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スローライフ配信をしてたら、相方のゴーレムがアップをはじめたようです  作者: アッキ@瓶の蓋。


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第341話 昼食に関するアンケート配信

 愛すべき魚人族の彼女であるマコモのため、ラジンは行動を開始していた。


 マコモを再びリュックサックの中に入れ、部屋の扉に、【DD】と書かれた真っ白いカードをドアノブのところに付けておく。これはDDカードと呼ばれるカードであり、【邪魔(Do)しないで(not)ください(disturb)】という意味をあらわすカードらしい。これをドアノブに付けておけば部屋に取り付けておけば部屋の中に、清掃するスタッフも入って来ないという、素晴らしいカードだ。

 他の宿屋にも是非とも導入して欲しいモノであるこのカードを、ラジンは一応使ってみる事にした。DDカードを取り付けておいて部屋にスタッフが入って来ないのであればマコモと部屋の中で普通に恋愛(いちゃつけ)るし、入って来たのならホテル側のミスとして怒って退出(チェックアウト)してしまえば良い。

 そもそも、ラジンがすべきなのは、このホテルのエントランスに【黒キ翼】を置いて来て、森へと戻る事なのだから。


 部屋の扉にDDカードを取り付けたラジンは、そのままホテルのエントランスに向かった。ホテルのエントランスに行くと、スタッフ、そしてラジンを案内したイータなる半透明姿の少女が居た。


「(いま、置くと絶対に怪しまれるな)」


 ホテルのエントランスに【黒キ翼】を置くだけ。ただそれだけの依頼なのだが、こうして見張られていると実に置きづらい。だから、ラジンは自然な様子を装って、エントランスに居たスタッフに話しかける。


「すまない。実はお願いがあるのだが」

『はいはい、お客様。ご用件がおありでしたら、このイータがお相手しますよ?』


 ラジンはスタッフに話しかけたが、応対したのはイータであった。スタッフはペコリと頭を下げ、しずしずと後ろへと下がって行く。


「……もしやそのスタッフは、喋れないのか?」

『えぇ、まぁ。うちのホテルの売りの1つでありまして、お客様の対応は全てこのイータが、肉体仕事などはスタッフが対応しております。一度、ご説明しましたよね?』


 「そう言えば……」とラジンは、そういう説明を受けたのを思い出した。あの時は、入るはずもなかった部屋に入室手続き(チェックイン)するように、とんとん拍子で話が進んでいて、心ここに在らずという状況だったのだ。


「すまない。それじゃあ、あんたに話しかければ良い、のか?」

『えぇ、そうですね。出来ればあんたではなく、イータと呼んでいただけると幸いでございます』

「……そうだな。イータ、だったな」


 ごほんっと、わざとらしくせき込んだラジンは、イータに話しかける。


「食事の件なのだが、部屋で食べる事は可能だろうか? 少し商売が続いていて、疲れていてな」

『なるほど。商人にとって、疲れた姿を人前で、ましてやパーティー会場で見せるのは恥ですからね』


 そこまでラジンは考えていなかったのだが、良い感じに誤解してくれていたのでそれに全力で乗っかる事にした。


『分かりました。では、簡単なアンケートにご協力ください』

「アンケート……?」

『はい。お昼はバイキング形式となっておりましたが、部屋でお食事になりたいという事はお食事を持って行くという形式になりますため、好き嫌いがありましたら教えて欲しいと思いまして』


 パチンっと、イータが指を鳴らす。すると、後ろで何も言わずに控えていたスタッフが、すーっとラジンの元に紙を渡してくる。


「えっと、どれどれ?」


 ラジンはその紙の内容を確認すると、そこには細かい項目がいくつか記載されていた。




 ----お食事は何人分必要ですか?

 ----好きな食べ物はなんですか?

 ----食べられない食べ物はなんですか?


 その他にも【次のうち、好きな食べ物はありますか?】や、【量が多い方が好みですか?】などと、色々と細かい条件が書き込まれていた。




「なるほど……確かに、こういうのが分かった方が良いか」

『特にこだわりがないのなら、口頭で言っても大丈夫ですが?』

「あぁ。これくらいなら大丈夫だから、問題ありません」


 ラジンはそう言って、アンケートを受け取る。

 マコモはなんでも美味しく食べるが、それでも彼女はお肉よりもお魚などを好むというのを、ラジンは知っていた。旅だとなかなかお魚を食べる機会が少ないため、出来る事ならこの機会にいっぱい食べて貰いたい。このアンケートはその想いを伝えるのに、最適だと考えていた。


 愛すべきマコモのために、ラジンがアンケートに真剣に取り組んでいると、「すいません」とイータは声をかけられた。


『はい、なにか用でしょうか?』

「すいませんが、私にもそのアンケートを書かせていただきませんか? あと、出来たらお持ち帰りでお願いしたいのですが」

『承りました』


 イータはスタッフに指示を出して、その声をかけた人物にもアンケートを書いてもらう。


「すまない。久しぶりに妹と会うから、一緒に食べたいんだよ」


 そう言うのは、2mを越えるタコの魚人族の大男である。

 彼、配信者である『お魚ハート・いっちゃん』ことギジエ・ウミヅリ第1王子は、そう言ってアンケートをテキパキと書き続けるのであった。

久しぶりに登場、ギジエ王子!!

王子にして、配信者であるタコの魚人族の彼が

この度、登場しますよぉ~!!

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