表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
スローライフ配信をしてたら、相方のゴーレムがアップをはじめたようです  作者: アッキ@瓶の蓋。


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

359/425

第359話 イータちゃんの後片づけ配信(2)

 錬金術師ススリアが作ったホテル管理特化型ゴーレム、それがイータちゃん。

 彼女には、ホテルを管理する機能が錬金術師ススリアによっていくつも搭載されており、その中の1つに『人物鑑定機能』というモノがある。


 元々は、ホテルの宿泊者が顔を隠したり、あるいは変装した時に対して、その人物が何者かを判別するための機能なのである。しかしながら、錬金術師ススリアが顔を隠したり、変装して来るお客様を判別するために作ったこの機能は、他者の種族を鑑定するという、そういう機能も結果として付けられてしまった。

 その制度は凄まじく、その当人の種族は勿論、その当人の親の種族まで当てられるというのだから、凄いとしか言いようがない。


 ……まぁ、イータちゃんとしては、そんな凄まじい『人物鑑定機能』を貰っているにも関わず、何故か悪魔ハルファスの鑑定結果が【泥棒】となっている事が気になってしょうがないようだけれども。


 そして、そんな優秀な彼女の『人物鑑定機能』は、お騒がせ系配信者であるロンダリゼの部屋に居た、謎の人物の鑑定も既に済ませていた。

 これは、『悪魔』である、と。




 部屋の中に居たのは、仮面を着けた小太りの女。仮面は、舞踏会で使うような目元のみを隠す仮面であり、狐の顔のような仮面であった。そして、右腕が2本、左腕が1本という、非対称な身体を持ち、お尻からは3匹の蛇がこちらをシュロシュロと、長い舌を出していた。




『来れた、来れた! この世界に、遂にこの【フォクマイラ】様が来ることが出来た! 今こそ、この世界を我の能力で混乱の渦に落としてやりましょうぞ!』


 自らを、フォクマイラと呼んでいる彼女を見ながら、イータちゃんは情報収集を開始する。

 まずは、このフォクマイラという悪魔がどうして部屋の中に居るのか、そして動かなくなってしまったスタッフ型ゴーレムの行方を知る事。この2つの情報を知ることが大事である、とイータちゃんはそう考えた。


 その理由は、すぐに判明した。

 お風呂場に行ったところ、そこには頭に【黒キ翼】を着けたまま、黒い像となって動かなくなってしまった、スタッフ型ゴーレムを発見したからである。そして、そのスタッフ型ゴーレムのちょうど頭上に当たる天井部分に、大きな赤い文字で【どっきり大成功!】という文字が、ペンキで書かれている。


 黒い像になってしまったスタッフ型ゴーレム、悪魔フォクマイラ、【どっきり大成功!】というペンキ文字。

 この3つを見て、イータちゃんは1つの仮説を思いつく。そうかなり説得力がある仮説である。


 この部屋に宿泊していたロンダリゼは、お騒がせ系配信者。人々に悪戯をして、その反応を配信で撮って面白おかしく、自身と視聴者を楽しませる事こそが、ロンダリゼという配信者である。

 そして、ロンダリゼは、このホテルを帰る前にとんでもない悪戯を仕掛けて帰って来たのだ。


 清掃スタッフがこの部屋を掃除する事を見越して、お風呂場の上に【黒キ翼】を置いておく。ちょうど、清掃中にスタッフ型ゴーレムの頭の上に落ちるように、計算し尽くしてセットされていたのだろう。こういう悪戯を仕掛ける者達というのは、その悪戯がきちんとかかるように、きちんとした段取りを、念入りに仕込むモノなのだから。

 そして、スタッフ型ゴーレムの頭の上に落ちる。お騒がせ系配信者であるロンダリゼは、【黒キ翼】というモノが、なんか黒い謎の液体を染み込ませる謎カードという認識だったのだろう。実際、【どっきり大成功!】という文字が書かれてあるし、水が入った桶から水を落としてぶっかけさせるレベルの、そういう悪戯だったのだろう。


 そして、その悪戯は、このホテル・イスウッド、もっと正確に言えばイスウッドで行われたため、厄介な事態を巻き起こした。


 悪魔ハルファスが何かしらの術を使い、【黒キ翼】による浸食を加速。一瞬で黒い液体を全身に侵食されてしまったスタッフ型ゴーレムを媒介として、呼び出されたのが、あの悪魔フォクマイラ、という所でしょう。

 そう、イータちゃんは結論付ける。


『(今度から、配信者様をご宿泊される際は、こういう悪戯を仕掛けて来る配信者も居るかもしれないので対処法をマニュアルに記載しておかないと……)』


 そう、結論付けていると、



『さーて、始めますかねぇ!』



 遂に、高らかに笑っていた悪魔フォクマイラが動く。


 彼女はグルグルと、2本ある右腕を大きく振り回しながら、それを壁にぶち当てる。

 ホテルの壁は、ばごぉぉぉんんっと、大きな音を立てて、崩れ落ちる。


『ひゃっひゃひゃっ! 愉快、痛快! やはり建物は破壊してこそ、愉悦というモノ!』


 『それ、もう一発!』とばかりに、2本ある右腕をぐるんぐるんっと、再び大きく回転させる悪魔フォクマイラ。


 ----しゅんっっ!


『----あれ?』


 しかし、その2本ある右腕は、神聖魔法によって消滅させられていた。


『なんだぁこりゃあ?』


 すっと、神聖魔法が放たれた方向を悪魔フォクマイラが見ると、そこには10体のスタッフ型ゴーレム、そして怒り心頭の様子のイータちゃんの姿があった。


『ホテルへの器物損壊罪、それはなによりも重い罪です。

 これより、マニュアルに則り、このイータの名において、破壊者への制裁手続きを開始します』


 イータちゃんの指示の元、10体のスタッフ型ゴーレム達は、神聖魔法を充填(チャージ)して、悪魔フォクマイラに狙いを定めるのであった。

ホテル管理特化型ゴーレムなので、

ホテルを傷つける者は、

たとえ相手が悪魔だろうと全力で戦う!!


それが、イータちゃんです('ω')ノ

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
↓途中でも『ご感想』『こうなったら面白そう』『こんなキャラどう?』という発想、また『フォロー&☆評価』お待ちしております!

カクヨム版(最新話更新中)!! 是非、ご覧ください!!
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ