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スローライフ配信をしてたら、相方のゴーレムがアップをはじめたようです  作者: アッキ@瓶の蓋。


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第261話 教会にカチコミするぞ配信

「頼もうっ!」

「マスター、それは道場破りの掛け声です。ここは教会です」


 うるさい、ベータちゃん! そんな事は分かってるんですよ!

 

 という訳で、イスウッドに建てられた教会へとやってきた私達。

 勢いよく扉を開けた事で、中で清掃していた聖職者見習いの皆様がビクッと怯えた様子を見せるが、そんなのはどうでも良い!

 重要なのは、うちの可愛いベータちゃんに、ジビエ神が加護という形でちょっかいをかけてきた事だ。


 ジビエ神の加護は、正直嬉しい。

 胸が大きくなるっていう事だけではなく、料理が美味しくなるというのは嬉しい事だ。それにジビエ神は豊穣神ということで、作物や家畜などの生育に多大なる良い影響をもたらすということが確認されており、今度ベータちゃんのための家庭菜園を作っておくべきかもしれない。

 しかし、それとは別として、やはりなんの前触れなく、加護をもらえたため、ベータちゃんの身になにかあったのではないかと心配したではないですか。


 たとえ、その行動が善意によるものだったとして、またそれがこちらにとって悪い影響が一切ない事だったとしても、やはり怖い物は怖いんですよ。いきなりなにか良からぬウイルスだの、バグだのが発生したのかと、私はめちゃくちゃ心配したんですからね。


「こんにちは、ススリアさん。今日はカンロ神様のことで、なにかご質問があったりしたのでしょうか?」

 

 教会の奥から、どんなご用件でしょうかと、聖職者のタメリックさんが聞きに来た。

 ちなみに、何故カンロ神様のことでと尋ねたかと言うと、カンロ神様の管轄となっているクラフトビール事業の責任者の1人に私が名を連ねているから。

 私としては関わる気はなく、カンロ神様と信者の皆様で勝手にしてくださいな程度に思っていたのですが。この事業の発起人で、なおかつクラフトビールを作る魔道具の製作者である私の名前がないのはおかしいということで、今もなお定期的に教会に来ては、カンロ神様と色々と会合をしたりしている。


 しかーし、今日はそのカンロ神様のことではない!

 私は、ビシッと、ベータちゃんの、ジビエ神様の加護とやらの影響が一目で分かるおっぱいを指差す。


「やんっ♡ マスターったら、大胆ですね♡」

「ちょっと黙ってて、ベータちゃん。話がややこしくなるから」


 タメリックさんは、最初こそポカンとした様子で状況を飲み込めていない様子だった。しかしすぐに、ベータちゃんの胸の膨らみを見て、私と同じ結論に達したのだろう。

 ----そう、ジビエ神の加護だと。


「まっ、まさか創造物(ベータちゃん)に神の加護が!?」



 ----ざわっ!!



 その瞬間、周囲の反応が変わった。その視線に込めらているのは、賞賛、そして嫉妬。

 当然である。ここは教会。神に仕える事を志す者達が集う場所。


 彼女達は、それぞれ己が信じる神はバラバラだろう。

 ある者は知識神であるコーギョク神を信仰し、またある者は武闘神のミリタリ神を信仰しているかもしれない。はたまた、治癒神のカンロ神様や魔術神ビルド神様を加えた五つの神全てを平等に信仰している者だって、中には居るかもしれない。

 信じる神は違えど、彼ら彼女らの目的としては、神からの信仰の証を得る事を目標にしているに違いない。神から神聖術をいただけたりするのは、それだけ彼らの想いが神へと届いたという証でもあるのだから。


 そんな中、生物ではない創造物(ゴーレム)であるベータちゃんが、神の加護を得た。

 素直に喜びたいという気持ちの、純粋な者も居る。それとは別に、どうしてゴーレムのベータちゃんが神から加護を得られるのかと、嫉妬する者も居る。


 分かっていた反応だが、居心地が悪い。

 なんだかベータちゃんを見せ物にされてる気分である。


 配信業をしている以上、顔や生活を切り売りして見せ物にしているという自覚はある。

 しかしながら、それとは別として、こう言う形で『見られる』というのは、出来ればやめて欲しいと、私はそう感じていた。




「……奥で話しましょうか。ちょうど、聖職者のクロブさんも居ますので」

「ご丁寧にどうも」


 顔に出ていたのか。それとも態度に出ていたのか。

 どちらなのか、それとも両方なのかは分からないが、タメリックさんは色々と察してくれたらしい。

 すぐさま、奥の部屋へと案内してくれた。


 ちょうど良かったところだ。これ以上、嫌な視線を向けるようならば、デルタちゃんとアレイスターと共に、この教会を破壊して、新たな施設へと作り替える所だった。

 

「(というか、クロブさんが居るのなら、話は早い)」


 私達と、豊穣神であるジビエ神。

 この2つを結びつけたのは、極北支部から来たという、ジビエ神の加護によって物凄いデカいおっぱいを披露していた、あのクロブさんである。

 彼女と話せば、この事態について、もっと詳しい事情が分かるに違いない。


「マスター、この胸で再戦(リベンジ)しますね!」

「何する気だよ、ベータちゃんってば」


 再戦もなにも、戦っていなかったでしょうに……。

 そんなやりとりをしつつ、私達は教会の奥へと入って行く。


 あっ、ちなみにさっきベータちゃんに嫉妬の視線どころか、恨みの視線を向けてた人。

 ベータちゃんの記憶……もとい、記録は後で何度でも検証確認できますので、しーっかりその顔を覚えておきますからね。楽しみにしといてください。

ススリア「陰湿ではありません。あくまで覚えておくだけです」


作者「それが一番怖いのよ」

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