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スローライフ配信をしてたら、相方のゴーレムがアップをはじめたようです  作者: アッキ@瓶の蓋。


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339/424

第339話 イプシロン&イータの解体ショー配信(1)

 ----午前10時。お昼まで、あと2時間。


 【ホテル・イスウッド】3階、料理店【スペシャリテ】。

 その厨房では、大勢のシェフ型ゴーレム達が納品されたばかりの食材を使って、美味しく、それでいて思い出に残る料理の調理に勤しんでいた。


『良いですか、皆様。この食事は味は勿論ですが、なにより皆と共有したいというのが大切です』


 テキパキと、仕事をしろとホテル管理型ゴーレムのイータちゃんは指示を出していく。


『いま、【ホテル・イスウッド】に宿泊されているお客様達は、全員、私が選び出した"影響のある人達"。美味しい料理なんて食べ慣れている彼らの舌を満足させようとしたら、美味しさだけではなく、見栄えにもこだわっていかなければなりません』

「「「イエス! ボス!」」」


 【ホテル・イスウッド】で働いているシェフ型ゴーレムは、ススリアがドラスト商会に納品したワットと同じような性能がある。様々な料理を作り出すワットと同じように、いくつもの料理の知識があった。

 ワットと違う事と言えば、ワットはたった1体でドラスト商会のレストランを経営する特化型であるが、その分、製作費(コスト)が高い。一方で、シェフ型ゴーレム達は複数人で運営する事を想定しているために、個々の能力に関してはワットには及ばない。しかしながら、ワットよりも製造費(コスト)が安いという利点があった。


『あなた達には、オーナーから料理の知識と技術が伝授(インストール)されてるはずです! その知識を思う存分使い、お客様が満足しそうな、映える料理を作ってください!』

「「「イエス! ボス!」」」


 シェフ型ゴーレム達が順調に作っているのを見て、イータちゃんはザッと試算(シミュレーション)を始める。


『(招待したお客様は50名。食材に関しては十分に足りる量を用意出来ましたが、残念ながら1つ足りないモノがありますね)」


 イータちゃんが思う『足りないモノ』というのは、それはずばり目玉だ。


 今回のお昼は、【ホテル・イスウッド】の今後を左右する重大なモノ。その料理に関しては一切手を抜いていないし、1つ1つの料理は素晴らしい。

 しかし、肝心なのは目玉だ。お客様に特別だと思わせる、スペシャルな料理がまだ用意できていないと、イータちゃんは考えていた。


 本来であれば、大きなロック牛と呼ばれる牛を丸々一頭使った丸焼きで、インパクトを残そうとしたのだが、残念ながら近くに別で行われたパーティー会場で、既にこのアイデアは使用済みだという事が判明している。そして、そのパーティーに出席しているお客様が居る事も知っていた。

 同じアイデアを二度出しするには、牛の丸焼きはインパクトが足りない気がすると、イータちゃんは考えていた。


『ふむ、残っている食材で何をするか考えるべきか。あるいは、今から納品して貰って間に合う取引先に、多少無理を言ってお願いするか……悩みどころではありますが』


 そんな風に考えていると、ホテルの搬入口にイプシロンちゃんがやって来たのを察知する。


『よし。やはり後者の案の方が良かったみたいです。マニュアルに書いてあった通りです』




 搬入口で、イプシロンちゃんがスタッフ型ゴーレムに受け取りのサインを貰っていると、イータちゃんが姿を現す。


『すいません、イプシロンさん。このような土壇場にて、急な納品。同じオーナーに作られたゴーレム同士とは言え、このような急なお願いは私の教義(マニュアル)としては、反するのですが』

「ハーハッハハ! 気にしない、気にしない! 船長を目指す以上、こういった事にも寛容な心を見せつけないと、船員は着いて来ないからね!」

『えぇ、しかしながらこれが一番良いと、教義(マニュアル)にありましたもので』

「……教義(マニュアル)に反する事と言っていたのに、教義(マニュアル)にあるの?」


 なんだかややこしいなと思いつつ、イプシロンちゃんは注文の入った箱を開ける。そこに入っていたのは、養殖担当のイプシロンちゃんの新作、巨大アマーイサモーンである。

 食べ応え抜群、見栄え抜群、非常に大きいこの巨大アマーイサモーンを見て、イータちゃんは『素晴らしい!』と褒め称えていた。


『ありがとうございます、イプシロンさん! この巨大さで、今日のお昼の目玉企画たる解体ショーが出来ます!』

「解体ショー……つまり、この巨大アマーイサモーンをお客様の前で解体して、食べさせるという形で良いですか?」

『えぇ! オーナーの知識を参考にした、この私のとっておきの案件で、お客様の心を掴みます!』


 そう力強く宣言するイータちゃんに対して、イプシロンちゃんは「それは止めておいた方が良い」と進言する。


「確かにこの巨大さなら、解体ショーは出来るけど……」

『けど? 出来るなら、良いじゃないですか?』

「出来ますが、ススリア船長の知識にある"マグロ"は部位ごとに味が少しずつ違うお魚であって、この巨大アマーイサモーンはそんな事はないので、向かないのでは?」


 イプシロンちゃんからのまっとうな進言に、『どうしよう……』と頭を抱えるイータちゃん。


「まったく……少し待ってください」


 イプシロンちゃんはそう言って、養殖場に連絡を取り始めたのであった。

イータちゃんとイプシロンちゃんって、同じイから始まるので

書きまくっていると、頭おかしくなるww

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