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スローライフ配信をしてたら、相方のゴーレムがアップをはじめたようです  作者: アッキ@瓶の蓋。


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第295話 地域の事は地元ゴーレムに聞け配信(1)

 岩山を進む、ゴーレムが2人。

 デルタちゃんとダヴィンチの2人のゴーレムは、素材回収のために岩山を進んでいた。


「デルタのアネゴのためなら、えんやこらぁ~♪ イッショーケンメー、えんやこらぁ~♪」

「ダヴィンチ。(デルタ)のためではなく、マスターのために行動して欲しいですのですが」

「はっ! そっ、そうでした! なおして、うたいます!」


 ごほんっと、ダヴィンチは大げさに咳をする。


「デルタのアネゴのために、ススリアさんのお役に立つぞこらぁ~♪ ススリアやろうのためなら、えんやこらぁ~♪」

「ダヴィンチ。マスターは男ではなく女です。『野郎』ではなく、『アマ』でお願いします」

「はっ! そっ、そうでした! なおして、うたいます!」


 ごほんっと、ダヴィンチはもう一度大げさに咳をする。そして、もう一度きちんと歌い直そうとして----


「「「「そこの2人、待ってください!」」」」


 岩山を進もうとする2人の前に、私兵部隊が立ち塞がる。というか、必死に(すが)りついていて、デルタちゃんとダヴィンチの2人は若干引いていた。


「あなた達は……確か、新領主様の私兵だとかいう」


 デルタちゃんがそう言うと、キリッと私兵部隊の面々は口を開く。


「新領主様ではありません! ノワルーナ姫です!」

「新領主様ではなく、新領主兼ギルド長のノワルーナ姫と呼んでください!」

「光栄な姫様が、領主、そしてギルド長をやっていると覚えさせていただきます!」


 ムキーっと、めちゃくちゃ抗議する私兵部隊の面々。


「……領主で合ってるんじゃないですか」


 納得がいかない様子のデルタちゃんであったが、ここで抗議しても意味がないと判断したデルタちゃんはひとまず話を合わせる事にしたようである。


「(マスターから、私兵部隊に対しては優しく接して欲しいという事も言われてますしね)」


 私兵部隊の主であるノワルーナ姫は、一方的にススリアに絡んで無理難題を押し付けて来た。それに対して、ススリアは激怒して、ガンマちゃんがそのノワルーナ姫を洗脳するという行為で反攻して来た。

 その洗脳行為を、ススリアは少しやり過ぎたと後悔している。それなので、出来る限り優しくしてほしいくらいの指示を受けている。

 悪いのは、頼む相手であるはずのススリアに対して、あそこまで一方的に条件を要求してきたノワルーナ姫が、デルタちゃん的には悪いと思っている。しかしながら、肝心のススリアがそうしてくれと言うため、デルタちゃんは仕方なくその方針に従っている。


 この私兵部隊は、ノワルーナ姫の関係者。一応ながら、優しくしてほしいという対象者である。


「……何の用ですか?」


 そこで、デルタちゃんは話だけでも聞こうと、ダヴィンチに対して休憩を指示するのであった。




「なるほど」


 私兵部隊の話を聞いて、デルタは思った。




 ----凄く、どうでも良い。



 領主に任命されたノワルーナ姫が、冒険者を集めたいというのは良く分かる。そして、ノワルーナ姫の私兵である兎獣人部隊の面々が張り切るのも分かる。

 かと言って、動画映えをどうにかしようだなんて、デルタには分からない問題である。


 デルタは、ただの戦闘用特化型ゴーレム。ダヴィンチに至っては、思考回路のほとんどが「デルタのアネゴ」に支配されたようなゴーレムだ。

 『魔物が強いから、鍛えて欲しい』くらいの悩みだったら解決の手助けくらいなら出来たかもしれない。しかしながら、『魔物が弱すぎて、動画映えしないのをなんとかしたい』というのはデルタの管轄外である。


「動画なら、ガンマちゃんに話してください」


 デルタから出来るアドバイスとしては、それくらいなモノだ。まぁ、ガンマちゃんは、ススリアの命令があっても手伝う事はないだろうと、デルタはそう思っていたが。


「今からススリア殿の家に行くのは……」

「あぁ、今から岩山を降りるのは辛い……」

「疲れはしてませんが、今から帰るのはちょっと……」


「文句が多すぎませんか……?」


 真面目にアドバイスして、損をしたと思うデルタである。


「デルタのアネゴ! はやく、そざいをかいしゅうしにいこうよ!」

「そうでした。マスターのために、急いで向かいましょう」


 もうマスターの「優しくして欲しい」という命令は果たしたと考えたデルタは、ダヴィンチと共に岩山の奥へと向かって行ったのであった。





「ふむ……」


 そんな中、隊長はデルタの後ろに着いて行こうとする。


「隊長、どうして2人に着いて行くんですか?」

「バカ。あの2人がどこに行くのか、見届けようとされているのだ」

「あの2人が行く所が、動画映えする場所かもしれないと睨んでいるのだ!」

「「「「なっ、なるほど!」」」」


 デルタ達の後をつけようとする隊長に、「そうなんですよね!」という信頼を込めた視線を送る私兵部隊の面々。


「……その通りだ」


 隊長の言葉に、「流石ぁ!」と納得した様子の隊員達。


「(ただ単に、同じ方向に向かっていただけなんですが……)」


 口が裂けても、そんな真実は言えないなと思う私兵部隊の隊長であった。

ダヴィンチ「デルタのアネゴのためなら、えんやこらぁ~♪ イッショーケンメー、えんやこらぁ~♪」


デルタ「聞いているこっちが恥ずかしくなるから、出来ればやめて欲しいんですが……」

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