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スローライフ配信をしてたら、相方のゴーレムがアップをはじめたようです  作者: アッキ@瓶の蓋。


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第354話 ホテル前の決戦配信【赤髪妖精ヴァーミリオンVS.悪魔ハルファス】(2)

「(カナエマス……?)」


 悪魔ハルファスが言ったその言葉に、赤髪妖精ヴァーミリオンは誰の事だろうと、疑問符を浮かべる。


 魔王ユギーというのは、遥か昔に倒された、めちゃくちゃヤバイ能力を持った魔王だという事。そして、その魔王ユギーには五本槍と呼ばれる幹部が居た事は、このイスウッドに来てから、赤髪妖精ヴァーミリオンはガンマちゃんに教えて貰っていた。


 その五本槍は、ガンマちゃん曰く3人確認されており、うち2人は撃破済みだという。

 撃破されたのは、剣攻撃を無効化しつつそれ以外の攻撃をして来た者を動けなくするという、『闘争のカイデン』。そして、他人の記憶からあらゆる物を具現化する『狩猟のドン・デーロ』。

 まだ撃破されていないのは、相手の魂に干渉して武器化する能力を与える『快感のブラッド』。


 そして、いま悪魔ハルファスが口にしたのは、『激突のカナエマス』。


「あと1人知れたら、5人全員の名前が判明しますね……」

『ごちゃごちゃと、何を言っているんですか!』


 ----どごぉぉんん!!


 ハルファスが放って来た極太の火炎魔法を、赤髪妖精ヴァーミリオンはスッと避ける。

 当たったら絶対に怪我では済まないほどの威力を秘めていたが、見てからの回避も余裕なくらい、その魔法は素早さに欠けていた。


「攻撃力に全振りの魔法という感じですか?」

『良いでしょう? 当たったら絶対、絶対、絶対に倒せるほどの威力! まさしく浪漫、浪漫、浪漫でしょう!』

「当たれば、でしょうねっ……!」


 赤髪妖精ヴァーミリオンはそう言って、重力の能力を再び行使する。今度は、地面にたたきつける下方向にではなく、前に、勢いよく吹っ飛ばすイメージで重力を行使する。


『うぉっ?!』


 一瞬、ハルファスの身体は間違いなく、後ろへと、重力の能力によって吹っ飛ばされた。しかし、すぐさまハルファスは重力の能力の影響を退け、すっと私の前に立ち、そのまま先程と同じく、攻撃力全振りの魔法を放ってくる。


「くっ……!」


 明らかに手応えはある。

 赤髪妖精ヴァーミリオンが中級妖精になって手に入れたこの重力の能力は、魔法ではなく、この世界そのものに干渉する偉大なる力だ。それは神聖魔法以外ほとんど効果のない悪魔にも例外なく作用し、どんな耐性(からだ)だろうとも、相手を倒せる、ヴァーミリオンの必殺の能力だった。


 重力の能力は、きちんとハルファスに届いている。ハルファスの全身を捕えたという手応えは、確実にあった。

 それなのに、右腕だけしか効果がなかったり、効果が発動したのにすぐさま解除されてしまう。


 この不可解な謎を解けない限り、この悪魔を倒す事は出来ないと感じていた。


「(だいじょうぶ。ノワルーナ領主も、何度もチャレンジしてたんだから)」


 しかし、ヴァーミリオンは焦らない。

 何故なら、彼女が中級妖精になるきっかけとなった人物、ノワルーナ領主はこんな事ではへこたれなかったから。努力して、努力して、失敗した所をなんでそうなったのかを吟味して、最終的には成功して、皆から祝福されている。

 そんなノワルーナ領主に憧れているヴァーミリオンは、へこたれずに、チャレンジし続ける。


「(それに、あの攻撃は、全然当たる気配はないし)」


 悪魔ハルファスは、もはやヤケクソ気味といっても過言でないくらいにあちらこちらに、魔法を放っていた。明らかにヴァーミリオンが居ない方向にも放っている。

 狙いの精度も悪い。なにより威力は落ちていないが、速度は先程と比べようがないくらいに落ちていた。あれならスライムの体当たりの方が当たる気がするくらいには。


「(チャレンジする機会は何度だってある。だいじょうぶよ)」


 ヴァーミリオンはそう心の中で考え、次は全身ではなく、一部のみに重力の能力を当てようと思案する。


 頭にしよう。ヴァーミリオンはそう考えた。


 悪魔にとって神聖魔法以外は防ぐ対象ではない、神聖魔法以外は喰らわないのだから。

 だからこそ、悪魔の身体はそれほど硬くはない。だからこそ、全生物の弱点とも言える頭も硬くはなく、重力の能力を使って挟み込むようにして攻撃すれば、倒せるはず!


「喰らえっ!」


 ヴァーミリオンはそう言って、重力の能力を使って、悪魔ハルファスの頭を挟み込む。


 ----ぐしゃり。


 果実が勢いよく潰された時のような、そんな光景が広がり、ヴァーミリオンはこれで倒したと思った。




『----3回目(・・・)



 しかし、ニヤリ(・・・)と悪魔ハルファスは潰れた顔のまま、不気味に笑っていた。

 そして、先程と同じく、潰れた顔はすぐに元に戻った。またしても効果なしだった。


 だが、先程までとはまるっきり状況が違うと、ヴァーミリオンはそう思っていた。

 なにしろ、悪魔ハルファスの顔が不気味な笑顔なのが、気になって仕方がなかった。


『これであなたの負けは決定、決定、決定!』


 ハルファスはそう言って、手をヴァーミリオンの方に向ける。ヴァーミリオンも、なにか仕掛けてくると思って油断せずに、ハルファスを見ていた。


『----魔法行使』


 ----ずどぉぉぉん!!


 警戒していたヴァーミリオンであったが、それはただの勘違いだったと思った。なにせ放たれたのは、先程と同じ極太の威力だけは半端じゃない火炎魔法。

 これならすぐに避けられると、重力の能力を使って火炎魔法の軌道を変えようとする。


 ----すかっ。


 しかし、軌道は変わらない。それどころか、何故か身体が動かないし、能力も上手く発動できない。


「なにこれっ?!」


 ヴァーミリオンが驚く中、火炎魔法はヴァーミリオンを包み、そして




 ----どっしゃああああああああああああああああああああああああああああ!!



『いっちょ、あがりってね!』



 ヴァーミリオンは、ハルファスの魔法で、戦闘不能になったのであった。

ヴァーミリオンが、避けられるはずのハルファスの魔法を

なんで喰らったのか?


それについては明言を避けますが、

要するにハルファスの能力が関係しています

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