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スローライフ配信をしてたら、相方のゴーレムがアップをはじめたようです  作者: アッキ@瓶の蓋。


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第322話 準避難都市イスウッドを目指そう配信

 腹芸が出来ないダメ領主様いじりはこの辺にしておいて、本題に入って貰った。

 ノワルーナ領主様からの話をザックリとまとめると、大多数の人間を収容できる大規模施設の建築の依頼であった。


「これ、ザックリとしすぎていません? 『ただ多くの人間を収容する事が出来る施設』の依頼って、かなーりザックリとしすぎていませんかね?」


 どういう施設にするかはこれから考えるとだけ書いてあって、最大1万人規模の人間が入っても大丈夫な大型施設を作るって、発注としてどうなの?


「しっ、仕方ないじゃないですか。このイスウッドを『辺境』から『準避難都市』にするにはそういう手続きが必要なんですよ!」

「マスター、『準避難都市』ってなんでしょう?」


 ベータちゃんは知らない単語だったらしく、私にそう聞いて来る。ノワルーナ領主様は「このゴーレム、知らない事があったの?!」みたいな感じで驚かれているが、ゴーレムだって知らない事は知らない。

 彼らが知っている事は、配信で流れた情報の一部と、私が直接入力した情報だけだから。それでも膨大な知識(データ)として、ベータちゃん達は生活できているのだけれども、『準避難都市』に関しては専門用語なのだから知らなくて当然である。


 このタノタノ王国は、王都セントールを中心として広大な面積を誇る王国である。当然、その国土に住まう人達は大勢居ており、その数は1000万人を軽く超えているんだとか。

 広大な土地があるからこそ、一部地域が魔物や天候などの災害に襲われた際、受け入れる用意がなければ、そこに住まう人達が路頭に迷う事になる。その対策こそ、『避難都市』----災害によって被害を受けた人達が一定期間暮らす事が出来るだけの用意がある都市の事だ。


 ノワルーナ領主様が目指すは、『準避難都市』。

 避難都市レベルの超大規模インフラは無理でも、避難都市まで遠すぎて避難できない場合に代替案として目指す場所として、このイスウッドを変えていきたいというのが、ノワルーナ領主様の狙いだそうだ。


「しかしながら、だとするとこの大規模施設。ろくな施設が作れませんよ」


 ノワルーナ領主様が作って欲しいと頼んでいる大規模施設は、有事の際は人々を受け入れる避難場所として開放しなければならない。

 つまり、いざとなったら多くの人間が受け入れられるような、そう言う風に変更可能な施設にしなければならないのである。


 人間が最低限暮らしていくために必要なのは、"寝る場所"、"トイレをする場所"、そして"食べる場所"の3つだ。このうち、トイレをする場所に関しては、この辺りは山が多いし、洞窟を掘れば良いだろう。衛生管理的にはめちゃくちゃアウトっぽいけれども、避難している緊急時だからこれくらいが丁度良いだろう。

 問題は"寝る場所"と"食べる場所"。この2つは、出来たら離しておきたい。ベッドに寝ながら食べるという事も可能と言えば可能なんだけれども、食っちゃ寝の生活はあまり良くないと私はそう思うのですよ。


「でも、寝る場所を1万人用意するとなると、かなり難しい気がしますよ」

「そこなんですよね……」


 私のような人間族だけならまだしも、獣人族だの、エルフだの、魚人族だのと言った、色々と種族がこの世界には居る。流石にその人たちにとっても最適な寝る場所を提供するというのは難しいだろうけれども、問題は体格。

 

 私達がいまから作るのは1万人の一般的な人間族が寝る場所、ではない。その1.5倍くらいの獣人族1万人が寝る場所をいまから作ろうとしているのである。


「どうして、そんなに大きなサイズで作らないといけないんですか?」

「法律で、そう決められているらしい」


 大きい種族を上げて行くと、キリがない。だからこそ、とりあえずひとまずの判断として、タノタノ王国内に居る全国民の中央値----つまりは、一番大勢いる値を調べたところ、この人間族の平均身長の1.5倍くらいの大きさの人達が一番多いという結論に辿り着いたんだとか。

 それ以来、この大きさを一人分としてカウントして、避難場所を作ることが義務づけられているんだと。


「1.5倍の体格の人達が、のびのびは無理でも、なんとか寝られる施設となると、普段から大きく作らないといけないから、柱とかあまり置けませんよ」


 柱があまり置けない以上、縦に伸ばしてやる高層計画は不可能。せいぜいが、3階建てが限界なんじゃないかと、私はそう試算していた。


「それじゃあ、3階建てで、いざとなったら大勢の人が寝られるスペースがある施設を考えなければなりませんね」

「……難しくないですか、それ?」


 こういう、難しい条件だからこそ、避難都市、または準避難都市として登録できている地域はかなり少ない。クリアできれば、それを足掛かりにして、このイスウッドをさらに発展できると、ノワルーナ領主様は考えておられるようだ。


 それが簡単に出来ないからこそ、避難都市と準避難都市の重要性が高いんじゃないだろうか。そう思うも、言葉には出さない、大人な対応をする私であった。

避難都市・準避難都市に認定されれば、かなりの恩恵があります

しかしながら、それがすんなり通るはずもなく


防火扉など、避難時に使うモノって

基準が高いんですよね

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