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スローライフ配信をしてたら、相方のゴーレムがアップをはじめたようです  作者: アッキ@瓶の蓋。


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第327話 ノワルーナと赤髪ヴァーミリオン配信(2)

 ~~赤髪妖精ヴァーミリオン~~


「なるほど、『避難施設の開発の噂を聞きつけて、いち早くやって来た』。そういう風にノワルーナ領主様に説明してくれと、君はそう私に頼んでいる訳だね」


 私の話をまとめたススリアは、そういう風に話をまとめようとしている。心底面倒そうな態度に、ちょっとばかりイラっときたけれども、私は彼女を責められなかった。なにせ、頼んでいるのはこちらなのだから。


 この街の領主であるノワルーナを観察し、自らの想いを再確認した事により、私は『重力』の中級妖精へと進化した。中級妖精へと進化した事は、上級妖精を目指す私にとっては道が開けたという事で大変嬉しい出来事だったのだが、その際に隠れていた天井から落ちて、ノワルーナに姿を見られてしまった。

 妖精の正体がバレれば躊躇(ちゅうちょ)なくススリアは私を見捨て、そして『死の森』にいる仲間にも迷惑がかかる。そのため、とっさの判断で、私は避難民であると、ノワルーナにそう噓の証言をしたのである。


「避難施設を作っているから、その噂を聞きつけて、必死の思いでやって来た避難民。まぁ、それで領主様が納得してるんなら私は別に良いけど、それ、かなり苦しい言い訳だったってちゃんと自覚しといた方が良いよ」


 「やれやれ」と、ススリアはそう溜息を吐く。私だって、この言い訳がかなり苦しい事は分かっていた。


『"お腹が空いたので食べ物を分けてくださいって、まだ芽が出た状態で言っている"。それだから変だ、って言ってるんでしょう?』

「そう。何も出来ていないのに、それは絶対に変だって」


 私がした言い訳は、そういう論理がめちゃくちゃな言い訳である。


 もし仮に、本当に今すぐにでも非難したかったら、既に避難施設が出来上がっている場所を目指すべき。こんな、まだ工事すら始めてないような場所を頼ろうというのは、変だという事は分かっていた。それに、なんで天井から落ちて来たのかという説明も出来ていないし、かなり怪しまれているだろうなという事は分かっていた。

 だからこそ、その矛盾をどうにかして欲しくて、私は彼女、ススリアにつじつま合わせをお願いしたのである。


「まぁ、中級妖精昇格のお祝いという形でなら」

『ありがとうございます! えっと、ショッ、ショウカク?』


 ……ん? "ショウカク"ってなんですか?

 私は中級妖精へと進化した訳で、ショウカクという謎単語とは関係ないような気がするんですが?


「しかし、"ノワルーナのように、努力する事で皆に認めて貰える妖精"ねぇ。ノワルーナという部分は抜きにして、努力して皆に認めて貰える妖精って、どういう妖精なのそれは?」

『それは勿論! 努力したと皆が分かって貰えて、そして尊敬される妖精です!』


 私は、そう宣言していた。


 そう、ノワルーナは確かに頑張っている。そして、頑張りによって自らの評価を変えて、今では自らを侮っていたはずの者達を忠臣へと変えて従えている。

 あんなノワルーナのように皆に従える存在に、私はなりたい。その想いから、私は中級妖精へと進化できたのだから。


「……ふぅん。まぁ、良いけれども」


 ススリアはそう言って、1枚の書類を取り出していた。そこにあったのは、ここから遥か遠い地域から来た難民であるという設定の私の書類であった。


「はい、これお待ちかねの書類。とりあえず誕生日と生まれた場所くらいは覚えておかないと、この書類を作った意味がなくなるからよろしく」

『ありがとうございます!』


 私はガシッとその書類をプレゼントとして受け入れ、その書類を読んで行く。


『誕生日は秋、生まれたのはタノタノ王国のコ・ラホ領ですか』

「それじゃあ、私はそんな尊敬相手であるノワルーナ領主様からの案件についてやってるから早く帰ってね」

『うん! それじゃあ、ありがとうございます!』


 私は書類を貰って、そのまま帰っていった。



 ----さて、せっかく人間のような姿になれましたし、ノワルーナの仕事を横で見ながら、どんどん成長していきますよぉ!




 ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆




 ~~錬金術師ススリア~~


「努力したことを評価される存在、ねぇ」


 私は、赤髪妖精ヴァーミリオンが語っていた願望について、違和感を感じていた。

 普通は、努力して頑張ったからこそ評価されるようなモノだ。それなのに、ヴァーミリオンは"評価されるために努力する"、それこそが目標だなんて言っている。それを目標とするのもどうかと思うが、それで進化できるのもどうなんだろう?


「まぁ、妖精の進化方法なんて調べてもどうしようもない」


 いまは、そんな赤髪妖精ヴァーミリオンが崇拝、というか心底好きでしょうがないノワルーナさんからいただいた案件をどうにかしないといけませんね。そう、彼女が用意した大きな土地に建てる貴族向けの巨大なダンスパーティー会場付きのホテルを。


「さてさて、ちゃちゃっと作っていきましょうか」



 ----あぁ、スローライフを待ち望んでいるのに、どうしてこう面倒な依頼が次々と私の所に舞い込んでくるんでしょうか。

スローライフを欲する者、たいていは

めちゃくちゃ忙しい生活を送っている説あるww

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