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スローライフ配信をしてたら、相方のゴーレムがアップをはじめたようです  作者: アッキ@瓶の蓋。


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310/433

第310話 イプシロンちゃんの養殖対象配信(1)

 こうして、うちに居候という立場になった妖精のヴァーミリオン。しかしながら、彼女をどこに置けば良いか、私は3日ほど迷う事となる。


 赤髪妖精ヴァーミリオンを、どこに配置すれば良いのか?

 ベータちゃんのいる家の中? 家事をしている最中に、横から話しかけられたり、悪戯されたりしたら困る。よって、却下。

 デルタちゃんやアレイスター、ダヴィンチのいる外? そのまま、魔物と間違えられて討伐される可能性があるよと伝えたら全力で拒否られましたわ。

 ガンマちゃんのいる編集作業部屋? 色々と精密動作をするための魔道具があるため、ガンマちゃんが『部外者立ち入り禁止』という貼り紙を見て、ヴァーミリオンとガンマちゃんが2日ほど熱線を繰り広げたのだが、それはまた別の話。


「という訳で、厳正なる審査の結果、イプシロンちゃんのいる所で預かってください」

『訂正しなさいよ、ただのたらい回しだって』


 まぁ、ヴァーミリオンが言うように、たらい回しと言えばたらい回しの結果、イプシロンちゃんになる訳だけど。


「ふっ、了解した! このイプシロン船長の懐は大きいからな! 妖精の1匹や2匹、いや100匹だろうと余裕で来たまえ!」

『あら、そう? それじゃあ知り合いに同じような事を考えている妖精が80匹くらい居たから、連れて来ても良いかしら?』

「空気を呼んでくれないかな、うちの姉を名乗る妹みたいに!」


 ぷんすかっと、怒りながら養殖場へと入って行くイプシロンちゃん。彼女にして見れば「100匹だろうと余裕で来たまえ」と、せっかく良い感じに決めたと思っていたのに、その冗談(ネタ)を本気で捉えて、スルーされたのが気に食わなかったのだろう。

 一方で、ヴァーミリオンはと言うと、『姉を名乗る妹?』と、彼女の言った言葉の意味が分かっておられないみたいである。まぁ、ミリオンとイプシロンちゃんの関係はかなり複雑だからなぁ~。



 養殖場へと入ると、中には2人の従業員、そしてたくさんの蛇型ゴーレム達がせっせと働いていた。

 2人の従業員というのは、イプシロンちゃんが雇ったこの村の子供である少年トムと少女オリーブの2人。10歳の子供達は今日も今日とて、しっかりと子供らしく働いていて----


「あっ、ススリアさん! おはようございます!」

「ススリアさんじゃないですか。おはようです」


 丁寧に頭を下げる2人の子供を見て、私はガシッとイプシロンちゃんの頭を掴む。彼女の顔をがっしりとわしづかみにして掴み、彼女の顔をじわじわと圧迫して行く。

 ----いわゆる、アイアンクローってので、イプシロンちゃんに無言で反省を促していく。


「いたっ……?! やっ、やめっ……! せっ、船長、痛い……!」

「あの身体はなにか、説明してくれないか?」


 と、私は少年トムと少女オリーブを指差す。




 ----身長180cm越え。少年の方は程よく筋肉が付いており、少女の方は胸や尻などに程よくお肉が付いていた。

 ----明らかに少年トムと少女オリーブの2人は、子供とは思えない姿になっていたのであった。



 私が知る限り、2人は普通の子供だった。2人の両親も、ごくごく平凡な人間族であり、こんな大人びた(・・・・)身体(・・)ではなかったはずだ。


「はっ、放して……! 説明するから、放してくださいっ……!」

「ちゃんと説明してね」


 ちゃんと説明するとの事だったので、私は彼女の顔をガシッと掴んでいる手を放す。


「ぜぇぜぇ……海に帰るかと思いました」

「ちゃんと話さないと"海に帰る"どころか、山に捨てておきますから注意してくださいね」


 ニコリッと笑いかけると、「ひぃっ! 笑顔が逆に怖いっ?!」とイプシロンちゃんはビビっていた。怖いのは分かるけれども失礼すぎるよ、その反応は……。


「船長が私に与えた役割は、【養殖】! 重量の増加や品質の向上を図る目的で、給餌(きゅうじ)することにより育成する事こそが、養殖なんですよ!」

「そうだよね。そのために、養殖担当として生み出したのが、イプシロンちゃんなんだからね」


 そう、養殖業を成功するために考えて作ったのが、このイプシロンちゃんなのである。



「----という訳で、配下である少年トムと少女オリーブの2人も、養殖しておきました!」


 ガシッ!


 私は躊躇(ちゅうちょ)なく、彼女の頭を掴んで、アイアンクローを決めていた。


「いたぁ! 頭が、頭があああああ! 私の、海色の脳細胞がぁぁぁぁぁ!!」

『ほら、見なさい! やはり私を上位種にする準備はあったという事じゃないの! こんな、品質向上に優れた奴隷が居るなら、この娘に私を上位種へとさせなさい!』


 ……ほら見てよ、厄介な事になったじゃないか。


 とりあえず、少年トムと少女オリーブの2人に話を聞いた所、イプシロンちゃんが用意して渡してくれた食糧や、『これをした方が良いよ』という課題をこなしているうちに、今の大人のような体格になったらしい。その事について、彼女達の両親から最初こそ突っ込まれたモノの、今では力仕事などに役立つとして、喜ばれているので後悔とかは一切ないらしい。

 ……ないのなら、良いんだけれども。

養殖担当ですので、

人間そのものを成長する行為も養殖です

  Byイプシロン

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