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スローライフ配信をしてたら、相方のゴーレムがアップをはじめたようです  作者: アッキ@瓶の蓋。


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第302話 ゼータちゃんはガンマン? 配信

「おはよう、新たなる私のゴーレム! 極地活動型ゴーレムの、ゼータちゃん!」


 黒髪サラサラロングな、ガンマン風ゴーレムのゼータちゃん。

 彼女は極地活動をお願いするために作ったゴーレムである。


 極地というのは、人間が住むことが出来ない危険地帯の事。

 入ったら二度と生きて出られない迷いの森。あらゆる物を燃やし尽くす猛火の活火山。永遠に続く不毛の砂漠。古代文明に支配された死の迷宮。猛毒に侵された沼地、などなど……。

 獣人族だの、魚人族だの、アマゾネスだのといった、基本スペックが人間なんかとは比べ物にならないほどの者達が大勢いるこの世界においても、住むのには難しい危険地帯が存在する。


 この世界で、きちんと調べられている地域って、全体の1%未満なんじゃないだろうか?

 まぁ、それくらいこの世界には危険地帯が多いのだ。


 そして、何事も超危険(ハイリスク)に対しては高い利益(ハイリターン)が手に入る。そういった極地で普通にある植物や魔物なんかが、素晴らしい素材だったりする事がある。

 高ランク冒険者が取って来る素材なんかは、たいていがそういった極地に足を踏み入れて、命からがら持って帰ってくるようなモノだ。


 このゼータちゃんは、その極地で活動する事を想定したゴーレム。


 ゴーレムであれば、毒や麻痺、催眠などといった状態異常を防ぐ事が出来るし、さらに彼女の武器はあらゆる物を吸い取って放つ魔道具【インショッター】。周囲の空気ですら攻撃の手段と出来る彼女なら、武器切れの心配もない。

 そして、その極地の素材を回収し、倉庫へと転送してもらう。これがゼータちゃんのお仕事である。


 ゼータちゃんに外へ一緒に出て貰い、私はまずは"入ったら二度と生きて出られない森"として有名な、『死の森』へと向かってもらう事にした。

 場所はここからさらに東にずっと行った場所で、彼女に取り付けてある魔道具【線模様の馬(シャープホース)】を使っても到着まで3週間以上かかる極地である。あそこは独自の生態系が異常な進化を遂げており、さらには方向感覚を惑わす魔物が大勢いる危険地帯だが、ゴーレムのゼータちゃんならば問題ないだろう。


「えぇ、ご主人様。お任せくださいませ」


 礼儀正しく、ゼータちゃんは頭を下げる。実に頼もしい。頼もしいのは良い事なんだけど……。


「ねぇ、ゼータちゃん」

「はい、なんですか? ご主人様?」


 私は、今にも出発しそうなゼータちゃんに声をかける。




 そう、【線模様の馬】から馬を出さず。何故か魔道具【インショッター】を二丁出して、空へと飛んでいるゼータちゃんに。



 ……銃で人が空を飛べるわけないって?

 うん、確かに普通はそうなんだけど、この世界は魔力とかがある異世界ですよ?


 ゼータちゃんが保有する魔道具【インショッター】は、あらゆる物を銃弾として発射する機能を持つのだが、その機能を応用して【スピリッツ】を銃弾として圧縮して放つことで、空を飛んでいるのだ。

 見かけは完全に、ロケットブースターみたいな感じ。銃から大量の火炎が放出され、その勢いで空中に浮遊しているという感じだ。


「まさか、その状態で飛んで行く気なの?」

「えぇ、無論そうです」


 なんでまた? ガンマン風に作ってあるし、【線模様の馬】もあるんだから普通に馬で行けば良いのに……。

 そんな事を考えていると、ゼータちゃんはキランッと瞳を輝かせながら、



「----なにせ、ガンマンですから」



 大真面目に、そう言った。


「え?」


 思わず、そう言ってしまうのも無理はないでしょう。

 だって、「なんで空を飛んでいるの?」と聞いたら、「ガンマンですから」と返答して来たんですよ? ふざけているとしか思えないじゃないですか。


「『極地活動型アルファ・ゴーレムサポートシステム搭載型ゴーレム・ナンバーΖ』は、ご主人様にガンマンを意識して作っていただきましたゴーレムであります。でしたら、ご主人様の意思を尊重すべく、銃を使うのが妥当」

「妥当……なのかな?」


 作った当人である私としては、全然、そうは思えないんだけれども。


「そう考えた結果、銃を使えば移動する事が可能であると、【アルファ・ゴーレムサポートシステム】を使った結果判明しましたため、このように空中移動するつもりなのです」


 【アルファ・ゴーレムサポートシステム】をそんな風に使うのは、君だけだよ。多分。

 "移動したいんだけど、銃を使った移動方法はない?"と聞いて、ちゃんと回答(アンサー)が出て来る【アルファ・ゴーレムサポートシステム】の優秀さを誇るべきか。あるいは、こうならないように止めて欲しかったと嘆くべきか。


「では、ご主人様。早速、行かせていただきますね」


 そう言って、ゼータちゃんは銃をロケットブースターのようにして使って、そのまま空高く飛んで行き、そのまま『死の森』がある東の方へと飛び立って行った。



「……あれは、ガンマンじゃないね」



 3日後、ゼータちゃんから『死の森』の素材を貰って「もう着いたんですか」と驚いてしまう私なのでした。いや、早すぎるって本当に。

※普通のガンマンは、銃を使って空を飛びませんww

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