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スローライフ配信をしてたら、相方のゴーレムがアップをはじめたようです  作者: アッキ@瓶の蓋。


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第283話 【コツコツロードマップ】の納入先配信

 新生ハンドラ商会のノルカ・ブックマン嬢に、『資格制度』という方法を提案してから、しばらく経った数日後。

 錬金術師ススリアは、用意していた魔道具、そしてかかった費用などが書かれた書類を提出した。


「こちら、業務用に改良した魔道具【コツコツロードマップ】。それと、導入に当たって必要な書類になります」


 私はその書類を、3枚(・・)の書類をそれぞれの取引先に提出する。


「「「確かに」」」


 その3枚の書類を、【コツコツロードマップ】を欲しいと望んだ取引先の代表者さんが手に取っていた。




「ありがとうございます、ススリア大社長。この魔道具によって、新生ハンドラ商会は曇り空のような世界から、大きな青空の世界へとなりました」


 まず、新生ハンドラ商会のミリオン商会長。つまり、うちのミリオンである。

 どうやらノルカ嬢はきちんと新生ハンドラ商会に話を通したらしく、この度、ミリオンがこの【コツコツロードマップ】を購入しに来たという訳である。ミリオンの後継問題を解決するために、導入する魔道具【コツコツロードマップ】を、ミリオンが購入するのはどうなんだろう……?

 ミリオンは、新生ハンドラ商会の搬送用部隊を引き連れて、業務用魔道具【コツコツロードマップ】を搬送して行った。


 これで、ミリオンが会長を勤める新生ハンドラ商会も、いい方向に進んで行くと良いなぁ……。


「で、次はあなたですか。シガラキ代表」

「えぇ、今回も購入、そして導入させていただきたいと思います。ススリアさん」


 続いて2社目は、ドラスト商会のシガラキ代表。

 私の専属商人と課しているスコティッシュさんに、違反だと言われる前に【コツコツロードマップ】の事を話したところ、ドラスト商会も導入を決めたという訳だ。わざわざミリオンが来る日に導入しなくても良いと思うのだけれども。


「商売と言うのは、流行(トレンド)を常に警戒しなければならない世界。消費者、そして取引先に分かりやすい肩書きが増えるというのは、こちらとしても損はないと思いましたので」


 肩書きが増える事は、商人として信用が高いというのが、シガラキ代表の判断だ。

 色々と話をするよりも、信用できる肩書きさえあれば、それ一発でその分野に詳しい事が判明するからね。コスパという面においても良いと、スコティッシュさんはそう言っていた。


 さらに驚いたのは、この【コツコツロードマップ】を使った配信動画を、ドラスト商会主催でやろうと計画した事である。配信者『あるけみぃ』の私のように多くの登録者が居る、なおかつ何かの分野においては専門家並に詳しいと豪語する20名近くの配信者に対して、企業案件を依頼したのだそう。

 名付けて、【試してみた配信】----魔道具【コツコツロードマップ】を使って、虫に詳しい人には虫検定を、特定の植物に詳しい人にはその植物に関する検定を、それぞれ無勉強でやってもらおうという企画だそうだ。もし仮に受からなかったらそれだけ難しい試験だったというのを、試験の解説を交えて話してもらう。逆に受かったら受かったで、その難易度と「検定を持った人は、本当にその分野に詳しいと言えるかどうか」を話す場にしてもらうんだそうだ。


 まだ魔道具【コツコツロードマップ】、そして資格制度に関しては、認知度はほぼゼロと言っても良いからね。配信者を使って、その価値を確かめるというのは、悪くない戦法だと、私はそう思うよ。


「さて、皆さん! 急いで配信者の皆さんに許可取りですよ! この【コツコツロードマップ】、しっかりと宣伝していきましょう!」

「「「「はいっ、シガラキ代表!」」」」


 大慌てで、【試してみた配信】をするための準備のために、帰って行ったシガラキ代表と、ドラスト商会の面々。


 新生ハンドラ商会、そしてドラスト商会の面々が帰って行ったが、まだ【コツコツロードマップ】を求める取引先は1つある。でもって、その3社目が問題であって----


「なんで、あなた達がこの【コツコツロードマップ】を求めるんですか?

 ----タラタちゃん、フランシアさん、タメリックさんのお三方」


 そう、【コツコツロードマップ】を求めた最後の3社目。それはタラタちゃん、フランシアさん、それにタメリックさんの3人であった。

 正式に言えば、イスウッドに居る私の関係者であった。


「なんで欲しいって……そりゃあ、師匠の弟子として、どれだけ出来るようになったのか分かりやすいじゃないですか! 師匠は色々と課題をくれますが、自分でも出したり、出来ているかの確認が欲しいんですよ!」


 そう言うのは、タラタちゃん。まぁ、確かに彼女には、錬金術師としてのお仕事とはいえ、少し裏方の作業が多かったのは事実だ。成長を実感しにくいという彼女の訴えはもっともだ。


「戦いにおいても、これだけの武術を修めたという証明にもなりますし、武術にも十分使えると判断しましたので!」


 そう言うのは、フランシアさん。前世の知識がある私にとっては、資格制度は商売で役立つという印象だったが、確かに『柔道三段』みたいに武道の分野においても応用可能といえば可能か。


「神の御意志でして」

「おいっ」


 タメリックさん、それには騙されないぞ。

 なんで神様がそんな俗っぽい、肩書きにこだわるんですか。武道については納得しても、それについてはイマイチ納得できないんですが。


 まぁ、とにかく、イマイチ納得できなかったけれども、ちゃんと費用を払っている以上はお客様として扱いましょう。


 こうして、新生ハンドラ商会、ドラスト商会、それにイスウッドの関係者の皆様に、私は【コツコツロードマップ】を納品したのであった。

タラタ「なんで居るんだろう……?」


フランシア「なんで居るんでしょう……?」


タメリック「なんで居るんだろう、って思われてるんだろうなぁ……」

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