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スローライフ配信をしてたら、相方のゴーレムがアップをはじめたようです  作者: アッキ@瓶の蓋。


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351/425

第351話 ベータ神様による記者会見配信(1)

 ホテル・イスウッドの1階から3階までには、パーティー会場が2つずつ設置されている。

 そのうちの1つを、ベータちゃんと配信者たちが入って使っていた。


 一番前の豪華な席に、ベータちゃん。

 そして、それに向かい合うように、10数名の配信者たちが座っていた。


 この配置は意図してそうなった訳ではなく、『ベータちゃんと同じ席に座るなんて恐れ多い』と思った配信者たちの、ベータちゃんに対する重すぎる愛が故に、そうなった結果である。

 彼らは意図せず、そういう配置になってしまっていたのだが、もしこの状況前世の、別世界の知識がある錬金術師ススリアが見ていたらこう表現していた事だろう。



 ----まるで記者会見のようだ、と。




「では、これよりベータちゃんの狂信者(ファン)たちによる、ベータちゃんの大質問大会を開催したいと思います!」

「「「「イェーイ!」」」」

「司会進行はこの私、養殖魚の搬入に来たら、突如として仕事を任さられてしまったでおなじみの、海より広い心を持つイプシロンちゃんでお送りします! 皆さん、盛り上がって行きましょぉう!」

「「「「うぉぉぉぉぉ!!」」」」


 司会進行を勤めるのは、イプシロンちゃん。彼女が言っていた通りに、養殖魚をホテルに納品しに来ていた、養殖担当にして船長姿のイプシロンちゃんである。

 ノリノリにノリに乗っている司会進行役であるイプシロンちゃんの進行。彼女の進行によって、会場の雰囲気がめちゃくちゃ盛り上がっている中、この場でただ1人、盛り上がっていない人物が居た。


「……帰りたい」


 そう、この記者会見のようなパーティー会場の主役たる人物、ベータちゃんその人である。

 彼女にとっては、マスターであるススリアに言われてきただけで、そもそもこの企画については乗り気ではないのだから。だからこそ、この会場の熱気に、ベータちゃん1人だけついて行けずにいたのであった。


「さて、皆さんが好き勝手に質問して頂きますと、時間が足りないという事でしたので、事前にアンケートにて回答して頂いた"ベータちゃんに質問したい事"から、順に抜粋させていただきたく思います。なお、この場で応えられなかった質問に関しましては、この2泊3日のホテル・イスウッド体験ツアーが終わり次第、書面にて回答したく思いますので、ご安心くださいませ」

「待って、イプシロン。その質問、応えるのって私だよね? 明日までに答えないといけないって事だよね?」


 と、ベータちゃんは、イプシロンちゃんの背後に、【質問できなかった問題100問】という文言が書かれた書類が積まれていた。

 ベータちゃんは1枚取って、その内容を見てみることにする。


「『朝はパン派ですか? それともご飯派ですか?』。『冬場にかき氷のお店を開いて、夏よりも大儲けできる場所はどこですか?』。『一番おいしい食べ物を人類でひとつ決めるとすると何に決まりますか?』。

 ----これ、難しすぎません?」


 どう考えても、軽く応えるのには難しい質問ばかりである。なんか、物凄い面倒な謎ばかりで、ベータちゃんはちょっと見ただけで、憂鬱な気分になりそうであった。


「……ベータちゃんなら、海より広い心で許してくれると信じております」


 ベータちゃんに、そのような広い心はない。そんな時間があるのなら、マスターであるススリアに美味しい料理を作ったり、彼女が生活する家を綺麗にすることに時間を使いたいと思っているくらいなのだから。

 ベータちゃんにそんな広い心なんてない。彼女は、ただのススリア大好きという気持ちにのみ動くゴーレムなのだから。


「大丈夫です。ちゃんとマスターから許可を得ています」

「それならやります。いまからでも、全力で」


 「むふぅーっ」と、鼻息荒くして応えるベータちゃん。ススリア大好きという気持ちにのみ動くゴーレムなのだから、ススリアが「やれ」と言うのならば、例え火の中、水の中。やりたくない記者会見のようなこんな場所に行くのも、大量のアンケートに応えるのも苦ではないのだ。


「(あとで怒られないように、今のうちに船長(ススリア)に連絡しておこう、っと)」


 イプシロンちゃんはそう言って、司会進行に専念する。


「では、この場では10問の質問に応えてもらいつつ、その回答についてお客様に聞いてもらうという事でよろしいでしょうか? 狂信者(ファン)の皆々様!」

「「「「了解でぇす!!」」」」

「はい。私も了解です」


 そうして、イプシロンちゃんはベータちゃんに質問を開始するのであった----。




(※)パーティー会場

 ホテル・イスウッドの1階~3階に、それぞれ2フロアずつ用意されている亜空間。壁紙や絨毯、テーブルの配置から部屋の広さに至るまで、こちらが指定した通りの大きさ、広さの会場を用意できる

 弱点は、この亜空間は永続ではない。この空間を宿泊施設に出来ればそれで良かったのだが、それが無理だったため、パーティー会場として利用している。またこの世界ではない、別世界であるため、ホテル・イスウッドの中でありながら、ホテルと繋がっていないため、イータちゃんが出現できないことである

イータ「本当は私が司会進行をしたいのですが、無理なので別の人でお願いします」


作者「それでイプシロンちゃんは、適正でないと思うんですが」

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