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スローライフ配信をしてたら、相方のゴーレムがアップをはじめたようです  作者: アッキ@瓶の蓋。


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第264話 デルタとヘルオーガ配信(1)

~~デルタ~~


 新作のゴーレムである、ダヴィンチ。

 マスターはそのゴーレム素材として、魔物の生け捕りを私へと命じられました。


 目的は、マスターと交流が深い治癒神であるカンロ神様の加護を受けるゴーレムの作成。今回マスターはアレイスターのような、魔物の身体を使ったゴーレムを作るらしく、そのための材料として魔物の生け捕りを命じられたのです。


「しかし、どの魔物を生け捕りにしましょうか?」


 マスターがいう"生け捕り"とは、魔物の身体の一部を切り取って持ち帰るという事。逃げるだけなら簡単ですし、問題はどの魔物を生け捕りにすれば良いのかって事。

 マスターからは生け捕りにして欲しいという命令があっただけで、それ以外に魔物の指定はない。生け捕りをすること自体が難しいとマスターは考えてそういう提案をしてくれたんでしょうが、私としては指定して欲しかった。私は戦う事専門のゴーレムであり、こうやって考えるのはあまり得意ではないのですから。


「……仕方ないですね。前から目を付けておいた、"ヘルコボルト(・・・・・・)"にしましょうか」


 ヘルコボルト。コボルト系の亜種にして、黒いコボルト。

 火炎が使えたりとかなど、特殊能力がある訳ではないですが、とにかく頑丈(タフ)なコボルト。一説には心臓を失った状態でも、十年生きたという伝説が残っているほど。

 今度のダヴィンチという魔物ゴーレムは、治癒神カンロ神様の加護を与える事を想定して作るゴーレム。ただでさえ頑丈なヘルコボルトの身体を使えば、"どんな傷を負おうとも死なない、不死身の治癒役"として重宝される事でしょう。


「確か、この辺りの湖に居たはず……」


 私はそう言って、ヘルコボルトの目撃例が多数ある、とある湖畔へとやって来た。

 ヘルコボルトはともかく頑丈ではありますが、生息数は極めて少ない。心臓を失っても死なないだけで、別にその器官が再生するという事もないから。多くのヘルコボルトは繁殖に必要な機能や器官を成人するまでに失う事が多く、繁殖率が極めて低いという事だ。

 だから、少数の個体が群れとして、ひっそり暮らしていると聞いていたのですが……


「これはいったい……?」


 私は湖畔にて、大量のヘルコボルトの死体を発見した。

 そう、それもついさっき死んだばかりのヘルコボルトである。


「おかしいですね、ついさっき死んだばかりのヘルコボルトが大量に、とは」


 ヘルコボルトは、生命力が非常に強い魔物。だからこそ、マスターへ生け捕りにする魔物に相応しいと思って狩りに来たのですから。

 ヘルコボルトの死体は、ほぼカラッカラのミイラ状態の場合が多い。心臓を取られたり、脳を壊されたりしても、奴らはごくごく普通に生活して、生命力をギリッギリになるまで使い切って死ぬため、ほとんど干物状態の場合が多い。それに、こんな一気に群れとして、同じタイミングで死ぬのなんてありえない。



『グォォォォンンッ!』

「----!? あっちから聞こえましたね」


 

 いきなり大きな遠吠えが聞こえ、私はすぐさまその声が聞こえた場所へと走る。

 ヘルコボルトの大量の死体、そして大型の犬系魔物と思わしき遠吠え。なにかがこの湖畔にて起こっているのは確かでしょう。


 ここは普段、マスターへ花などの植物系の素材を提供するために立ち寄る湖畔。そんな湖畔に、怪しげな魔物が巣くうのを見過ごすわけにはまいりません。この場所はマスターへの素材調達場なのですから。



『グォォォンンンッ!』

『きゃんきゃんっ!』



 遠吠えの発生源に辿り着くと、2体の魔物が睨み合っていた。

 鎧に身を包んだ狼頭の黒いオーガ。先程の大きな遠吠えの主と思わしきそのオーガの足元には、先程と同様に大量のヘルコボルトの死体が山のように転がっていた。

 そして黒いオーガに懸命にきゃんきゃんっと吠え続ける、灰色のコボルト。私のデータにない所を見ると恐らくは、データには載っていないレア個体と言った所でしょうか。


「ともかく、あの黒いオーガがこの辺りのヘルコボルトを荒らしたという事ですね」

『グォォォンンンッ!』


 それは、肯定と見て、よろしいでしょうか?

 魔物が、他の魔物を倒す事は良くあること。それに対していちいち怒っていては身が持たない、それは自然の摂理なのだから。


 しかしながら、だとしたらこちらの要求も必然でしょう。

 こちらは、お目当てのヘルコボルトをたくさん殺され、マスターへ生け捕りとして献上するモノがなくなってしまったのですから。恐らくこの辺りのヘルコボルトはみんなあの黒いオーガに倒されたか、あるいは怖くなってどこかへと逃げだしてしまったでしょう。


「生け捕りを命じられましたが、あなたは生け捕りにする必要はありませんね」


 私のデータが、あの黒いオーガは危険だと警戒アラートを鳴らし続けている。

 なんだか得体のしれない、強烈な悪意を感じます。


「黒い狼頭のオーガ……さしずめ、ヘルオーガとでも名付けましょう。

 この戦闘特化型ゴーレムである、蠍座(アンタレス)のデルタが討伐して差し上げましょう」

湖畔での対決!!

蠍座のデルタ、マスターであるススリアのために頑張ります!!

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