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スローライフ配信をしてたら、相方のゴーレムがアップをはじめたようです  作者: アッキ@瓶の蓋。


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258/428

第258話 コ・ラホ領料理大会結果発表について配信



 ===== ===== ===== =====

 【コ・ラホ領料理大会 第1回戦・第2回戦上位者一覧】

 (1)ベータ・ススリア大好き   ー [1st]27点 [2nd]30点 → 57点

 (2)ザザード          ー [1st]29点 [2nd]27点 → 56点

 (3)トカリ・ブロッサム     ー [1st]28点 [2nd]27点 → 55点

 (4)トワノ・ニバンテ      ー [1st]25点 [2nd]29点 → 54点

 (5)ユウショ・ムリソー     ー [1st]28点 [2nd]23点 → 51点

  …… …… …… …… …… …… 

 ===== ===== ===== =====



「マスター! 無事、30点満点を取って、優勝しましたよ!」


 先程の第1回戦終了時での、絶望しきった様子のベータちゃんはどこへやら。

 今のベータちゃんはというと、瞳をキラキラと光り輝かせて、私に勝利の報告をしていたのであった。


「うん、それは良かったね」

「はい! マスターの仰る通り、お出しする順番を18番目にした甲斐がありました!」


 2回戦、ベータちゃんが『5種類の創作パン』を審査に出したのは、全20人中18人目。つまり、ほぼ終盤の辺り。

 他の優勝候補の人達が続々と審査されて行ったところで、満を持して、ベータちゃんが登場した。


 その時点での1位がザザードの56点。これを越えるためには、ベータちゃんは30点満点を出さないといけないために、3人の審査員が全員示し合わせて各人10点満点を出した事で、ベータちゃんが優勝したという訳だ。


「名誉トロフィーも貰っていたよね?」

「えぇ、バッチリと」


 指を2本立てて、分かりやすいVサインを見せて来るベータちゃん。その手には、先程ゼニスキー商会長が手渡した名誉トロフィーが渡されている。

 凝った装飾が施されたトロフィーなので、どこかにトロフィーケースを作らないといけないかな……。


「そう言えば、ザザードとトカリの2人は先に帰ったぞ」


 2人とも、ザザードは2位、トカリは3位と好成績だったんだけれども、この大会はコ・ラホ領という小さな領内でやっている料理大会。

 1位であるベータちゃんを表彰するだけで、2人には何も商品などは与えられていなかった。敢えて言えば、ゼニスキー商会長が色々と助言していたのが、この大会における2人への商品といったところでしょうか?


 まぁ、私は裏でこっそりと、ナカマモト名人と名刺にて交流を取っていた。今度、あとでナカマモト名人自慢の、"壊れにくい焼き物"というのを是非とも拝見しに伺いたい所である。


「2人にはあとで個別に、銀メダルと銅メダルでも作りますかね」


 2人とも、ベータちゃんが居なかったら、どちらかが優勝してもおかしくはなかった。それに、前世の知識を持つ私としては、1位~3位の人達にはそれぞれ『金メダル』、『銀メダル』、そして『銅メダル』と、3種類のメダルをそれぞれ渡したいと思うのだ。

 こんな地方の大会で活躍した記念としてね。


「マスター、そのメダルはこれと交換できますか?」


 真顔で、スッと名誉トロフィーを私へと差し出してくるベータちゃん。

 ……そんなのしなくても、普通にメダルを用意するから、そのトロフィーは別で飾って置いて。あくまでもメダルとセットでね。このベータちゃんの事だ、トロフィーをぞんざいに扱って、私からのメダルをめちゃくちゃ嬉しがる姿が今の段階から目に見えている。




「私の名はメキス。ベータちゃんの料理は流石でしたと褒めに来た、ただの錬金術師」

「あぁ、メキスさん。それにゼニスキーさんも」


 ベータちゃんとそんな事を話ながら外へ出ると、待ち構えていたのは審査員をしていた錬金術師のメキス、そしてゼニスキー商会長。


「優勝おめでとう。流石はススリアのゴーレム。伸びが違いますね」

「ありがとう、メキスさん。いやぁ~、ベータちゃんの頑張りには錬金術師(マスター)として、素直に嬉しい限りです」


 そんな事をメキスさんと言っていると、


「それより商談の話です」


 と、眼鏡をキランッと光らせながら、ゼニスキー商会長がそう言って来る。


「【サクサクベーカー】の件、ですか?」

「話が速くて、本当に助かります。あれはパン業界に革命を起こす魔道具です。是非とも、注文したいところですが……」


 注文したいと言っているのに、歯切れが悪いのは、ゼニスキー商会長自身もあの魔道具の欠点に気付いているからだろう。いや、欠点というか、仕様というか。


 そう、この【サクサクベーカー】はきちんと分量を量って入れないと、美味しいパン生地が出来ない。

 パン作りと言うのは時間に環境、そして分量計算と、とにかく徹底した管理が必要となって来る、とても繊細な作業だ。一日二日程度の、ザックリとした知識では作れない。

 この【サクサクベーカー】を使えば短時間で作れるようにはなるでしょうが、この魔道具はあくまでもパン作りの補助をする魔道具。パン生地に使う小麦粉や菌類の量、そして水分量をきちんと投入しないと、美味しいパン生地は出来ないのである。


 だからこそ、私はこの【サクサクベーカー】を配信では紹介していない。

 注文したところで、この【サクサクベーカー】を使いこなせる者ばかりでないことは分かり切っているから。商売として、パン作りをしているゼニスキー商会長も、パン作りの難しさを分かってるからこそ、注文を一歩踏みとどまったという訳だろう。


「この魔道具については、後ほど配信にてお話しましょう」

「えぇ、じっくりと。よろしくお願いしますね、ススリアさん」


 こちらこそと、ゼニスキー商会長と話し合い、メキスさんと分かれ、私はイスウッドの帰路につくのであった。




 ----翌日。


「マスター、大変です! 私の胸が膨らんでいます!」


 胸の中に、酵母菌でも入れたのかな……?

という訳で、次回のお話から

ベータちゃん膨乳事件編を紹介したいと思いまーす!!

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