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スローライフ配信をしてたら、相方のゴーレムがアップをはじめたようです  作者: アッキ@瓶の蓋。


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255/430

第255話 トマトのメインで何作ろうか? 配信

 ~~ザザード~~


「それでは、各人健闘を祈ります! 期待します! 応援します!

 コ・ラホ領料理大会、スタートです、よぉ!」


 司会役の女性が開始の合図をすると共に、(ザザード)は調理を始める事となったのである。




「(俺が誘った以上、お粗末な結果を見せる訳にはいかないよな)」


 そう、このコ・ラホ領の料理大会に、ベータちゃんを誘うのを提案したのは俺だった。

 トカリが料理できることを知った俺が、この料理大会を見つけ、どうせだったら大会を盛り上げようと、ベータちゃんを誘ったのがきっかけだ。

 最初は軽いノリ程度だったが、俺が誘った以上、勝つ負ける以前に、勝負にならないというのは避けたいところだ。


 とりあえずササっと調理器具を揃えながら、第1回戦のお題である『持ち込み食材を活かした創作メイン料理』を考える。


「(さて、この砂漠トマトをどう活かそう)」


 この砂漠トマトは、俺が軍事演習した際に見つけた、物凄く甘いトマトだ。

 野菜ってのは水がないと生きていけないと勝手に思い込んでいたが、どうやら思った以上に、野菜ってのは丈夫らしい。その上、水の量を少なくすると、甘さが増すみたいだ。


 トマトをメインとした料理と言うと、トマトスープとしておなじみの"ミネストローネ"、卵を使った"炒め物"、トマトソースで煮込んだ"ハンバーグ"などがある。

 それだったら材料を吟味すればすぐに作れそうだが、今回俺が作らなくちゃならないのは、"創作メイン料理"だ。


 トマトの定番料理を出しても、この大会では勝てない。

 なら俺がすべきことは、いつもとは違うチャレンジ精神って奴だ。


 トマトを使った料理でやったことがない事に、チャレンジしてみようと思う。

 今日は大会、だったら挑戦しなくちゃ面白くはない。


「よし、それじゃあ揚げて見るか」


 調理方法が決まった俺は、早速調理を開始する。


 まずは、砂漠トマトを四等分。この時、ヘタとお尻を切って、バランスを整えておこう。

 うむっ、やはりこの砂漠トマトは果肉が良い感じになっていて、凄く美味しそうだ。


 そしてトマトとトマトの間に、彩りとして緑色が特徴の葉野菜であるスポンジ葉を入れておく。

 このスポンジ葉は油を良く吸う性質を持っており、味は油を吸ってすっごくジャンキーで美味しいのだが、その代わり吸った油をヘルシーな無害物質に変える効果がある。油で揚げるなら、このスポンジ葉は入れておくべきだろう。


 トマトとスポンジ葉だけでは流石に美味しくないので、間にチーズも挟んで置こう。

 前に、ベータちゃんの料理配信で、"チーズバーガー"というのがあり、チーズとお肉、そして野菜の相性の良さを教えて貰ったからな。その知識は存分に活かさせてもらおうじゃないか。

 

 トマト、スポンジ葉、チーズ、スポンジ葉、トマト。

 トマトの間にスポンジ葉とチーズを挟んでバーガー状にした俺は、それを油で揚げると膨らむぷっくりポークで包む。薄切りにする事で包みやすくした訳だ。


「……うむ、なかなか斬新な見た目になったな。これ」


 これを言葉で表現するとすれば、蜘蛛が獲物をグルグル巻きにして動けなくした状態に似ている。

 正直な話、作った俺本人ですらあまり美味しそうな見た目ではないが、俺の計算上、美味しさという面では大丈夫なはず……。


 あとは卵や小麦粉をつけて、カラっと揚げて、そして断面が見えるように切れば……


「おぉっ、良い感じに出来てるな!」


 俺の目に映し出されたのは、トマトとスポンジ葉が良い感じに綺麗な断面。

 この断面は、食欲を誘う良い感じだぞ!


「良し! 完成だ!」


 名付けて、【トマトカツ】! トマトと油の競演により、新しい味を目指した、俺混信の創作メイン料理である!

 見ると、他の出場者も続々と出来ているようだけれども、俺のこのトマトカツを脅かしそうな料理は見えなかった。


 俺は、審査する皆の列に並びながら、そう言えばベータちゃんはどういう料理を作っているのかを確認しようとして----


「嘘、でしょ……」


 そうして俺は、ベータちゃんの作った創作メイン料理の中に、"銀河"を見た。


「ベータちゃん渾身の創作メイン料理----テーマは【宇宙】です」


 それは、黒い皿の上に、アポロン小麦と数種類の野菜を使って表現された銀河。

 夜、空を見上げると映し出される銀河の星々そのものであった。


「マジかよ……」


 俺も自信があったんだが、あれに比べてしまうと勝てる気がしない。

 見た目のインパクトさは勿論完敗なうえに、審査員の反応(リアクション)から見ても、かなりの高評価みたいである。


「……だが、逃げる訳にはいかないよな」


 ここで逃げるのは簡単だ。負けを認めて出す料理なんて、出される俺のトマトカツも可愛そうだ。

 しかしながら、ここで逃げるのも、それはそれでカッコ悪い。


「大丈夫だ、まだメイン食材を活かしたという点では勝つ見込みがある」


 俺はトマト、そしてベータちゃんは小麦粉。

 どちらが食材を活かした料理を作ったかと言われれば、まだ俺にも勝利するポイントがある。


「よし、行くか!」


 俺はそう言って、俺渾身の創作メイン料理であるトマトカツを、審査員に振舞ったのであった。

実際、トマトというのは、

水分が少ないほど甘みが増すので、出来る限り最低限の水分で育てると甘くなりますが

少なすぎると、枯れるので見極めが難しいですね


あと、トマトカツは本当にある料理ですよー

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