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スローライフ配信をしてたら、相方のゴーレムがアップをはじめたようです  作者: アッキ@瓶の蓋。


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223/426

第223話 邪推する2回戦裏【合戦勝負配信】

 ----ハンドラ商会との第2回戦。

 戦う相手は、ハンドラ商会の開発担当本部長の紫髪エルフ、ハイブリ・ハンドラ。

 

 見た目と肩書きからして、知識方面に自信大ありな彼女。クイズなどの知識を問う戦いでは不利だと感じたドラスト商会側は、こちら側が勝負の内容を決められるということで、合戦勝負を希望した。


 合戦勝負のルールを説明すると、複数人同士の対決を前提としたチーム戦である。

 勝負する競技者は、頭の上に帽子を被り、その帽子を取られて、相手陣地に置かれると負けになる。いわゆる、騎馬戦の発展形と言ったら分かりやすいでしょう。

 帽子を取られてもその帽子が相手陣地に運ばれる前に取り返せば、そのまま試合に出ても良い。また、帽子を取られても、味方の帽子であれば被る事で試合に出る事も出来る。

 要は、相手の帽子を奪って、相手をリタイアさせるという試合方式だ。


 これは確実に、ドラスト商会有利だろう。

 なにせ、相手側の選手はハイブリただ1人、対してこちらはスコティッシュさんと傭兵10人を含めた11人。相手のハイブリは帽子を取られたらほぼ敗北確定なのに対して、こちらは誰か1人でも帽子を取れば良いだけ。


「明らかにこちらが有利と言えるな」

「マスター・ススリア、少しよろしいッスか?」


 これはこちらの勝利は確実かなと思って見ていたら、アレイスターに呼び止められた。その後ろにはシガラキ代表、それにまだ戦っていないハンドラ商会所属の人材担当監査役ディゼル・ハンドラの姿があった。

 シガラキ代表とならともかく、対戦相手のディゼルとかいうクマ獣人も一緒とか、どうした事だろう?


「どうした、アレイスター? それにシガラキさんと……」

「ディゼルで構いませんよ、ススリアさん。実は私達3人は和平をお願いしたく話し合っていたのです」

「和平……?」


 聞くところによると、この【競争会場】を使った足止め作戦に対し、ディゼル自身はあまり乗り気ではないらしい。彼女は魔女スタダムを勧誘した張本人ではあるが、それはあくまでもハンドラ商会のさらなる発展のために勧誘しただけで、今回のような全面戦争は乗り気ではない、との事。


「敵側である私が言うのもなんですが、3人とも、それに会長もいつもと様子が違うように見えまして。いつもだったら、たとえ腹黒い一面を抱えていても、舌戦(こうしょう)をするのが、我らがシベリア会長なのですが」

「腹黒い一面、という部分には賛同するんだ……」


 ともかく、ディゼルが魔女スタダムを勧誘するために、シュンカトウ共和国を離れている数日の間に、シベリア会長、そしてこの場にいる3人がやけに好戦的になったという事だ。


「ですので、もしや会長を初めとして、皆さん誰かに操られているのではないかなって」

「なるほど。洗脳か」


 表立って、ディゼルは他の皆に「間違っているかも」という事は出来ない。

 もし洗脳されていなければ、商会の方針に従えないとして追い出される危険もある。それに、会長も操られているのならばその洗脳能力者は商会本部に深く入り込んでいる可能性が高い。だからこそ、ディゼルは従う振りをして、このような対決に参戦したという訳だ。


「私は魔女スタダムさんと相談して、この魔法魔道具【競争会場】に出された仕様を、少し変更させてもらったのです」

「本来であればこの空間内は外との時間の流れが10倍くらい遅くなっていて、それでも時間を稼ぐつもりだったらしい」


 10倍……つまりこちらでの10分が、外の世界だと100分----およそ1時間40分という事になる。

 1人ずつ戦う4回戦方式で、この時間の遅さで、かなりの時間が稼げただろう。


 それを、ディゼルは1/10に、こっそりと仕様を変更するようにお願いした。これで、こちらでの10分は、外の世界ではたったの1分----時間が逆に速く流れるようにしてくれたとの事。


「そいつは、ありがたい事だね」


 私としては軽い手伝いのつもりで来ているので、そんなに長い拘束は勘弁だったため、実にありがたい処置である。


「あぁ。私もその話を聞き、いつも憎たらしくも商売に熱心なシベリアらしくないと思ったんだ」


 と、シガラキ代表もそう答える。


「商会に携わっている者として、最も蔑ろにしてはいけない物が2つある。それは、お客様との『信頼』と、平等にしか与えられない『時間』の2つだ。

 ここにいる皆は、他の者とは比べようがない重要な役職の者達。そんな者達を足止めとはいえ、長時間拘束するのは『時間』を気にする商人にしては可笑しい。ましてや、他の幹部もその事に気付いているはずだ」


 誰も文句を言わずに戦っていることが不自然すぎると、この3人は考えている。


「なので、私はハンドラ商会の未来のため、この対決を出来る限り早く終わらせたく、今のうちに早く終わり、なおかつお互いに傷つかないように済むよう交渉をしているのです」

「私はこのディゼルの言葉を信用して、この戦いのうちから戦いを考えておこうと思っているのだ」

「私は、付き添いッス!」


 なるほど、結構大がかりな話になっているんだな~。

 そんな事を考えつつ、私はハイブリとの戦いを見ようとして----




「さぁ、このエルフのハイブリの戦法をお見せいたしましょう!」


 ----ガキンッ! ガキンガキンンッッ!!


 巨大人型ロボットに乗った、ハイブリの姿がそこにはあった。




「おぉ! 実に甘い! これは新食感、素晴らしい味です!」

「続いて、煮物をご賞味くださいませ。新しい船出を感じますよ」

「----おーっ! おおおおおっ、甘い! 甘味が、身体を駆け巡るぅぅぅぅ~!!」

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