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スローライフ配信をしてたら、相方のゴーレムがアップをはじめたようです  作者: アッキ@瓶の蓋。


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第216話 襲撃とアマーイサモーン配信

 ハンドラ商会の商人、その中でも幹部クラスの連中は、筋金入りの悪党である。

 



 エアクラフ・ハンドラ仕入れ担当本部長は、暴走族。しかも、ウミヅリ王国の関係者以外立ち入り禁止区域に入り込み、王族所有の豪華な馬車を破壊した器物損壊の罪により、懲役刑が言い渡された。


「しかし、会長であるシベリアが、破壊した馬車と同じだけの価値の高級馬車を、無償で提供。エアクラフの面倒を自分で見ると言い張って、エアクラフは保釈。その後、ハンドラ商会に入社。 

 暴走族時代に見つけた最短ルート、さらに族時代の伝手などで、高級、もしくは希少な素材を次々と仕入れ、現在は仕入れ担当の本部長職に」



 ディゼル・ハンドラ人材担当監査役は、スラム街の元スリ。スリ特有の速さを活かしたモノではなく、クマ獣人特有の力強さを利用して、相手をぶちのめしてからお金を奪うという暴力性を危険視され、同じく懲役刑が言い渡された。


「会長であるシベリア自らが、ディゼルと監獄内にて決闘。決闘に負けたディゼルは、その後シベリアによって保釈され、社会勉強と称してハンドラ商会に入社。

 スラム街にいた孤児達や半グレ集団を統率し、ハンドラ商会の人材層の厚さを支えている」



 ハイブリ・ハンドラ開発担当本部長は、危険物所持。エルフ族に伝わる『一瞬で疲れが吹っ飛ぶ薬草』という怪しすぎる薬草が、実は危険植物だということで、懲役刑とこの国における学校にて常識を再教育されるという処置が為された。


「彼女が更生のために通っていた学校に足しげく通っていたのが、シベリア会長。そして卒業と共に、彼女はハンドラ商会へと入社。

 薬学への深い知識と、元々の学習意欲の高さから、開発と宣伝の両方を兼ね備えた最強エルフとして、本部長に就任する」



 ソラ・ハンドラ副会長は、なんと王族殺害未遂。突如として天井を突き破って現れた彼女は、シュンカトウ共和国の盟主パファー、その前の盟主に対して腕を折るというとんでもない事をしでかし、終身刑が言い渡された。


「シベリアが有能な弁護士を高額で雇って、ソラの無実を証明。ソラは"空を飛ぶ乗り物から落ちた結果、偶然盟主のいる家へと落下しただけ"という事を証明し、終身刑ではなく、誤認逮捕という事で、懲役された期間から算出された慰謝料と共に、無事社会へと復帰。その後、シベリアの役に立ちたいと、ハンドラ商会へと入社。

 アマゾネスという面を考慮しても高すぎる身体能力から、ハンドラ商会に表立って暴力行為を行う者が減ったという」



 スコティッシュさんからの話を聞くと、ハンドラ商会のとんでもなさ具合が見えて来た。

 つまり、ハンドラ商会というのはシベリア会長が拾ってきた、"監獄に入れられた経験のある者達"によって支えられている組織である、と。


「シベリア会長、とんでもないですね……」

「えぇ。実際、ハンドラ商会の面々は、会長だからこそ付いて行っているという者が多く、彼女の存在が彼らの忠誠心の高さの源と言えましょう」


 私はいま、そんなハンドラ商会の所に、乗り込もうとしている。


 スコティッシュさんとシガラキ代表から説明を受けた私は、2人に連れられて現在(いま)、ドラゴンによって輸送中です。はい。

 ちなみに私の他にも、アレイスター、そしてイプシロンちゃんが着いて来ていた。


 アレイスターは「ハンドラ商会にカチコミに行くんッスよね!」という、謎の勘違いをしていたのだが、まぁ、相手の出方次第によっては戦闘もあり得るかと思い、同行を許可。

 そして、もう1人のイプシロンちゃんについてだが----


「ドラスト商会に敵対している所とは言え、相手は商会! それならば、このイプシロンちゃん作成の新作! 【アマーイサモーン】を売り込んで見せましょう! ビバ・新天地!」

「あの、イプシロンさん、ニャア。出来たら私達にも味見を……」

「勿論ですよ、スコティッシュさん! どうぞ、汁に甘みを与える、我が新作の魚を!」


 どうやら、新しく甘いサモーンを作ったらしく、それを納品、売り込むみたいである。

 ……私としては、魚に甘みは要らないと思うのだけど。


「うっ、美味(うま)い、ニャア! 脳に甘みが溶けて行くようだ、ニャア!」

「わっ、私も! 1匹、食べさせてください!」

「どうぞ! さぁ、新世界への大航海に導く、美味しいアマーイサモーンをご賞味あれ!」


 私の心配はいらなかったようで、アマーイサモーンはめちゃくちゃ好評みたいである。


 この世界、スイーツがなかったのもあって、甘味があまりない世界ですからね。前世の世界の知識を知っている私からしたら少し違和感を覚えるお魚だったんだけど、この世界の人達からしたら、新感覚で良い代物だったらしい。


 ……しかし、今から敵商会に乗り込もうとしているのにも関わらず、1人だけ魚の売り込みをしようとしているのはどうなんだろうか?

 まぁ、そういう人……いや、ゴーレムが1体くらい、居るのも良いだろう。


「さぁ、ハンドラ商会に私が作ったアマーイサモーンを堪能させ、我が船団に降伏させましょう!」


 ……いや、けっこう過激派なのかもしれない。イプシロンちゃんも。

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