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スローライフ配信をしてたら、相方のゴーレムがアップをはじめたようです  作者: アッキ@瓶の蓋。


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277/433

第277話 辺境イスウッドのノルカ配信(3)

 ノルカの額に刻まれた、【狩猟】の二文字。

 その二文字が光り輝くと共に、ノルカの瞳がさらに怪しく光り輝く。


「----ふんっ!」


 彼女は力強く、腕を振るう。それと共に、彼女の腕から強風が巻き起こり、草木のように生い茂って生えていた剣が、ふわりと地面から離れて宙を舞う。

 宙を舞った剣に対して、ノルカは手にしていた2本の剣を振るう。振るうと共に放たれたのは突風----赤い【オーラ】を纏った、斬撃波のつむじ風である。

 斬撃波のつむじ風は、宙を舞っていた剣を巻き込む。そして、宙を舞っていた剣は【オーラ】を受けつつ、高速で回転する。

 

 ----ごぉぉぉぉぉ!!


 斬撃波のつむじ風。ただでさえ【オーラ】を纏って厄介だったのに、風の中に大量の剣が入ってクルクルとかき混ぜられていく。

 そして、つむじ風に(あお)られて、大量の剣が加速して周囲に放たれる。


「くそっ!」


 デルタちゃんは、つむじ風から急に放たれる大量の剣を、1本1本対処していく。

 1本1本【オーラ】を纏っていて非常に威力が高い。厄介なのはそれだけではなく、どのタイミングで放たれるのかが放った本人であるノルカにも分からない。そして剣が完全に溶けて【オーラ】の勢いだけで飛んでくるモノに関しては、弾く事も出来ず、困っていた。


「わぉん! まかせてっ!」


 そうやって苦戦していたのが分かっていたからだろうか、ダヴィンチがデルタちゃんを庇うように、前に出る。そして、


「うーんっ! こうだぁ!」


 グッと力を込めると、ダヴィンチは緑色の雷のような力である【スピリッツ】を放つ。放たれた【スピリッツ】は、つむじ風にぶつかると、つむじ風はあらぬ方向へと消えて行く。そして、飛んできた【オーラ】と刀剣も、【スピリッツ】の力によって別方向へと飛んで行った。


「これであんしぐへっ?!」

「ダヴィンチ?!」


 ダヴィンチは【スピリッツ】の力で引き寄せた刀剣の鞘に頭を打ち付け、そのまま後ろへと転んで頭を打ち付けてしまった。「いった~!」と痛そうに頭を押さえるダヴィンチだが、大したダメージにはなってなさそうだ。


「……まだまだっ!」


 そう言って、新たに生えている剣を抜こうとするノルカ。しかし、


「あれ、抜けない?」


 しかし、剣は抜けなかった。先程まで簡単に、それこそ腕を振って出来る突風程度で吹き飛んでいた剣が、うんともすんとも言わなくなってしまったのだ。抜けなくなってしまったのである。


「どぉだ! 【スピリッツ】のちからで、だいちとくっつけたぞ!」


 そう、抜けなくしたのはダヴィンチの力であった。

 剣は魔法魔道具【刀剣舞踏(ブレード・ワールド)】の力によって、ずっと生え続けており、それを止める事は出来ない。ならば、抜けないようにしようと、ダヴィンチはそう考えたのだ。

 大地と剣、その2つを【スピリッツ】の"引き寄せる力"でお互いに引き寄せ合い、人力では引きはがせないほどに強力に接着したのである。


 【オーラ】の力を使えば、【スピリッツ】で引き寄せ合っている剣を無理やり引きはがす事は出来る。しかしながら、そこまで力を込めてしまうと、【オーラ】の力に剣が耐えきれず、破壊されてしまう。

 

「【オーラ】けんじゅつ、やぶれたりっ!」


 ドヤァと、ノルカに対してマウントを取るダヴィンチ。そして、"凄いことしたでしょ"と、褒めて欲しそうな顔をデルタちゃんへと向ける。


「----いや、地面に寝っ転がったまま言われても、説得力がないのですが」

「うぐっ?! たっ、たしかに!」


 慌てて、身体を起こすダヴィンチ。


「剣が使えないなら、それじゃあこっちで!」


 ノルカはそう言って、自分の腕に【オーラ】を纏わせて、走りながら向かって来る。

 そんなノルカに対して、デルタちゃんは冷静に見極めて、彼女の腕を【オーラ】を纏わせた剣を叩きつける。


「----っ!」

「武器に比べて、【オーラ】の量が明らかに少ないですよ」


 デルタちゃんはノルカの戦い方を見て、思ったのだ。

 剣1本1本を使い捨てにする彼女の戦い方は、確かに強力。しかしそれは、剣に適切な【オーラ】の量を見極めて込められないからじゃないから、と。剣に【オーラ】を込められるギリギリの値が分からないから、いつでも全力で【オーラ】を込めて、剣が耐えきれずに壊れたら別の剣を使う。

 それがノルカの戦い方なんじゃないか、と。


 そんな、【オーラ】量のコントロールも上手く出来ない彼女が、自分の腕を【オーラ】で強化するからといって、全力で【オーラ】を放出するだろうか。そう思っていたが、予想通り、先程までと比べる間でもないくらい弱い【オーラ】を腕に纏っていた。

 同じ【オーラ】を使うなら、壊れる事覚悟で全力で注ぎ込む方と、壊れないように細心の注意を払って使っている方。どちらの方が【オーラ】の威力が強いのかは、誰でも分かる話であった。


「まだ私はっ----!」


 そう言って、懲りずに向かって来ようとするノルカ。

 そんなノルカの額に対して、デルタちゃんは躊躇(ちゅうちょ)なく剣を使って叩きこんだ。


「少しは、反省しなさい!」

「あいたっ----?!」


 ぶつけられたノルカは、フラフラとその場で揺れる。そして、頭からお星さまを出したノルカは、そのままフラフラっと倒れていた。

 倒れると共に、彼女の額にあった【狩猟】の二文字は薄れて、消えて行くのであった。

ノルカちゃん、撃破!!

これで商人は無理あるって……

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