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スローライフ配信をしてたら、相方のゴーレムがアップをはじめたようです  作者: アッキ@瓶の蓋。


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第362話 上級悪魔ディアスとの戦い配信(2)

 悪魔ハルファスが作り出した【黒キ翼】は、物体に取り付ける事により、特殊な黒い液体で浸して、悪魔がこちらの世界に入るための穴を作り出すためのモノだ。

 そして、その穴は、取り付けた物体によって、大きさが変わって来る。


 【黒キ翼】を取り付けたモノが、より複雑で、なにより高度な人工物、文明の産物であればあるほど、その穴は大きくなり、上位の悪魔が召喚されるようになる。


 たとえば、普通の木々ならば、下級兵士が。

 ススリアが作り出したスタッフ型ゴーレムならば、下級兵士よりも上位の悪魔である、悪魔フォクマイラが。

 スタッフ型ゴーレムで生み出された穴の方が、より上位の悪魔が召喚できている。


 何故ならば、普通の木々よりも、スタッフ型ゴーレムの方が、より複雑で、人工的で、文明の産物である。だからこそ、スタッフ型ゴーレムを使って生み出された穴から、下級兵士よりも上位である、悪魔フォクマイラが召喚できているのである。




 ----ではなんで、そんな悪魔フォクマイラよりも上位である悪魔、上級悪魔ディアスが、どうしてこの場に居るのだろうか?




 その答えは、下級兵士悪魔20体の死体。シュンカトウ騎士団四天王が倒した、20体の悪魔たちである。


 下級兵士悪魔たちに貼り付けられた【黒キ翼】は、悪魔たちの力を強化するカードであった。しかしそれは、シュンカトウ騎士団四天王の5人が倒すまでの話である。

 倒された事により、【黒キ翼】は"悪魔の力を強化する"という性質よりも、"悪魔を召喚するための穴を開ける"という機能が使われるようになった。


 20体の、悪魔による死体の山が作った、こちらの世界と悪魔の世界を繋ぐ穴。

 1つ1つ自体は下級悪魔しか呼べないくらい小さな穴であったが、20個も繋がる事によって、上級悪魔ディアスを呼べるほどの穴を作り出せたのだった。


 むしろ、こうやって倒されることそのものが、悪魔ハルファスの狙いだったとも言えるのだが。




 上級悪魔ディアスは、デュラハンと呼ばれる首のない、騎士の悪魔。

 かの悪魔は、手持ちの得物である槍を使って、四天王の5人の攻撃を完璧にいなしていた。


 プロトンとエスエースの2人による接近戦は、ディアスに攻撃が届く前に槍で体勢を崩され。

 ピエームとザザードによる、それぞれの武器を合わせた技は、放つ前にエスエースを掴まれて投げる事で攻撃事態を阻止。

 後衛から狙っていたダラも、攻撃を放つ前に槍で攻められて対処されてしまう。


『悪魔の世界は暇でよぉ! なにせ、悪魔がただ大勢居るというだけで、戦う機会に飢えてるんだ! ほとんどが神聖魔法以外は、効かないからいつも不完全燃焼でよお~』


 ディアスはそう言って、槍を向ける。ディアスはこの中で一番体力が残っていそうな、つまりは元気がありそうなザザードに声をかけていた。

 彼以外は、4人全員が膝に手を当て、ぜぇぜぇと肩で息をしている状態だったからだ。もっとも、ザザードも人形に肩を貸してもらって、辛うじて立っているだけで無事とは言えない状況なのだが。


「ほんとう、なんなんだよ、あんた……」

『そんな自己紹介なんて、戦闘には関係ないでしょう? さぁ、一緒に戦い合いましょう!』


 槍を振り回しつつ、そう提案して来るディアス。そんなディアスに対し、ザザードは「言葉が通じませんか……」と呆れていた。


「(下級悪魔を倒した事で出てきたこいつが、強いのは分かってましたが……まさか、一瞬で5人全員がやられるだなんて)」


 ザザードも、そして他の四天王の4人も、自分達が弱いとは決して思っていない。しかし、そうだとしても、このディアスは明らかに以上に強かった。


 なにか、特殊な能力があって強いとかだったら、5人全員その能力の謎を考えるだけで済み、ここまで体力を消耗しなかった。

 そうではなく、ただ純粋に上級悪魔ディアスの実力が、5人よりも勝っているという事実が、彼ら5人に大きくのしかかっていた。


「こうなっては仕方ないな」


 ザザードはそう言って、人形に寄りかかるのを止めて、魔導人形鎧サンバンの右腕を銃の形態へと変えると、ばぁんっと、上に向けて放つ。


「「「「……!!」」」」


 その合図を見て、他の4人にも決意の瞳が宿り、力を振り絞って立ち上がる。


『おぉ! 再び立ち上がったという事は戦いを決意してくれたんだね! さぁ、一緒に戦おうじゃないか!』


 ディアスはそう言って、槍を持って5人に近付いて行く。

 ディアスは分からなかっただろう。まさか、先程の銃撃が『全員で覚悟を決めて、合体技で決めよう』という、ザザードからの合図だったとは。



(※)上級悪魔ディアスが通った穴

 悪魔ハルファスが呼び出し、なおかつ【黒キ翼】によって強化されていた下級兵士悪魔20体を倒した際に、生まれた悪魔の死体20体分によって出来た穴

 下級兵士20体の死体を使って出来ただけあって、本来はこちらの世界に来れないはずの上級悪魔ディアスを呼び出す事に成功している


(※)上級兵士悪魔ディアス

 悪魔には珍しい、普通に戦闘で決着を付けようとする、武闘派タイプの悪魔。戦闘をこよなく愛し、戦いでの高揚感を大切にしている。シュンカトウ騎士団四天王が倒した悪魔20体の死体によって作られた穴から、こちらの世界へとやって来た

 首無しの、紅色の鎧に身を包んだ騎士姿の悪魔。得意な得物は槍であり、槍に触れた相手の潜在的な才能を見定める【力量】の権能(ちから)を持つ。つまりは、ただ純粋にシュンカトウ騎士団四天王の5人を、純粋な武力で叩きのめしている

上級兵士悪魔ディアス!!

その権能は、相手の【力量】を測定するという能力!!


相手の才能を見定め、その人物の完成系を把握するという、

一見すると、バトルに関係のない能力で強いんだから

厄介ですよねぇ~!!

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