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スローライフ配信をしてたら、相方のゴーレムがアップをはじめたようです  作者: アッキ@瓶の蓋。


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第368話 ホテル内の決戦配信【赤髪妖精ヴァーミリオンVS.悪魔ハルファス】(1)

『ひひっ! 潜入成功! 潜入成功!』


 ホテル・イスウッドのエントランス----そこから少し離れた、パーティー会場。錬金術師ススリアによって作成された亜空間によって生み出されたパーティー会場に、悪魔ハルファスは侵入に成功していた。

 犬獣人兵士から剥ぎ取った皮膚はすっかりと馴染んでおり、ただの犬獣人にしか見えなかった。そして、そんな犬獣人の顔で、悪魔ハルファスはニヒヒっと笑っていた。


『あぁ、ほんとうに、ほんとーうに、トウダさんには感謝しかないですねぇ~』


 このホテル・イスウッドに侵入した最大の要因は、シュンカトウ騎士団に所属する兵士トウダの存在が大きい。


 ガラガラヘビの獣人族である彼は、兵士として、そして偵察役として非常に優秀である。

 熱を感知するピット器官。相手の行動を止める猛毒。そして、本来は威嚇用のガラガラという音を、音響測深機(ソナー)のように使っての警戒。まさしく、非常に優秀な偵察役の兵士。




 だからこそ(・・・・・)都合が(・・・)良かった(・・・・)


 悪魔ハルファスが持つ権能、【願望の力(劣化)】は、偵察役である兵士トウダに対して、非常に相性が良かった。彼の存在は、この犬獣人兵士の記憶で知っており、自分の容姿に関してコンプレックスがあるため、無関心であるという事を知れたのも良かった。

 自分の力を過信した犬獣人兵士、明らかに別人だと思われる姿にされても気にしないガラガラヘビ獣人兵士。2人の兵士の協力があったからこそ、こうして悪魔ハルファスは無事、ホテルの中へと潜入できたのである。




『ふふっ、思った通り、ホテルのエントランスは人が多かったですね』


 ----ペタリっ。


 悪魔ハルファスはそう言って、【黒キ翼】を、パーティー会場の床に貼り付け、効果を発動させる。


『でもですね、私が持っている【黒キ翼】は、対象を黒い液体で侵食するモノ。ホテルのエントランスにお願いしたのは、そこが一番目的地に(・・・・)近いから(・・・・)


 だからこそ、ホテルのエントランスの警備が厳重だからこそ、悪魔ハルファスはパーティー会場にやって来ていた。錬金術師ススリアの力によって、亜空間にする事によって本来の部屋の大きさ以上に広がった空間へと。


『亜空間、それは空間を歪ませて、本来は存在しない場所まで広がる空間。そう、いま私が立っているこの場所には、別の空間が広がっているはずなんですよ。

 ----ホテルの(・・・・)エントランス(・・・・・・)がねぇ~!!』


 ----ごごごっ!!


 【黒キ翼】によって、黒い液体で汚染された空間。そこから大きな穴が、ぽっかりと開いていた。


『【黒キ翼】は、対象を汚染して空間を広げ、悪魔がこちらへとやって来る穴を作り出すモノ。本来であれば、そのモノの価値が穴の大きさに比例するのですが、中には例外がある。

 それが、この場所。そう、ホテルのエントランスになってしまった、ここ!』


 元々、悪魔は【黒キ翼】によって人工的な穴が作られなくても、普通にこちらの世界へとやって来ることが出来る。それは自然に、長い年月をかけて出来た穴によって。

 この世界には、その悪魔が通るための穴ができやすい場所というモノがある。そう、その場所こそ、魔王ユギーが復活できるほどの巨大な穴ができやすい場所というモノが、ホテル・イスウッドのエントランスの部分だったのである。


 本来は、ホテル・イスウッドのエントランスに貼れば、それが一番良い。しかしながら、重要なのは"ホテル・イスウッドのエントランス"という場所ではなく、"ホテル・イスウッドのエントランスがある空間"。亜空間によって広げられたパーティー会場の、悪魔ハルファスが立っているこの場所こそが、魔王ユギーが復活出来るほどの大穴が開けられるポイントだったのだ。


『できやすいとは言っても、自然に待てば、1万年待っても穴が開くかどうか分からない。だからこそ、【黒キ翼】によって強引に開けさせてもらいましたよ!』


 ----ぺたっ。


 悪魔ハルファスによって作られた穴の中から、なにかがゆっくりと、こちらへと這い上がって行く気配が感じられる。その気配は、下級兵士悪魔なんかとは比べようがない、恐ろしいほどの邪悪な気を纏っていた。


『さぁ、魔王ユギー様! 一緒に(たの)しく破壊(あそび)ましょう! 世界を堕落に、堕落に、堕落に、そう導くのです!』


 あと少し、あと少し、あと少しっ!

 もうすぐ、もうすぐ、もうすぐっ!


 悪魔ハルファスは、魔王ユギーの到来を、心待ちにしていた。

 そう、勝利を確信していたのであった。



 ----くしゃっ。



『え?』


 しかし、悪魔ハルファスの完全勝利とはならなかった。悪魔ハルファスの目の前で、魔王ユギーが復活するための大穴が歪み、ひしゃげてしまった。これでは、魔王ユギーが復活しない。


『もっ、もう一度やるしか……』


 そう言って、再び【黒キ翼】を取り出す悪魔ハルファス。しかし、そのカードは、ハルファスの手の中でくしゃりと、大穴と同じようにひしゃげてしまっていた。


「見つけましたよ、悪魔ハルファス」


 声のする方向に、悪魔ハルファスが顔を向ける。するとそこには、赤髪妖精ヴァーミリオンが、立っていたのであった。


「さぁ、リベンジマッチです!」

『良いでしょう。あなたを倒して、魔王ユギー様を復活させてみせましょう!』




(※)悪魔スポット

 悪魔がこちらの世界に来る穴が出来やすい場所。今回、悪魔ハルファスがホテル・イスウッドのエントランスに固執した理由がそれであり、エントランス部分に【黒キ翼】を用いて穴を開けると、通常よりも大きな穴ができ、魔王ユギーが復活すると考えた

 重要なのは地点であるため、亜空間によって広がっているパーティー会場から、エントランス地点にて【黒キ翼】を設置。その結果、魔王ユギーが復活できるほどの大穴を作ることに成功する。ただし、その後、赤髪妖精ヴァーミリオンの【重力】の力で、空間ごと捻じ曲げられてしまい、使い物にならなくなってしまい……?

次回、赤髪妖精ヴァーミリオンVS.悪魔ハルファス!!

そして、悪魔ハルファスの戦術が明らかに?!


次回もお楽しみに(''◇'')ゞ

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