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スローライフ配信をしてたら、相方のゴーレムがアップをはじめたようです  作者: アッキ@瓶の蓋。


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第364話 戦場に響き渡る配信

『さぁさぁ! もっともっと、君達と戦わせて欲しい! その輝きを見せてくれ!

 一番光り輝いたその時に、この私が引導を渡して見せましょう!』


 上級兵士悪魔ディアスは槍を構えながら、シュンカトウ騎士団四天王の5人に近付いて行った。


 ディアスは自身の権能、【力量】の力によって、5人がどれだけ強くなるかが分かっている。

 力は最終的にどこまで強くなり、どれだけ素早くなるのか、そういった5人のそれぞれの完成した姿が分かっている。そしてディアスの経験上、どれくらいの時間がかかったら、どれくらい成長するかといった、そういう事すらも分かっている。


『戦いの中で成長する! それが、人の素晴らしい所だ! 強敵との時に、その成長は特に行われている! その輝きは、今までの自分よりも強くなったその成長した時に、もっとも光り輝く! その眩い輝きを、この手で刈り取るその瞬間!

 ----あぁ、今から考えるだけでも、ゾクゾク(・・・・)と楽しみでしょうがない!』


 上級悪魔ディアスの言葉に、シュンカトウ騎士団四天王の5人はドン引きしていた。

 人間の考えではない、悪魔(じんがい)の相手の考えなんだと、すっごくドン引きしまくっていた。


 ドン引きしたと言っても、5人の力では、ディアスには叶わなかった。せめてもの最後の抵抗として、5人全員の力を掛け合わせた連携技で止めを刺そうとするも、ディアスには5人それぞれの力量が、長所が分かっているから、どう行動するかが予測できている。



 ----絶望的な強さ。

 ----それが、上級兵士悪魔ディアスである。



『さぁ、指を1本くらい折っておきましょうか? 人間ってのは、痛みで力が弱体化するのと同時に、それをバネにして、さらに強くなる生き物だからねぇ!』


 5人のうちの誰の指を折ろうか? そんな、めちゃくちゃ非道な事を、嬉々として考えていたディアス。



 ----ぽんっ!



「「「「「-----っ!」」」」」

『ん? ピアノの音?』


 いきなり、ディアスが支配する戦場に響き渡る、ピアノの音。

 いったい、どこから聞こえて来たのだと、ディアスがそう思っていると、今まで動かなかったシュンカトウ騎士団四天王の5人が立ち上がる。


『おぉっ! まだ足掻くか! 結構、結構! その分、悪魔の世界で退屈に過ごす、この上級兵士悪魔ディアスを楽しませてくれたまえよぉ!』


 ディアスの言葉に応じるように、聖職者騎士であるダラが大槌を振り上げて迫って来る。


『いきなり後衛(しんかん)が来るか! 無駄だ、意表を突いたつもりだが、その戦闘力(りきりょう)もこの私は、既に完成系まで把握済みで----』


 ----ざくっ!


『----把握、して?』


 ディアスは驚く。ダラが振り上げた大槌は、ディアスの想定外の速さで、鎧姿のディアスの右腕を吹き飛ばしていた。


『おっ、おかしい!? 覚醒して強くなったつもりか?! 私は、その覚醒した時の強さすらも把握しているんだぞ?!』


 今のダラの速さは、ディアスが読み取った彼女の完成系よりも、速かった。

 つまり彼女は、ディアスが読み取った彼女の"一番強い時の姿"よりも、成長したという事で----



『あっ、あり得ない! 鳥が空を飛ぶように、太陽が昇っては沈むように! 人間が、この悪魔ディアスが読み取った完成系よりも強くなるなんて、あり得ないはずっ!』


 ----ぽんっ!


『またピアノの音……かはっ?!』


 ピアノの音が聞こえたと同時に、ディアスの身体はプロトンとエスエースの技で、殴られていた。身体がおかしな方向に曲がり、身体の機能のいくつかが不調を訴えている。

 それ以上に、ディアスは驚いていた。彼女達の完成した姿で殴られても、ここまでダメージは与えられないはず。そう、ダラの時と同じく、彼らも限界を超えている。


『なんなんだ?! 人間は、そういう生き物ではないはずだ! 私が【力量】の力で読み取る生物の強さというモノは、いつでも完成系が決まっており、それ以上には強くならない、そういう生き物だったはず!

 その完成系に、この悪魔ディアスとの戦いでどれだけ近付けさせるか! どれだけ脅威と思わせ、どれだけ成長させるだけの強敵となり得るか! それこそが、このディアスの、唯一の愉しみだというのに!』


 ----ぽんっ!


 ピアノの音が、またしても響き渡る。

 そして、ディアスの元へ、ザザードが操る魔導人形鎧が迫って来る。


『どういう理屈かは、分からぬが! 強敵との戦いで成長するのは、人間だけの専売特許(つよさ)ではない!』


 ディアスは吼える。ダラによって消し飛ばされた右腕も、無理矢理魔力をかき集めて、復活させる。

 既に情報は理解した。ピアノの音が聞こえてから、彼らの能力は明らかに向上した。ディアスが見た数値(ステータス)の限界値よりも、ほんの2割ほど高かった。


 ならば(・・・)、それを踏まれて、対処すれば良い。


『その鎧の強さも、2割増しで、いや4割増しだと仮定して対処すれば良い! 私の見定めは、完璧なのだから!』


 ----ごんっ!


 鎧の攻撃を、ディアスは完璧に防いでいた。やはりディアスが見た数値よりも、2割増しではあったが、元々予想していたので対処も容易かった。


『面白いっ! どういう理屈かは全く分からないけど、あのピアノの音が重要なのは分かった! 音がどこから聞こえて来たのかを調べれば、その音の正体を調べ、なんなら私の強さとして得る事も----』




 ----ざくっ!



『は?』


 ピアノの音は、聞こえてなかった。

 しかしながら、ディアスにとって、またしても想定していない異常事態が陥った。


 両腕で防いだ魔導人形鎧。それを操るザザードの糸が、明らかに意図しない動きで動いたかと思ったら、ディアスの首を掻っ切っていた。

 掻っ切られて初めて、ディアスはその糸の正体が分かった。


『----ピエーム! 貴様は、斧のような刃物になる事が出来るだけで、糸のような姿にはなれないはずだぞ! どうして、そんな自分の殻を破る事が----』


 ----シュシュシュシュッ!


 しかし、ディアスは言葉を発する事は出来なかった。

 ピエームが化けた糸は、相手を倒すという明確な殺意を持って、ディアスの身体を細切れにしていたのだから。



 ----そうして、上級兵士悪魔ディアスは、身体を維持できず、そのまま消えて行った。






『手助けになれて、なによりでございます』


 ピアノの音の主、イータちゃんはそうホテルの屋上で呟くのであった。




(※)【統率(ひきい)る音色】

 イータちゃんが、シュンカトウ騎士団四天王の5人に対して行った方法。元々は、編集作業に特化されたゴーレムであるガンマちゃんが思いついたモノ

 特殊な音を響かせることにより、対象を統率(コントロール)して、こちらの自由自在に操るモノ。音と共に相手を操る事により、そのモノが持っている力量以上の力を引き出す、軍用の魔術の亜種

 軍隊そのものを強化する軍用の魔術から発展させて作っているため、音によって操られている際、軍用魔術の効果によりパワーアップ効果が施されるようになる

連携技に必要な最後のピース

それは、彼らを統率する、リーダーの存在でした!!


なんとなく、音楽を使って

メンバーの意思を共有するという槍かtが亜

一番それっぽいと思ってる


某アニメ番組の影響でしょうけど(*'ω'*)

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