表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
スローライフ配信をしてたら、相方のゴーレムがアップをはじめたようです  作者: アッキ@瓶の蓋。


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

227/425

第227話 ロボットをやっつけろ【合戦勝負配信】(3)

 ~~傭兵ヒルアンド~~


「カワイイ! 頭が良い! 仕事熱心! 本部長という役職付きなのも凄い!」


「いきなり褒めて来て、なんのつもりだ……?」


 目の前でいきなり行われた、ティトゥによる不可解な褒め行為。どうしてだろうと、言われたハンドラ自身も、そして俺達も困惑する。

 困惑していると、俺達の雇い主であるスコティッシュさんが、俺に尋ねて来た。




「……なぁ、あの獣人は突拍子のない行動をするのが日常(デフォルト)なのか、ニャア? いままでそう言った報告は受けていない、ニャアが」

「いえ、俺も彼女と何度か仕事を共にしてますが、初めて見る行動です」


 雇い主には嘘は吐けない。だから、きちんとそう報告させてもらう。

 いくらティトゥが可愛いとは言え、きちんとした報告をして信用を得る事は、傭兵ギルドとして大切な事だから。


「ただ、普段は彼女は戦闘ではなく、店舗スタッフとして働いています。今回が戦闘初と言っても良いでしょう。少なくとも普段はああいう行動をするような事はありません」

「なるほど……初の実戦投入で、気分が高揚した可能性もある、ニャアね」


 一応フォローはしておいた。だが、俺が出来るのはここまでだ。


「(だから、ティトゥ。あとで、ちゃんとした報告(いいわけ)しろよな)」


 そう思って見ていたのだが----


「「「あれ……?」」」


 俺、スコティッシュさん、そして敵であるハイブリもまた、彼女の行動に違和感を感じた。




 ……当たら(・・・)ないのだ(・・・・)




 いくら、ティトゥが猫の獣人族で、身体能力がそこそこあるとは言っても、元々は商人志望のただの少女。そんな少女が、勢いよく攻撃してくるハイブリのロボットの攻撃を全て、避けきっていたのだ。しかも、攻撃がどこに来るのが分かっているかのような、最低限の足さばきで。


「あいつ、こんなに動けたのか……? 戦闘なんてほぼしたことがないはずなのに……」

「凄い、ニャア! なるほど、さっきの褒めは、この足さばきを得るための呪文みたいなモノだったのか、ニャア!」

「わっ、分かりませんが、多分そうじゃないかと」


 本来、"多分そうじゃないか"などという、酷く曖昧(あいまい)な態度は、認められない事は知っている。しかしながら、思わずそう言ってしまうくらいに、ティトゥの動きに俺自身も驚いていた。


「きぃぃぃぃ! こんなのちっともスマートじゃない! それなら、この戦法はどうだっ!」


 巨大人型兵器の操縦席の上で、髪の毛をかいてイラつきを表現していたハイブリ。そして彼女は、イラつきながらそう言うと、ポチッと何かのボタンを押す。


 すると、操縦席を覆うようにドーム状のバリアが覆う。そして、巨大人型兵器がドロッとした液体状に変わったかと思うと、そのまま地面の中へと吸い込まれていった。


「液状化するスイッチか?!」


 これは、厄介な攻撃だ。

 地面の中に潜り込まれたという事は、どこから出るのか全く分からないということだ。


 熟練した武芸者ならともかく、この場で残っているのは、俺とスコティッシュさん、そしてティトゥの3人だけ。他の皆は帽子を取られ、失格となっている。

 俺はこの中だと、多少は武芸の心得があるが、それは他の人に比べると多少って程度だ。この事態を解決できるほどの、圧倒的な武芸の才能と言うのは俺にはない。

 

「(どうやって攻めて来る? 地面に染み込んだからと言って、素直に地面から出てくるという訳ではないだろう)」


 この【競争会場】という空間がどういう仕様なのかは全く分からないが、地面に潜ってから、天井へと伝って上から落ちてくるという可能性もある。なんなら、壁から出てくるという可能性もある。

 問題は、この高級解毒ポーションを投げ入れようにも、どこに投げたら良いか姿を見失い、さらには上から攻撃できないようにバリアを張られてしまったことだ。


「(あのバリアをずっと、張り続けられるなら困ったぞ。俺達の勝ち筋は、この高級解毒ポーションを当てる事だけなのに……)」



「心配ないですよ、ヒルさん!」



 俺が落ち込んだのを察したのか、そう大きな声で宣言するティトゥ。そして彼女は、先程までの避けっぷりが嘘なんじゃないかというくらい、ごくごく平凡な身体能力でこちらへと走って来ると、そのまま俺から高級解毒ポーションを持ってくると、


「----えぇいっ!」


 ぽーいっと、なにもない地面へと投げ入れた。

 ぱりーんっと、割れる高級解毒ポーションの瓶。中身は飛び散って、そして----



 そのポーションの液体が飛び散った地面の下から、巨大人型兵器のバリアが現れた。



 そう、バリアに付着した解毒ポーションは、彼女がバリアを解こうと開けたその時、


 ----びちゃああ!!


「うわっ?! かっ、身体がっ?! せっかく貯めた毒が、消えて行くぅぅぅぅうぅ!!」



 そうして、解毒ポーションを頭から被ったハイブリは、巨大人型兵器の行動を続ける事が出来ず、そのまま操縦席でぐったりしていた。

 そんなぐったりしているハイブリの頭から、帽子を奪い、俺は陣地へと持って行き----



 こうして、俺達ハンドラ商会側の勝利で、2回戦は終了したのであった。




 ===== ===== ===== ===== ===== =====

 【競争会場(バトルフィールド)】第2回戦 種目;合戦勝負

 勝者代表;ドラスト商会選手 スコティッシュ

 勝者;ドラスト商会選手 ヒルアンド ティトゥ

 敗者;ハンドラ商会選手 ハイブリ・ハンドラ


 この対戦結果により ハイブリ・ハンドラは これ以降の勝負には 参加できなくなります

 また 敗北したペナルティーにより ハイブリ・ハンドラにとって一番大事なモノ 【毒耐性(EX)】が  ドラスト商会代表のスコティッシュの所有物として 与えられます

 ===== ===== ===== ===== ===== =====

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
↓途中でも『ご感想』『こうなったら面白そう』『こんなキャラどう?』という発想、また『フォロー&☆評価』お待ちしております!

カクヨム版(最新話更新中)!! 是非、ご覧ください!!
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ