表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
スローライフ配信をしてたら、相方のゴーレムがアップをはじめたようです  作者: アッキ@瓶の蓋。


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

356/428

第356話 イータちゃんが感じた悪魔ハルファスの人物像配信

 ~~シュンカトウ共和国騎士団部隊長ダンパン~~


『という訳で、映像は以上となります』

「あぁ、実に参考になる映像だ」


 イスウッドにある、シュンカトウ共和国の道場。そこでは道場に関連する者達が、このイスウッドにて腕に覚えのある者達が集まっていた。

 道場に所属する騎士団員。ノワルーナ領主の私兵である兎獣人達の集団。そしてデルタちゃんやアレイスター、ダヴィンチちゃんなどのススリアのゴーレム達。およそ、このイスウッドにおける戦力と呼ぶべき者達が勢ぞろいしていた。勿論、そこにはこの俺、シュンカトウ共和国の騎士団の部隊長、ダンパンも居た訳だが。


 しかし、この場を取り仕切るのは部隊長の俺でも、騎士団長であるネゴシィ様でもない。


「これが、私達が狙う商人ラジンと錬金術師マコモのワイルド工房の黒幕と言っても良いでしょう」


 そう言って、この会議のまとめ役である人物は、王都から来た商工組合のゼニスキー組合長。

 彼は、そう言って話を進めるのであった。




 ---そう、この会議は、ゼニスキー組合長主催による【ワイルド工房】の摘発案件。




 使い続けると、謎の黒い物体によって汚染されてしまう【黒キ翼】を販売する商人ラジン、そして【黒キ翼】を作ったであろう錬金術師マコモを捕えるため、彼らはこうして会議をしている訳だ。

 俺達はゼニスキー組合長の指示のもと、その捕縛の協力を頼まれていた。ホテル・イスウッドに入った後、無理に攻め込まないというのが、ホテルの管理者役であるイータちゃんの提案であり、俺達は商人ラジンが外に出た際に捕まえるように、待機中だった。

 

 しかしながら、イータちゃんの指示で、捕まえるのを延期して置いて、今は良かったと思う。なにせ、そのおかげでホテルの前に、悪魔ハルファスという敵が現れたのだから。


「恐らく、この悪魔こそが黒幕。対峙していた赤髪の少女との会話を手掛かりにすると、また来るのは明白ですね」

「あぁ、騎士団の予想では、ここ3日のうちに必ず来ると思う」


 ネゴシィ騎士団長の言葉に、俺達は頷いていた。あの手のタイプは、もう一度必ず来ると。


「しかしながら、この悪魔ハルファス。厄介な戦い方をしているな」


 「どう思う?」と、俺は騎士団員、それと兎獣人達に、問いかける。



 赤髪の少女は、戦闘慣れしていない。しかしそれは、人間と戦った経験があまりないというだけで、魔物との戦闘は慣れている様子であったため、戦いに不慣れだったという説は消える。

 それなのに、赤髪少女の攻撃はほとんど通じずに、最終的にはあの強力すぎる火炎魔法にやられていた。


「あの火炎魔法は威力が極大すぎるし、当たったらまず助からないでしょうね」

「映像の少女も動けていないし、この技を受けたら助からないのは確かでしょうね」

「助かるかどうかは分からないが、少なくとも受けない前提の方が良いだろうな」


 映像からは、その少女が死んだかとうかまでは分からなかったが、それでも動けない状況になったのは分かる。「もしかしたら、攻撃を受けても大丈夫かもしれない」などという、甘い考えの者はこの場には居ない。もし仮に居たとすれば、そんな甘い考えではこの先、命がいくつあっても足りないと思う。


「問題は、最後の避けられなかった理由だな」

「「「それな」」」


 俺達が不安に思っているのは、唯一それだけだ。

 その理由さえ判明すれば、この悪魔ハルファスの攻略は出来たも同然だ。


 しかし映像を見ても、適当にハルファスは狙いを付けずに撃っているだけの素人であり、放たれた魔法も威力以外に脅威と思える点はない。


「なぁ、イータちゃん。この戦っている相手に話を聞くのは無理そうかな?」


 ネゴシィ騎士団長の提案に、イータちゃんは首を振って拒否する姿勢を見せていた。


『すいません。こちらも客商売である以上、個人情報の扱いには慎重にならざるを得ない。そうマニュアルにありますため』

「そうか。無理そうか」


 ネゴシィ騎士団長ががっかりしたのと同じように、俺達もガッカリしていた。なにせ、本人からの生の意見が聞けたらこれ以上嬉しい事はない。

 商人には商人の、武人には武人の、それぞれの得意な事があるように、その当人でしか感じ取れていない違和感を感じている可能性が高い。それが聞けたら、戦いの攻略のヒントが得られるのは間違いないだろう。


『当人に話を聞くのは難しそうです。しかしながら、私が感じた違和感なら、お答えできるかもしれません』

「違和感……?」


 そう言えば、このイータちゃんは直接、悪魔ハルファスと会話をしている。その時に、なにかしらの違和感を感じたというのならば、それを聞いておいて損はないと、俺達はそう考えた。


「なにか感じたのならば、教えて欲しい。それが思わぬ突破口に通じるかもしれないからな」

『承知しました。私が感じたこれが、皆様の役に立つかは分かりませんが----』


 イータちゃんはそう前置きをした上で。



『何故だか分かりませんが----あの悪魔ハルファスからは、濃厚な泥棒の(・・・)臭い(・・)を感じたんですよね』

 


 本当に役に立つのか微妙な情報を、俺達に提供するのであった。


 ----泥棒の臭い?

配信映像がある世界線なら、

ファンタジー世界であろうとも、映像を見ながら

ああでもないこうでもないと作戦会議をするはず!!


私がそう決めた('◇')ゞ

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
↓途中でも『ご感想』『こうなったら面白そう』『こんなキャラどう?』という発想、また『フォロー&☆評価』お待ちしております!

カクヨム版(最新話更新中)!! 是非、ご覧ください!!
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ