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スローライフ配信をしてたら、相方のゴーレムがアップをはじめたようです  作者: アッキ@瓶の蓋。


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224/430

第224話 ロボットをやっつけろ【合戦勝負配信】(1)

 ~~傭兵ヒルアンド~~


 魔法魔道具【競争会場(バトルフィールド)】、第2回戦。

 雇い主であるシガラキ代表に戦うように頼まれたら、傭兵である俺達からしてみれば戦うしかないだろう。そしてスコティッシュさんと共に戦う、ハンドラ商会開発担当本部長である紫髪エルフの、ハイブリ・ハンドラとの戦いが始まった。


「来いっ! 魔法魔道具【パワーアーマー】!」


 懐から人形のような何かを取り出したハイブリ。その人形を彼女が空へと掲げると共に、いきなり人形は巨大化し、人1人が悠々と入れる巨大人型兵器が現れた。

 その巨大人型兵器----ロボットに、ハイブリは乗り込み、ガシッとこちらに手を向けていた。


「デカっ……!?」

「これ、武器?!」


 俺の他にも、俺と共に戦う傭兵。さらにはスコティッシュさんも、巨大人型兵器に乗り込んだハイブリを見ていた。


「ふふっ! 頭脳面を長所としてあげた私に対して、戦闘をメインとした戦いを提案される事は目に見えていました! 故に、だからこそ、魔女スタダムによってこの魔法魔道具【パワーアーマー】を作っておいたんです! この武器で、お前たちを蹂躙(じゅうりん)して見せましょう!」


 ハイブリはボタンを押して、ガチャンガチャンっとこちらに向かって来る。

 このままじゃあ帽子を取られる以前に、踏み潰されて倒されてしまう! 早く逃げなければならないと思って、俺達は逃げながらハイブリを倒す方法を考える。


「……【パワーアーマー】か。まさか、あの魔法があんなロボットになるとは」

「そこの傭兵! 【パワーアーマー】について説明する、ニャア!」


 俺のぼそっと言った言葉を聞き逃さなかったスコティッシュさんに、そう説明しろと大声で言われて、俺は大きな声で言う。


「【パワーアーマー】ってのは、身体全体を多少強化する魔法です! 身体能力を1.1倍くらいにする軽い強化程度の魔法なのですが、その分、効果時間はめちゃくちゃ長いっていう!

 一応、身体能力をめちゃくちゃ上げると、効果時間はめちゃくちゃ短くなるがな!」


 だからこそ、俺はあの【パワーアーマー】を魔道具化したのが、あんな巨大人型兵器になるのが分からない。


「なるほど、ニャア! でも、あれは明らかに軽い強化程度で終わってる感じがしない、ニャア!」

「それだったら、身体能力をめちゃくちゃ高くしている代わりに、効果時間が短くしている可能性があるという事もあるか!」

「それだったら逃げ続けていれば、勝てるかも知れんな! やるな、ヒル!」


 という訳で、俺の話から、あの巨大人型兵器がすぐに時間が切れると想定して、逃げに徹する事にした。


「(しかし、そんな簡単な話になるだろうか?)」


 こんな逃げに徹するだけで倒せるのは、俺の傭兵心がおかしいと(ささや)いていた。


「ヒルさん!」

「ティトゥ!」


 おかしいと感じていると、ティトゥが話しかけて来た。


「あのロボット、時間切れで倒せると思います?」


 ティトゥが指差す先では、逃げ切れなくて、ハイブリが乗った巨大人型兵器が、逃げ切れない傭兵が倒されていた。


「……俺としては、無理だと思うな」


 もし、あれが【パワーアーマー】通りだとすれば、あの強化率だとどう考えてもすぐに時間切れになりそうなのだ。それなのに、上に乗っているハイブリが焦っている様子がないというのが、俺にはどうも違和感に思えていた。


 普通、短時間でしか稼働できないモノを使うのなら、もっと焦るのが普通なんじゃないかなと思う。

 しかし、ハイブリの様子から考えて、そう言う感じは全くない。


「ヒルさん、他に身体能力を強化する魔法ってないんですか?」

「なるほど。【パワーアーマー】ではない魔法を使っている可能性か」


 確かに、【パワーアーマー】と言っていたのは、敵であるハイブリ・ハンドラ。

 その言葉が嘘で、本当は別の魔法を使って作られたモノである可能性も考えるべきだろう。


「(しかし、だとしたらなんだ?)」


 身体能力を強化する魔法は、めちゃくちゃ多い。火属性の【ファイアーアップ】【ヒートボディ】だの、土属性の【メタルアーマー】【ゴーレムアシスト】だの、それこそ身体能力を強化する魔法は各属性に1個、いや10個や20個以上あるのだ。

 だから、咄嗟にどの魔法かって言われると、咄嗟には出てこない。



「……ん?」


 

 と、そこで俺は、ハイブリ・ハンドラの様子を見て、ある変化に気付いた。

 彼女の顔からは焦りの表情は見えていない。しかし、彼女の顔を観察していて、ある変化に気付いていた。


 ----髪が白く(・・)なっていた。


 彼女の髪は、最初、特徴的な紫髪であった。

 しかし今は、髪の下の方がうっすらと白くなっていたのである。


 もしあの紫色の髪が地毛ではなく、例えば毒に浸していたとしたら----


「----【ポイズンビルド】」


 俺の言葉に、ピクっとわかりやすく反応するハイブリ。

 なるほど、本当の魔法はそっちか。


 【ポイズンビルド】は、毒状態を前提とした強化魔法。自らの身体を侵している毒を消費する事で、身体能力を強化するという、解毒と身体強化の両方を兼ね備えた魔法だ。

 あの髪が全て毒で侵されたモノと考え、髪の先が白くなっているのを考慮すると、稼働時間は----


「----ヤバいな、20時間くらいは余裕そうだ」


 俺の言葉に、それを聞いていた他の仲間達は「嘘だろ」と、そういう声をあげるのであった。

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