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スローライフ配信をしてたら、相方のゴーレムがアップをはじめたようです  作者: アッキ@瓶の蓋。


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第342話 ギジエは昼食に誘うよ配信

 ギジエ・ウミヅリ第1王子は、『お魚ハート・いっちゃん』として活動している配信者である。

 それと同時に、ウミヅリ王国の第1王子でもあった。


 彼は以前、ススリアが養殖担当のゴーレムを作る際に、交流(コンタクト)を行った者であり、そんな彼の妹2人はそれぞれ別の道に進んでいる。

 ウミヅリ王国で最も王位を欲しておらず、なのに強さゆえに次期国王の呼び声も高かった、テッポウウオの魚人族であるサビキ・ウミヅリ王女は、ススリアが直接指導したペンギンの魚人族であるアデリィちゃんに倒され、王位継承権を放棄。元王女となった彼女は現在(いま)、一緒に来たアザラシの魚人族であるトカリ・ブロッサムと共に、修練などをして平和な毎日を過ごしている。

 一方でそのサビキ元王女の対抗馬であった、エビの魚人族であるリイル・ウミヅリ王女は、アデリィちゃんという仲間を手に入れて、次期国王の道を順調に歩みつつある。


 そして、そんな2人の兄であるギジエ元王子はというと、『お魚ハート・いっちゃん』として順調に活動して行った。

 サビキとリイルが王位を求めて戦い合っていた頃は、「ギジエ王子にも次期国王が巡って来るんではないか?」というギジエ王子の派閥もあり、『お魚ハート・いっちゃん』の活動に対して「次期国王としては相応しくない」と自重を進言する場合もあった。リイルが次期国王として内定した現在(いま)はそんな事を言う者はおらず、ギジエはのびのびと配信者としての仕事をしていたのであった。


「しかし、当たるかどうか分からなかったが、ホテルに来られて良かった」


 ギジエはエントランスに居たイータちゃんに対して、料理を弁当にしてもらうように頼む。彼にとってはホテルでバイキング形式で食べる料理よりも、サビキやトカリと共に食べる方が、価値が高いと判断したという訳である。


『はい、ギジエ様。こちら、ギジエ様が依頼されましたお弁当でございます』


 「どんっ!」と、スタッフゴーレム達が、ギジエが頼んだ弁当を机の上に置く。置かれた弁当を見たギジエは、イータちゃんに対して「ありがとう」と感謝を告げるのであった。


「ありがとう。この弁当、貰っておきます」

『はい。喜んで頂けて、何よりでございます』


 ペコリと、お互いに頭を下げ合って感謝の意思を伝える。そして、ギジエは弁当を貰い、2人が技を磨いているという、シュンカトウ騎士団が作った道場へと足を運ぶのであった。




 ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆




 騎士団の道場に向かう、ギジエ。道場へと辿り着くと、目的の人物であるサビキとトカリの2人は、2人で稽古をしていた。


「いきますよ、トカリ!」

「そちらもちゃんと身構えないと、怪我しますよ! サビキ様!」


 2人はお互いに向き合っており、そしてお互いに相手を倒すべき技を構えていた。

 サビキは自らの腕を巨大な蟹の鋏を構えており、トカリは自身の顔を龍の顔に変えていた。正直、「どこの巨大獣大決戦だよ」と、ギジエはそう思っていたくらいだ。


「「うぉぉぉぉぉぉ!!」」


 サビキは巨大な蟹鋏をクルクルと回転させながら、巨大な鋏の斬撃を放つ。龍の頭となったトカリは、カパッと大きく口を開けて、光線を放つ。


 鋏の形をした斬撃、龍頭の放つ光線。


 2人の放つ強大な攻撃は、お互いの射線上の真ん中でぶつかり合う。そして、お互いの攻撃はぶつかり合い、そして互いに対消滅する。

 お互いの攻撃がちょうど真ん中ぐらいでぶつかり合って消えたのを見て、サビキはガクッと肩を下ろし、トカリはよっしゃと拳を強く握りしめていた。


「があああああ! 負けたぁああああああ!」

「ふふんっ! どうやら今回は、私の勝ちなようですね、サビキ様?」


 どうやら、お互いの攻撃がどこで消えたかによって勝負しているみたいである。だが、お魚にしか興味のないギジエにとっては、どちらも物凄い攻撃にしか見えなかった。


「(サビキもトカリも、強くなりすぎだろう……)」


 元々、サビキは国政に興味がなく、それでいてあまりにも強すぎるから、ススリアの力を借りて倒される事によって、王位継承権をようやく破棄出来て、こうしてイスウッドへとやって来られた。

 ウミヅリ王国に居た頃でも、サビキは強かった。しかし、それはあくまでも人間として、生物として強かっただけ。いまの彼女は、もはやバケモノレベルと言って良いくらいの強さであった。


「やれやれ、うちの妹はどれだけ強くなるんだか……」


 そんな事を口にしながら、「おーい!」とギジエは2人に呼び掛ける。


「お兄ちゃん?!」

「ギジエ様?!」


 大きな弁当を持って、声をかけて来たギジエの姿を見て、サビキとトカリの2人は驚いていた。2人にとっては、ウミヅリ王国に居るはずの人物が、いきなり弁当片手に現れたのだから、そりゃあ驚くというモノだ。


「さぁ、2人とも! 募る話は、一緒に食事でもしながらどうだい?」


 弁当を持ってニコニコと声をかけるギジエを見る、サビキとトカリの2人。「せっかく、弁当を食べようと誘われてるし」と、2人は修練を中止して、ギジエのところに向かうのであった。

びっくりしますよね?

いきなり、いつものように訓練していたら

他国に居るはずの王子様が居るんですもの

そりゃあ、びっくりしますよ。サビキとトカリの2人にとっては

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