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スローライフ配信をしてたら、相方のゴーレムがアップをはじめたようです  作者: アッキ@瓶の蓋。


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第324話 なにを建てようか話し合おう配信(2)

 避難都市、そしていま私達が目指そうとしている準避難都市として認定を受ければ、2つの大きな恩恵が得られる。


 1つは、王家から直々に、それだけ安全性のしっかりとした街である証明認定を受ける事が出来る。これによって準避難都市として任命されたこの街がちゃんと設備が整っているか、そういう確認のために、王家がこの街に視察に訪れる機会が出来る。

 準避難都市レベルなら、数年に一度レベルだが、それでも"王族が通る"というのは、大きなステータスになる。


 もう1つは、商売の活性化。被災から逃れた人々が、このイスウッドに避難してすぐさま元の地域に戻れるとは限らない。1年で帰れれば奇跡、良くて5年から10年。あるいは永遠に帰る機会を失う場合もある。

 そんな人々の生活を支えるには、普段から"いつやって来ても良いように"、そういう準備をしなければならない。商店を配置したり、家を用意したりと、そう言ったことがこのタノタノ王国では法律によって定められている。

 準避難都市となれば、その法律に従って、多くの商店がやってくる事になり、活気が生まれるのだ。


 イスウッドが準避難都市となれば、この街は国レベルの支援(サポート)を受けられる。

 ノワルーナ領主様の狙いは、そこにある。




 ----では、どうしてそこまで支援をするのか?



 それは、その避難施設がとんでもない金食い虫だから。

 国レベルの支援を受けても、普通に赤字レベルになるほどのとんでもない負の遺産。それが避難施設なのである。


 言いすぎだって、そう思っちゃう?

 けれども、いざという時の設備って、通常時は何の役にも立たない。かといって、いざという時に使えないと意味がないからこまめなメンテナンスが必要。そしてそのメンテナンスは、非常時に動かないといけないからかなり厳しく、ここで1つでも失敗(ミス)があるとめちゃくちゃ攻められる。


 メンテナンスはケチる事が出来ないから、常に最高峰レベルのメンテナンスをするから、維持費は高い。なおかつ、いざとなれば被災地域からの人々を受け入れなければならないから、常設の店舗を受け入れる事も出来ない。


「避難施設ってのは、私にとってはそういう代物なんですよ」

「うぅ……!」


 私がそう懇切丁寧に説明すると、ノワルーナ領主様はうろたえていた。

 そりゃあ王家から直接支援が受けられるとなれば、どこの街だってやっているに決まっているじゃないですか。それでもやらないというのは、それだけの理由があるという事を、なんで分からないのかが、私には良く分からない。


「では、そのメンテナンスを下げるにはどうすれば良いのでしょうか?」

「普段からこまめな点検をすれば、解決ですよ」


 要するに、数十年に一度大きなメンテナンスをするよりも、数週間に一回という頻繁にメンテナンスをした方が、なにか問題が起こった際にいち早く対処できるから、結果として維持費は減りますね。


「----! だったら、ほぼ毎日、メンテナンスをするゴーレムを作れば解決なんじゃないでしょうか!」

「なるほど。それは考えましたね。出来なくもないです」


 施設は広いが、要するに異常があった際に検知する機能----要するに、施設をスキャンして異常個所があったと知らせるだけのゴーレムを作れば良い。その上で、その異常を検知した箇所を、すぐさま直す専用のゴーレムも居れば完璧だ。

 この2体のゴーレムが居れば、ほぼ毎日のようにメンテナンスを行っている訳だから、維持費問題は解決できる。


「維持費は解決するとして、収益はどうするんですか?」

「収益……?」

「このだだっ広いところを、無料にするんですかと聞いているんですよ」


 他の避難都市や準避難都市の場合、有事の際は避難施設として開放しているが、それ以外の一般的な時は美術館だの、子供達を遊ばせるアミューズメント施設などにして、こまめにお金を稼いでいる。

 こんだけ大きな施設を作って置いて、ノワルーナ領主様が案として提示した無料の訓練施設として利用するだけというのは、非常に勿体ない。


「それじゃあ美術館や、アミューズメント施設にすれば!」

「ちなみに、例に挙げた地域は、元々人の出入りが多い街。一方でイスウッドは人の出入りは、例に挙げた地域と比べると、あまりにも少ない」


 元々、このイスウッドは辺境の地。

 「少し遠出して遊びに行こうか」くらいの軽いノリで来られる街ではないため、美術館やアミューズメント施設を作っても、閑古鳥が鳴いてしまう未来が目に見えている。


「もぅ! "無駄にこちらの意見を否定するだけで、自分から意見を出さないダメ女"さんも、なにか考えてくださいよぉ!」

「いや、私はどちらかと言えば、準避難都市反対派なんですが」


 このイスウッドを発展させようという気は、サラサラない。

 シュンカトウ騎士団の道場だの、カンロ神様が良く来る酒屋だの、教会だの、彼らは勝手に作って来ただけで、私としては早く出て行って欲しいくらいなのだから。


「それでもまぁ、1つ案があるとすれば----」

「あるとすれば?」


 そう、案があるとすれば。




「貴族向けの施設、とかどうでしょう?」

一応出しますよ、アイデア

否定してばっかりだと、「じゃあ、そっちはなにかないの?」って言われるし

その辺は考えてますよ、勿論

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