己へと使って、この【希望のムスケル】を作り出した。そう、ブラッドは自らの魂を、魔王ユギー様を守るという意思を持つ武器に変えたのである。

 ムスケルは前の戦いの際、人間と神々が協力して、魔王ユギー様を退治しようとした際に、自らその攻撃に割り込んで力の大半を削り取った。そのせいで、人間達は神々の力を借りてなお、魔王ユギー様を封印する事しか出来なかったのだ。


 いわば、魔王ユギー様を守った、一番の功労者とも言える。


 そんなムスケルにとって、一番大切なのは、魔王ユギー様。快感のブラッドが、"魔王ユギー様を守る"という事を第一目標として掲げて生み出した、自らの魂を使ったゴーレムと言っても良いムスケルが、少女を見て喜ぶ。


 つまりは、そういう事だ。


「うんうん! 久しぶりに会えて嬉しいよ、ムスケル」



 以前、暴力のハルファスはこう言った。

 

『魔王様は復活しました! 魂も、身体がこちらにある以上、復活するのはそう難しくはありません! 身体と魂は惹かれ合う! こちらの世界に身体があるのなら、魂だって、すぐさまこちらへと引き寄せられるはずです!』


 あれは、魔王ユギー様の身体をこちらの世界へと復活させたハルファスの言葉。

 身体がこちらの世界に来ているのだから、きっと魂もこちらの世界にやってくるのだという。


 しかし、実際は逆だった。

 "魔王ユギー様の魂がこちらの世界にあるから、身体がこちらの世界に引き寄せられてやって来た"。


「(つまりは、この少女こそ----魔王ユギー様本人)」


 ゴクリと、唾を飲み込む。

 少女に、いや魔王ユギー様だと知らずに、この少女を粗野に扱った覚えはない。なんなら、確証はなかったものの、この少女と出会うや否や、一緒に行動しなければならないと、そう何故だか命令されているような気持になり、今の今まで親切に対応してきた。


「ごめんね、ナタラちゃん。今まで黙ってて」


 「ごめんちゃい」と、少女は、いや魔王ユギー様はテヘペロっと、舌を出して反省の意を表している。私は気にしてないと、手を振って応える。


「しかし、魔王様。どうしてそのような少女の姿になられているのでしょうか? いつもの筋骨隆々のお姿は----」


 ムスケルがそう聞くと、魔王ユギー様は「そんなの簡単だよ」と、まるで幼い子供に説明するかのような口調で。



「もう、筋肉は流行らないから」



 そう、応えるのであった。


「だから、今はこの少女のような姿こそ、この私って事。どうかな?」

「えぇ。実に、そうまさしく実に相応しいと思います、魔王様!」


 ムスケルはそう笑っており、それに釣られて魔王ユギー様も笑っている。


「さて、ムスケル。それじゃあ、行こうか」

「行くって、どこにでしょうか?」


 ムスケルの質問に、魔王ユギー様はこう答える。



「世界を支配するに相応しい力が眠る土地へ、だ」




(※)希望のムスケル

 魔王ユギーの五本槍の1人。快感のブラッドが、自らの魂を変化させて、魔王ユギーの護衛役として用意していた

 数千年前、魔王ユギーの脅威を知った人間達は、神様に祈りを捧げ、そして神様達はその祈りに応じて対処してきた。その強大な神聖術を、魔王ユギーにぶつける事は行かないと、自らの盾となって倒されていたが、魔王ユギーの力によって、この世界に復活を遂げるのであった

快感のブラッドは、魂に干渉して武器にする事が出来る

その能力を用いて、魔王ユギーを守る"自分で行動して守る盾"という武器を

自らの魂で作った

それが、希望のムスケル


え? 今のブラッドちゃんは、魂がないのかって?

ないけど、動けるよ。悪魔は人間じゃない設定なんで

魂なくて動けても普通です( ゜Д゜)

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