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スローライフ配信をしてたら、相方のゴーレムがアップをはじめたようです  作者: アッキ@瓶の蓋。


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第280話 基礎であるメモの取り方を学ぶぞ配信

「私が言いたいのは、ミリオンの事。ミリオンが課題として挙げていた、自分(ミリオン)の後任問題。

 私だったら、その解決方法について1つ案があるけど、どうだい? 聞く?」


 私がそう問いかけると、ノルカ嬢はコクコクっと首が取れんばかりに頷いていた。

 ……良かった。縦の方は1回転とかしないみたい。いや、しても困るけど。


「良いかい、ノルカ・ブックマン。ミリオンの記憶を仮に受け継いだとしても、君一人が頑張ってどうにかなる問題なのかい? ゴーレムであるミリオンと違って、君は獣人(いきもの)なのに」


 ゴーレムは疲れない。しかし、ノルカ嬢は疲れる。

 たとえ、計画が成功してノルカ嬢がミリオンの代役を勤められるようになったとしても、それは一時凌ぎ。ミリオンと同じだけの仕事量をやっていたら、いつか倒れてしまって、おしまいだ。

 そして、私でもそう簡単に予測できる未来を、『経営特化型アルファ・ゴーレムサポートシステム搭載型ゴーレム・モード"長者(ミリオネア)"』であるミリオンが予想できないはずがない。


「そもそもこの問題は、ミリオン以外に任せられる人間が、複数人。それも次世代に繋げられる業務として確立できないといけないんだよ」

「なるほどなるほど」


 はい、首を縦に振っているだけだね、君。それだから商売人としてのスキルがないんだよ。


「相手が大切な事を言っている時は、メモを取ろうね」

「え、えっと……でもでも、メモの取り方が分からなくて……」


 ……いや、そこからですか。

 まぁ、勉強が苦手という者のほとんどは、どうやって勉強するかが分からないという者が多い。そういう者は、楽しい勉強の仕方を教えたら、案外勉強が楽しくなって勉強嫌いが克服するんだとか。

 ノルカ嬢の場合も、商売スキルが低いのではなく、こういった基礎的な所を解決したらいけるのではないだろうか? 戦闘スキルは高いようだし、才能がないという訳ではないようですし。


「とりあえず、要点のみをまとめて書いてみて」

「要点だけ……? ぜっ、ぜんぶ大切だから書き写すべきなんじゃ……」

「そんな事をしてたら、相手の言う事を聞き逃しちゃうでしょ。今回私が重要視したいのは、"次世代に繋げられる業務として確立しなければならない"という事。とりあえず『次世代』『業務』『確立』とさえ書いておけば、後で見返した時に思い出せるでしょ?」


 「なるほど」と、そう言ってメモを取るノルカ嬢。


「そうそう、あと余白は多めでね。あとで書き足す可能性があるから、敢えてメモできるスペースを予め取っておこう」

「なるほどなるほど」

「それと、難しい単語は使わなくて良いよ。自分が知っている単語じゃないと、その難しい単語を後で調べるという時間が出てくるし」

「ふむふむ」


 私のメモの取り方を聞いて、水を吸うスポンジのように、メキメキとメモの取り方が上手くなっていくノルカ嬢。

 ……間違いない。彼女はただ商売スキルが下手なんじゃなくて、ただ単に彼女が知らなかっただけだね。これは。


 普通の学習と違って、商売ってのはいちいち『これが正しい』『これは常に成り立つ』という場合ばかりじゃない。それに店ごとに色々とやり方が違って来たり、あるいは働きながら覚えるというのもある。

 それで成功する人間は居るでしょうけど、ノルカ嬢の場合は、こうやってひとつひとつ、積み上げていくことで、確かに成長するタイプだったというだけの話だ。


「すいません……今まで質問するくらいならば、その分飛び込み営業でもして、実践にて取って来いというのが会社の方針でしたので」

「え? 本当に? それだと、もし仮に営業で失敗したら、ヤバいんじゃ……」

「取引先も、同じ制度を導入していたので……」


 あっ、なるほど……。仮に失敗したとしても、「新米商人だから」という理由で、許されるという事か。それって、実践勝負として厳しいようで、かなーり甘い判断のような気もするね。

 これ、実質的には実践勝負の意味、ないんじゃないかな?


「まぁ、とりあえずメモの取り方から学ぼうか。何事も、基本が大切だし」

「コクコクッ----!」


 こうして私は、ノルカ嬢にミリオンの後任問題について話す前に、何故かメモ帳の取り方というそれ以前の問題について話し合う事になったのでした。




「ふっ……! ノルカ・ブックマンは大幅にレベルアップしました!」

「ただ単に、メモ帳にてタイトルと日付を付ける事。それと、箇条書きをするように言っただけじゃない」


 そんな、偉そうに「レベルアップした」と言えるだけの戦果を、上げたようには見えないんだけれども。あっ、それに5W1Hを意識する事も言っておいたんだけど、その説明が難しかったけれども。

 いつ(When)どこで(Where)誰が(Who)何を(What)なぜ(Why)どうやって(How)----この6つを意識するとメモ上級者になれると教えたかったんだけれども、そもそも"When"や"How"などは前世の『英語』を使った知識だったのだ。これを上手い事説明するのが、少し難しかったかもしれない。


 まぁ、そんな感じでメモ帳の取り方を教えた後に、ミリオンの課題解決案について話す事になったのであった。

課題解決案を出す前に、まずはメモの取り方から話します!!

……って、そこから話すの?

商売の国なはずなのに、なんでそんな基本中の基本から

抑えないといけないんですかねぇ……

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