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スローライフ配信をしてたら、相方のゴーレムがアップをはじめたようです  作者: アッキ@瓶の蓋。


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第230話 ススリアとソラ【決戦の大格闘配信】(3)



「----行くぞ、蛇型魔道具【純粋すぎる影蛇】!」



 私はそう言って、イプシロンちゃんから拝借した蛇型魔道具【純粋すぎる影蛇】を発動する。

 ピカッと、【純粋すぎる影蛇】の瞳が光り輝いたかと思うと、そんな蛇魔道具の身体に私は【オーラ】を注ぎ込む。注ぎ込むと共に、蛇の身体がごぉごぉっと、赤く光り輝いていった。


「おりゃあ!」


 ごぉごぉっと赤く光り輝く【純粋すぎる影蛇】を、私は振るう。鞭のような魔道具である【純粋すぎる影蛇】が、くるっと、生き物のように動いてソラの方へと向かって行った。


「……っ?!」


 迫って来る魔法魔道具【純粋すぎる影蛇】を見て、ソラは避けていた。先程まで私の蹴りなどを普通に受け止めていたのに……、どうやらこの【純粋すぎる影蛇】のヤバさを感じたみたいだね。


「その対応は正解だよ、ソラ・ハンドラ。【純粋すぎる影蛇】を受けていたら、私の勝ちだったと思うよ」




 ----蛇型魔道具【純粋すぎる影蛇】。

 これは成長する武器型魔道具である。魔力を溜める事でどんどん自ら自我を持って成長していくという魔道具であり、今は魔力ではなく【オーラ】をこの【純粋すぎる影蛇】の中に詰め込んでいる。


 いうなれば、いまの【純粋すぎる影蛇】は、手に持つ武器の形となったデルタちゃん。武力の塊となったこの蛇型魔道具は、破壊力もすさまじく、当てればすぐにソラに大ダメージを与え、私の勝利は確実だったのに。


「なかなか上手く行かないなぁ~」

『おぅ、旦那! 今度は外しませんぜぇ! おいらに任してくれよな!』


 ……うん、自我を持ち始めちゃったよ、【純粋すぎる影蛇】ちゃん。

 なんか江戸っ子っぽいというか、どことなく弟分っぽいキャラな気がする。


「うん、また頼むよ」


 私はそう言って、リセットボタンを押して、【オーラ】、そして【純粋すぎる影蛇】に宿っていた江戸っ子っぽい自我意識を消す。

 その様子を見て、ソラは「無慈悲ですね」と告げた。


「あなたのために頑張ろうとしていたのに、そんな魔道具の意識を躊躇(ちゅうちょ)なく消すとは……」

「勘違いしないで欲しいんだけど、私は協力的だろうと、非協力的だろうと、使った後に綺麗に片付けるタイプなんだ」


 そう、掃除機をかけ終えた後に、ゴミ袋に入っている埃などを量なんて関係なく捨てるのと同じようにね。というか、この【純粋すぎる影蛇】は元々、そういう魔道具だ。


 私が作って使っているデルタちゃんやガンマちゃんなどのゴーレムは、全て【アルファ・ゴーレムサポートシステム】を使っている。このシステムを利用する事で、余分な動作をこのシステム内に保管しているのだ。

 そして【純粋すぎる影蛇】には、その【アルファ・ゴーレムサポートシステム】は対応していない。つまりは世間一般に広がるゴーレムのように、そんなに大した機能は出来ないという事。


「武器の性能を落として勝てるなら、喜んであの意識を残すんですけど、ねっ!」


 私はそう言って、新たな【オーラ】を補充した【純粋すぎる影蛇】を振るう。

 ソラも今度も避けようとするが、その際に彼女の膝に当たって、かすり傷を負わせていた。


「(いや、"かすり傷を負わせた"というより、"かすり傷で済ませた"というべきか)」


 【純粋すぎる影蛇】の中に込めた【オーラ】を吐き出しつつ、私は彼女の行動を観察していた。

 彼女の行動は速かったが、それでも一点に集中する形であれば、私だってどのような動きをしていたのかは見る事が出来る。


 いまさっき、私が振るった【純粋すぎる影蛇】という鞭は、ソラの膝に当たり、そのまま上半身にぶつかる所だった。そんなタイミングにて、【純粋すぎる影蛇】が膝に当たった直後に、それ以上の傷にならないようにと、ソラが身体を変えて避けていた。


「(【純粋すぎる影蛇】が通じる事は判明した。しかしながら、相手の動きが思った以上に速すぎる)」


 彼女の身体に傷をつけるという形で触れたと思っていたら、その次の瞬間には、それ以上傷が広がらないように身体を動かしている。


 ただでさえ、アマゾネスに由来するであろう、硬い筋肉の鎧を身に纏っているというのに……。

 攻撃を通さない防御力だけではなく、攻撃の被害を最小限に抑える瞬発的な速さをも兼ね備えているとは、恐れ入った。


「さぁ、どう攻略して行こうか」


 私がそう言うか言わないかという、そういうタイミングにて、私の目の前に、ソラの身体があった。


「いつの間に……?!」

「----殴るっ」


 ソラはそう言って、私に向かって拳を突き出す。殴られると思った私は、即座に腕を前で交差させて、盾のように防ぐ。




 ----がんっっっ!! ぼきっっ!!




 両腕による防御姿勢によって、ソラの殴りを防ぐ事は出来た。

 だがしかし、全てを防いだわけではなく、防ごうとした両腕はじりじりぃっと赤く()れており、なにより骨が折れたような音も聞こえて来ていた。


「なるほど。防ぐのは得策ではなさそうだな」


 さて、防ぐのもダメとなると、どうするべきか悩みどころである。

 私はじりじりっと痛む両腕の痛みと戦いながら、次はどうしようかと考えるのであった。

防いでもダメージが出るとは……もう強すぎでしょう? これ?

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