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スローライフ配信をしてたら、相方のゴーレムがアップをはじめたようです  作者: アッキ@瓶の蓋。


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第279話 出来る事とやりたい事配信

「という訳で、こちらが【アルファ・ゴーレムサポートシステム】の魔道具本体にちょっかいをかけようとしていた、ノルカちゃんさんです」

「----です!」

「はい、どうも……」


 デルタちゃんとダヴィンチが連れ返って来た、フクロウ獣人族の少女ノルカ。縄によってぐるぐるの簀巻(すま)き状態にされたノルカ嬢は、クルクルと首を360度回転させて状況を伺い、私の姿を見つけると私の方を見てウルウルと涙目になっていた。

 

「いや、首を異次元級に回転された後だと、その涙目も胡散臭く思えちゃうよ」


 私、後ろから観察したくて、右斜め後ろ辺りでスタンバイしてたんだけど、そんなロボットのように首を一回転されたら「怖っ!」ってなるわ。うちのゴーレムちゃん達以上に、人間離れしてるよそこだけでも。


「でっ、でもこれは、ただのフクロウの獣人族としての特徴で----」

「フクロウの首の回転角度は最大270度。フクロウの獣人族もそれくらいと聞いたけど?」


 それなのに、このノルカ嬢だけ、何故か1回転。くるりと首を回転させられるのだから、怖いというべきだろう。


「昔から、首が柔らかくて」

「柔らかさの次元が桁外れだね、君……」


 とりあえず、デルタちゃんとダヴィンチには、部屋から退出してもらった。2人からの情報、つまりはノルカ嬢がどういう戦い方をする人間かというのは、映像でだいたい把握したし、部屋の中に居ても有益な情報を出してくれるとは思えないからだ。武術一点張りのデルタちゃんと、事故で誕生した知能低めのダヴィンチだからね。

 2人には、その溢れんばかりの戦闘術を用いて、いっぱい素材を狩りに行って欲しいと頼んだ方が効率的だと私は判断した訳だ。


 デルタちゃんとダヴィンチの2人が部屋から退出し、部屋の中に居るのは私とノルカ嬢の2人きり。


「縄、外そうか?」


 だから私は、まずノルカ嬢にそう提案した。


「いっ、良いんですか? その、いきなり襲い掛かるかもしれませんよ?」

「ミリオンから聞いてるよ。君はそういう商人じゃないって」

「会長から、ですか?」


 そう、そのミリオン商会長とやらから。

 そもそも、ノルカ嬢が【アルファ・ゴーレムサポートシステム】の魔道具本体を狙っていると教えてくれたのも、ミリオンからの通信で判明したからね。だからこそ、私はデルタちゃんとダヴィンチの2人に、いち早く【アルファ・ゴーレムサポートシステム】の魔道具本体の護衛に行かせることが出来たという訳だ。

 本来なら、アレイスターも一緒に守らせたい所ではあったが、ミリオン曰く、ノルカ嬢は剣術がめちゃくちゃ強いという事で、魔法使いというアレイスターとは相性の関係で今回はお留守番してもらったという訳である。


「ミリオンが言ってたよ。"ノルカ・ブックマンは、戦闘術の高さくらい、営業にも積極的に行ってくれればすぐさま一流の商人になれる人材"と」

「商会長がそんな事まで……嬉しいですね」


 ニコリと、そう笑う彼女を見て、やはり大丈夫だと私は判断した。とりあえず縄を解いて、彼女といくつか情報のすり合わせを行う事にした。






「なるほど。ミリオンがドラスト商会に事業の売却を検討している話を聞いた、と」

「……はい。それでうっかり、ドン・デーロの話に乗ってしまい、今に至る訳です」


 なるほどねぇ~。


 話を聞く限り、ノルカ嬢は「商売人としての腕こそが評価の基準」と考える、そう言うタイプの頭の固い商人らしい。デルタちゃん達からの戦闘映像を見る限り、武人として活動すれば即戦力になれる人材だろうに、彼女の頭の中では武人としての才能なんてどうでも良くて、商売人としての才能こそが一番大事なんでしょう。

 実に勿体ない。その腕を活用すれば、就職問題なんてすぐさま解決でしょうに。


「商売人として一流になりたいというのは、幼い頃からの夢なんです。やはり、商売の国で生まれた以上、良い商会に入って、いずれは独立したいなーって」

「今から、護衛専門の商会を立ち上げたら、即座に有名になれると思いますけどね。就職問題はこれで解決ですよ」

「いやぁ~、あれは単なる手慰み程度で始めただけで、そこまでのモノではなくて----」


 いやいや、あれは普通に強いと思うけどなぁ。

 まぁ、剣を使い捨てにする戦術だから、コスパ的な問題はあるけれども、それも自分の相棒たるしっかりとした武器さえあれば解決すると思うのに。ほんとう、才能があるのに活用しないだなんて、私から言わせれば勿体ないとしか思えないけど。


「ふむ。商売人として成功したい、と。それが君の夢なんだね」

「そうですね、はい。道のりは険しいかもしれませんが、武人として活躍する事はあまり考えてなくて……」


 そう言われちゃあ、武人ルートを勧める事は出来ないね。人には得手不得手があり、出来る事とやりたい事が違っていて当然だし。


「分かった。それじゃあ、1つだけ。私の方から提案させてくれない?」

「提案、ですか? 魔道具本体を襲った落とし前、みたいな?」


 いや、それに関しては問題視するつもりはないよ。

 どうやら悪魔、狩猟のドン・デーロに洗脳されていたであろうというのは聞いているし、そこに関してとやかく言うつもりはない。


「私が言いたいのは、ミリオンの事。ミリオンが課題として挙げていた、自分の後任問題。

 私だったら、その解決方法について1つ案があるけど、どうだい? 聞く?」

作者「よし、今からどうするか考えるか!」


ススリア「行き当たりばったりすぎるでしょ……」

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