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スローライフ配信をしてたら、相方のゴーレムがアップをはじめたようです  作者: アッキ@瓶の蓋。


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第248話 ベータちゃんの本気についての配信(1)

 ~~アレイスター~~


 その日、うちはベータちゃんに呼ばれて、ある一室に集められていました。

 その部屋は普段はデルタちゃんが狩って来た素材を置いていく、倉庫のような部屋であった。うちも時折、デルタちゃんと一緒にこの部屋へと入った事もある部屋。


 しかし、その部屋にはいま素材は一つもなく、大きなテーブルが置かれていた。


 そして、そのテーブルには、私を始めとした【アルファ・ゴーレムサポートシステム】を搭載されたゴーレムが配置されていた。




 ----ベータちゃん、もとい『家事特化型アルファ・ゴーレムサポートシステム搭載型ゴーレム・ナンバーβ』。

 この部屋へと呼び寄せた、家事が得意なゴーレム。


 ----蠍座(アンタレス)のデルタちゃん、もとい『武芸特化型アルファ・ゴーレムサポートシステム搭載型ゴーレム・ナンバー大火Δ』。

 マスター・ススリアに改造された、武芸特化のゴーレム。


 ----ガンマちゃん、もとい『編集作業特化型アルファ・ゴーレムサポートシステム搭載型ゴーレム・ナンバーγ』。

 配信映像の編集を担当する、ススリアを『巨匠』と呼ぶゴーレム。


 ----そして(アレイスター)、もとい『魔物融合型アルファ・ゴーレムサポートシステム連携型ゴーレム・モード龍種』である。




 部屋の中には、私を始めとした、マスター・ススリアが製造した4人のゴーレムが集まっていた。


「(なんか、変な空気が漂っていますね)」


 4人が集まった、部屋の中。

 そこにはどんよりとした空気が、部屋中に漂っていた。


 いつもは軽口を叩くガンマちゃんが、ビクビクと震えながら頭を下げて小さく丸まっていた。

 無口で冷静なデルタちゃんも、しきりに何か呟いている。


「許して許して許して許して許して許して許して許して許して許して許して許して許して許して許して許して許して許して許して許して許して許して許して許して許して許して許して-----」

「うわっ、怖いッス?!」


 無口なはずのデルタちゃんが、めちゃくちゃ震えながら呟いていた。


「(何が始まるというのですか、今から……)」


 ゴクリっと唾を飲み込む、うち。

 



 不穏な雰囲気が漂う中----ベータちゃんが、口を開く。




「----皆の者、傾聴せよ」

「「「----っ!!!!」」」


 その言葉は、静かで、厳かで、そして頭に直接入り込むような音であった。

 いつもの家庭用の穏やかな性格なゴーレムであるベータちゃんが発したとは思えないほど、王様のように荘厳な声であった。


 それは、いつものベータちゃんではなかった。

 

「(よく見れば、なんか瞳も違う気がします)」


 ベータちゃんの瞳は藍色に光り輝いており、その瞳の中には【β】という光り輝く文字が浮かんでいるようにも見えた。


「ベータちゃんの、裏奥義……」

「裏奥義……って、なんッスか?」


 なんか意味深めいた感じで、ガンマちゃんが呟いていたので、どういう事なんだろうと聞いてみると、こそっと、ガンマちゃんは念話配信で知らせて来た。

 ちなみに念話配信とは、特定の人物のみを対象とした、機密性の高い極秘の配信。主に内緒話とかに使うものである。



『ベータちゃんは、巨匠が作った、最初の【アルファ・ゴーレムサポートシステム】搭載型ゴーレム。つまりは、【アルファ・ゴーレムサポートシステム】が初めて搭載されたゴーレムとも言える。そんな彼女には、秘密のバックドアが存在するのです』

『バックドア……?』

『えぇ。あれはベータちゃんが【アルファ・ゴーレムサポートシステム】を乗っ取った形態。本来、特化型として分配されている全ての機能を、ベータちゃんが全て取り込んでいる状態とも言えます』


 それって、今のベータちゃんは、デルタちゃんのような超強力な武芸、それにガンマちゃんのような卓越した演算処理能力。さらにはうちの魔法も、使えるようになっているという事?!

 なにそれ、反則級(チート)じゃないですか!


 それは確かに恐ろしいですよ! 私達ゴーレムはただでさえ、それぞれの分野での高い能力を発揮しているのに、その全ての能力が使えるだなんて!


『普段は巨匠の顔を立てるため、"家事特化型"という、当初のパッケージ通りの性能を発揮しているベータちゃんが、あのような姿になったのを見るのは……実に久しぶりの事で、おっかないです……』


 ぶるるっ、と震えるガンマちゃん。

 おっかないと思って震えているようですが、うちには分かります。



 ----「その会話も聞こえているぞ?」と言わんばかりに、こちらを睨みつけるベータちゃんの視線が。



「今回、君達を呼び寄せたのは他でもない。

 敬愛する我らがマスターのためだ。力を貸したまえ」


 ベータちゃんのその言葉に、私達は誰も拒否権はなく、ただ従うしかありませんでした。




(※)バックドア使用型ベータちゃん

 ベータちゃんが強制コマンドを用いて、【アルファ・ゴーレムサポートシステム】に働きかけた結果発動した姿。主にマスターのために全力を尽くす際に発揮され、使用中は瞳の色が藍色になり、【β】という光り輝く文字も瞳の中に浮かび上がる

 【アルファ・ゴーレムサポートシステム】の中に収集されている各データを、一括でベータちゃんが使えるようにする奥の手。この機能を使う事で、ベータちゃんは他のゴーレムが特化型として使える機能を全て同時に使う事が出来るようになる

 ちなみにススリアはこの機能を追加しておらず、ベータちゃんがアルファと交渉したり騙したりしたりと、色々とやった結果得た力である。普段はススリアの顔を潰さないよう、この機能は使っていないが、使用に制限などは特にない

ベータちゃんって、最初期のゴーレムなので

色々と他のゴーレムにはない機能もあるという訳です

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