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スローライフ配信をしてたら、相方のゴーレムがアップをはじめたようです  作者: アッキ@瓶の蓋。


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第334話 私の名前はメキス。王都の謎を追う、ただの錬金術師配信(2)

 ワイルド工房は、まだ創設して3年にも満たない新規工房。工房主は【マコモ】という錬金術師であり、マコモ以外にも20数人ばかりの錬金術師が所属しているとある。

 しかしながら、拠点として王国に申請された場所にあったのは、錬金術とは全く関係のない、ただの飲食店であった。そして、ここ10年近く、この土地に工房が建てられた形跡はなかった。一応、飲食店の方も調べたが、地下や天井などに秘密の小部屋があったりもしなかった。


 つまり、ワイルド工房は書類上にしか存在しない、偽工房(ペーパーカンパニー)と呼ばれる施設であったという事だ。


 しかしながら、ワイルド工房所属を名乗る売人によって、【黒キ翼】は王都セントールを始めとした各地に、広まり続けている。

 売人たちではなく、売人といったのは、それを売り捌いているのが1人というのが判明しているからだ。


 名前は【ラジン】。黒い肌が特徴の猫獣人の男であり、常に自分の背丈とほぼ同じ大きさの黒いケースを背負っている事が特徴との事。

 話を聞いた当初は、その黒いケースの中に【黒キ翼】などの商品を一緒に運んでいるのかと思っていたが、どうやら商品である【黒キ翼】は手持ちのアイテムボックスから取り出していたらしい。アイテムボックスから取り出す商品は、【黒キ翼】以外にもいくつもあったが、それらも一見有用な商品ではあるが、使い続けると謎の黒い物体によって汚染される事が確定する、やはり危険な物体であった。


 ラジンの事について聞いてみると、特徴的な証言が得られた。彼は泊まりの際はほぼほぼ必ず大きめの一人部屋を希望しているのだ。それが無理だった場合は野宿をしているとの事。

 そして、一人で宿泊していたはずなのに、部屋を掃除しに行くと、必ず彼のモノではない金色の長い髪の毛が時折発見されているんだとか。


「私の名前はメキス。この人物が背負う箱にマコモが居ると睨む、ただの調査員」


 恐らく、その金色の長い髪の毛の持ち主こそが、ワイルド工房の錬金術師マコモである。

 メキスはこの大きな黒いケースの中に、人が入っていると睨んだ。そのケースの中にいる人物こそが、マコモである、と。


 つまり、ワイルド工房とは、黒い肌の猫獣人ラジンと箱の中に隠れている錬金術師マコモ。この2人が黒幕であると当たりを付けた。


 マコモが商品を箱の中に隠れて作り出し、部屋の中で箱から出して回収する。そして、マコモが作り出した商品を受け取ったラジンが、その商品を売り捌く。そういう風な形で、世界にワイルド工房の商品を広めているのだと。

 メキスはそう考えた。勿論、メキスと同じような結論に達したのは、セイサ工房の工房長、そしてナチュラル工房の工房長、商工組合長であるゼニスキー組合長も同意見であった。


 どうして【黒キ翼】を広めているのかは、ラジンに聞かなければ分からないが、この人物こそが、今回の事件の主犯である事はほぼ間違いないだろう。


 しかしながら、ラジンを捕まえるのは容易ではなかった。

 彼は猫獣人、その中でも特に気配を探るのに長けた能力の持ち主であったからだ。あんな大きなケースを持ち歩いているのに関わらず、足の速さも桁外れに速いという報告も受けていた。

 

 気配を察するのが上手い、足が桁外れに速い。

 それだけでは説明のつかないような逃げ方も多々あったが、とりあえずラジンはメキス達が作った包囲網をするりと抜けていき、そして着実にワイルド工房の商品を売り捌いて行く。


 近くの街に勧告はしてある。"ワイルド工房の商品は危ない"と。

 しかしながら、メキス達がいくらそう言っても、分からない人は多い。謎の黒い物体が直接的に何らかの被害を出していたのなら、そうではなかったかもしれないが、現状は使い続けると汚れがこびりついて落ちなくなる程度の被害しか出ていない。

 それだったら、値段もお手頃で、性能も凄いワイルド工房の商品を使おうと考える人も多く、メキス達は完全に後手に回り始めていた。



「私の名前はメキス。どうにかして先回りしないといけない、そう考える、ただの錬金術師」



 メキス達は考える。どうやってラジンを捕えれば良いか、と。

 そして、ゼニスキー組合長は1つ、アイデアを出す。


 ----宿泊する施設の協力を得られないか、と。


 ラジンは、マコモと共にいる。あの黒いケースを見捨てる事は出来ない。そうでなかったら、あんなに目立つ黒いケースと共に行動したりはしないはずだ。

 野宿をすると見つけられないが、宿泊する施設の協力を得て、彼が油断しきって眠った状況で制圧する。そうすれば、確実に捕らえられると確信していた。


 メキス達は、ラジンが宿泊するであろう施設の協力を取り付けた。しかし、必ずあと一歩の所で、ラジンが危険を察知して逃げられてしまう。

 宿泊施設自体は気に入っている様子だが、それでも捕らえられるのを容認するほどではなかったらしい。そこまで油断しきってはなかったらしい。


 どうすれば良いのか悩んでいる中、メキスはある施設を見つけた。




 それは【ホテル・イスウッド】の宣伝広告(コマーシャル)であった。

というわけで、ここでイスウッドが関わって来る展開となりました!!

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