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スローライフ配信をしてたら、相方のゴーレムがアップをはじめたようです  作者: アッキ@瓶の蓋。


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第287話 ノワルーナ姫の、実現不可能という点を除けば完璧すぎる計画配信

 ~ノワルーナ・タノタノ姫~


「これは、完璧な計画ね」


 領主として与えられた部屋の中で、私は錬金術師ススリアに依頼した街の見取り図を見ながら、そう呟いた。


 冒険者ギルドは、既に準備が始まっている。

 私には、選び抜かれた優秀な配下がおり、彼らは私の命令であれば、たとえ死ぬような所にも平気で行ってくれる。そして、絶対に死なずに帰って来る、そういう優秀な冒険者達だ。

 そんな配下たちによって、冒険者ギルドに加入してもらい、この辺りで活動してもらった。元々、『イスウッドは稼げる』というイメージを付けるために頑張ってもらうつもりでいたが、思ったよりイスウッドという地域は稼げるらしい。恐らく、ススリアが錬金の素材として使うために、色々とレアな素材を植えたりして育てている影響だと思われる、と配下からの報告で上がって来た。


「やはり、彼女に目を付けた私の判断は間違ってないようね」


 錬金術師ススリアには力がある。この辺境の地を盛り立てるだけの力がある。

 しかしながら、彼女にはそれをする実行力がない。度胸がない。


 ならば、上に立つ者として生まれたこの私が、彼女の能力を最大限に活かしてあげませんと。

 そう、下々の者の実力を見極め、適切な仕事を割り振る。これこそ、王族であるこの私の務め、なんですから!


「----そう、そして喝をいれるのも、私の仕事よね」


 今日、イスウッドを活気あふれる街にしようとしている忙しいこの私が、わざわざススリアの家に訪れるのは、彼女を激励するため。この私が完璧な計画を立て、わざわざこちらから提案している。それなのに、あれから一度もどうするか言ってこないススリアに、どういう事なのかを聞くために、私は彼女の家に訪れるつもり、という訳です。


「ちょうど良いわ。行くついでに、打ち合わせもしちゃいましょう」


 冒険者ギルドと、『宿屋』『酒場』『娼館』を5つずつは、あくまでも私が考える、辺境イスウッドを盛り立てる計画の第1段階。都市として発展していくためには、さらに多くの物が必要となって来る。

 冒険者の武器を揃える『武器屋』、街の秩序を守る『騎士団庁舎』、子供向けの娯楽施設たる『遊園地』、娼館とは違う形で人の欲望を刺激する『賭場(カジノ)』。それに街のシンボルである『高層ビル』とか欲しい所ですね!


「ふふっ! それらもイスウッド発展計画として、後でススリアさんに提案しときましょうか!」


 そうだ、色々と考えるのも面倒だし、そう言うのを考えるのもススリアさんに考えて貰いましょう! どうせなら、100年……いや、1000年先の歴史書に残るような素晴らしい都市計画をお願いしましょう!

 彼女の実力ならば、それくらい出来て当然の技術(スペック)がある! 力があるのならば、その力を使うのが力ある者の義務なのだから!


「さぁ、色々と相談しとかないとね!」




 そうやって勢いよく攻め込んで来たのが、ついさっきの事。




「あなたが、我らが巨匠に無理難題を行ってきたノワルーナ姫ですね」


 部屋の中で、強敵のオーラを漂わせて待っていたのは幼い体格の幼女。身長は120cmくらいとかなり小柄なのに、胸は物凄い大きい、そういうアンバランスな体格のゴーレムであった。

 そんなアンバランスな体格の、ガンマちゃんなるゴーレムは、物凄い剣幕で、こちらを見ていた。


「そうだけど……"たかが胸や尻が大きいだけの人工生命体ごとき"が選ばれし王族であるこの私に対して、無礼だとは思わないのかしら?」

「王族だからって、その権威を笠にしているだけの輩よりかは、遥かにマシだと思いますが?」


 こっ、こいつ……! 私に対して、なんて無礼な発言を! たかが"錬金術師によって作られた人間もどき"の癖して……!


「今からあなたに、この巨匠作成のガンマちゃんが知恵を与えてあげるわ」

「へぇ? あんたのような"都合のいい女の要素を詰め込んだだけの、胸と尻が大きいだけの人形"が、どのような知恵を?」


 そこで私は、ガンマちゃんから、過去の記録映像を見せつけられるのでした。




「ヒッピアス。父から王の座を受け継ぐも、男関係のもつれで弟が暗殺されて以降、苛烈な支配を行った。

 ----そして、人の心が分からない王は追放された。


 ドミティアヌス。綱紀粛正をやりすぎる男としておそれられ、些細な違反も残虐に罰する。

 ----そして、人の心が分からない王は配下によって惨殺された。


 ヴラド3世。護国を守るため、串刺しにした敵兵の死体を並べると言った常軌を逸した行為によって、自国民以外には恐れられた。

 ----そして、後世、かの主はバケモノの代名詞となった。


 ノワルーナ・タノタノ姫に、私が選抜(セレクト)しておいた、ヒトの話を聞かないクソ主共が辿るアホみたいな末路について教えて差し上げましょう。

 いずれ、あなたもその道を辿る事になるんですから。ですよね、巨匠に対して一方的に命令して、さもそれが当然の事のように考えている、クソ女さん?」



 ----10分後。私は改心した。




「すいません申し訳ございません申し訳ございません申し訳ございません申し訳ございませんすいません申し訳ございませんすいません申し訳ございませんすいません申し訳ございません申し訳ございませんすいません申し訳ございません申し訳ございませんすいません申し訳ございません申し訳ございませんすいませんすいません申し訳ございません申し訳ございませんすいませんすいません申し訳ございませんすいません申し訳ございませんすいません申し訳ございませんすいませんすいません申し訳ございません申し訳ございませんすいません申し訳ございません申し訳ございませんすいません申し訳ございませんすいません申し訳ございませんすいません申し訳ございませんすいません申し訳ございませんすいません申し訳ございません申し訳ございませんすいませんすいません申し訳ございません申し訳ございません申し訳ございませんすいません申し訳ございませんすいません申し訳ございませんすいません申し訳ございませんすいません申し訳ございません申し訳ございませんすいませんすいません申し訳ございません申し訳ございませんすいません申し訳ございません申し訳ございませんすいませんすいません申し訳ございません申し訳ございません申し訳ございませんすいませんすいません申し訳ございません申し訳ございませんすいませんすいません申し訳ございません申し訳ございませんすいません申し訳ございませんすいません申し訳ございません----」

ノワルーナ姫の計画は、完璧なんです!!

実現不可能という点を除けば!!


ススリア「それって、ダメなんじゃ?」


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