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スローライフ配信をしてたら、相方のゴーレムがアップをはじめたようです  作者: アッキ@瓶の蓋。


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240/425

第240話 ハンドラ商会の顛末について配信

 ハンドラ商会との対決----もとい、魔王ユギーの五本槍の1人、狩猟のドン・デーロによるシュンカトウ共和国の国家転覆未遂事件。

 これは、そんな国家転覆未遂事件に対する顛末についてである。



 ハンドラ商会は、取り潰しとなった。

 これは国家転覆未遂事件の責任を取ったからという訳ではなく、ハンドラ商会の方針を決めていた重要な役割を果たす人、すなわちシベリア・ハンドラ会長が亡くなった事が大きいという。


 それと、ハンドラ商会に勤めていた従業員達は、狩猟のドン・デーロによって理性を破壊する催眠がかけられている事が判明した。

 いまの従業員達は、扇動に非常に乗りやすいカモに成り下がっており、シュンカトウ共和国の盟主であるパファーは、「ハンドラ商会の優秀な従業員から、催眠を解き、優秀な従業員に戻して欲しい」との命令を受けて、現在は病院での治療を受けているんだとか。


 特に、その催眠が濃密にかけられているのは、ハンドラ商会を支える3人。


 仕入れ担当の魚人族、エアクラフ・ハンドラ本部長。

 開発担当のエルフ、ハイブリ・ハンドラ本部長。

 シベリア会長の右腕たるアマゾネス、ソラ・ハンドラ副会長。


 この3人に関しての治療は、ハンドラ商会の2人が引き受けた。

 唯一、催眠の影響が薄かった人材担当の獣人、ディゼル・ハンドラ監査役。そして、ディゼルが勧誘(スカウト)した魔女スタダム。

 この2人が引き受け、彼らは治療のため、シュンカトウ共和国の商売(あきない)から一歩退いた。



 その後、ハンドラ商会という、ドラスト商会に匹敵する大規模商会が抜けた穴を奪い取ろうと、多くの商会が名乗りを上げた。

 100を超える商会が名乗りを上げ、シュンカトウ共和国は、大規模な商売戦争が幕を開けたのだが、今はそんな事はどうでも良いだろう。



 ----問題があるとしたら、こっちだ。



「「「「イプシロンちゃん! どうか、我々、新・ハンドラ商会の会長となってください!」」」」

「……ススリア船長、どうしましょう」


 あの事件から、およそ1か月。

 季節は夏真っ盛りという事で、そろそろかき氷だの、すいか割りだのといった、前世の夏の定番行事を配信でお送りしようとしていた所、突如として、元ハンドラ商会の面々が、うちへとやって来た。

 そして、着くや否や、イプシロンを、新しく作るハンドラ商会の会長にしようと考えているらしい。


「あの時、我々を導いた事! 私どもは忘れていません!」

「えぇ、えぇ! あの時の感動が、インスピレーションが、頭から離れないんです!」

「……どうか、頼みたい」


 エアクラフ、ハイブリ、そしてソラ。


「私からもお願いします。我々には、新しいトップが必要なんです」

魔女(わたし)はまぁ……一応、この人たちの付き添いで」


 ディゼル、そしてただの付き添いであるスタダム。


「「「「「お願いしますっ!」」」」」


 元ハンドラ商会の従業員----およそ100人。



 かなりの大所帯による、イプシロンちゃんの引き抜き案件である。



「イプシロンちゃん、あのアマーイサモーン。やっぱり脳になにか影響を与えるんじゃ?」

「そんな事はないですよ、ススリア船長! あのアマーイサモーンはいま、うちの大人気ブランドじゃないですか!」


 いや、確かにアマーイサモーンは、イプシロンちゃんの養殖業での一番のヒットブランドと言っても良いくらい売れている。

 甘い味のお魚というのが、前世の知識的には何か違和感があって受け入れられない私だが、この世界の人達にとってはあの味はかなり病みつきらしく、スコティッシュさんから、毎月大量のアマーイサモーンの納品を頼まれている。

 今イプシロンちゃんの養殖場は、アマーイサモーンの養殖場が8割。次のヒットブランドを作るための新作を作るための養殖場が2割というくらいに、アマーイサモーンは主力となっている。


「けど、イプシロンちゃん。絶対、会長職なんて引き受けちゃダメだよ」

「勿論ですよ! あの時はアマーイサモーンを売るためだけに、扇動していただけですので!」


 思えば、あのハンドラ商会との対決の際、イプシロンちゃんの行動は、一貫してアマーイサモーンを売り込むという事だけに尽力していたと言っても良い。

 イプシロンちゃんは私が作った養殖"専門"のゴーレム。商売の知識は、魚の養殖用に少しだけ入れているだけで、彼女に商会の運営なんてとてもじゃないが出来ない。


 でも、いつまでも家の前に陣取られてもなぁ……。

 ちなみに、この100名以上を越えるイプシロンちゃんの引き抜きのお願い、今日で7日目である。

 毎日毎日、朝にお願い、昼にもお願い、そして夜にもお願いと、三食ならぬ三お願いをする彼女達の熱心さを、なんとかしないと、まともな生活を送れそうにない。



「よし、イプシロンちゃん。こうなれば、例の作戦で行くぞ」

「あれをやるんですね、ススリア船長」


 そう、10日前から、いざとなれば使おうと思っていた例の作戦----これを使って、彼らのお願いを、対処していきたいと思いますよ。

アマーイサモーン、大ヒット発売中!!


たぶん、異世界であるこちらの世界は、

この地球よりも甘味とか少ないので、大ヒットになりますよー

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