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スローライフ配信をしてたら、相方のゴーレムがアップをはじめたようです  作者: アッキ@瓶の蓋。


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200/427

第200話 コ・ラホ領のサクラアさん配信(1)

 ----コ・ラホ領主邸。そこの屋外ガーデンにある、パラソル付きのテーブルと椅子に、彼女は腰かけていた。


「はじめまして、ススリアさん。それにカゲミツさん。

 ----私が、サクラア・コ・ラホでございます」


 その少女は、椅子から立ち上がるとそう丁寧に頭を下げる。綺麗な桃色の髪を持つ彼女の身体は、全身が筋肉で(・・・)ムキムキ(・・・・)であった。


「その筋肉、もしやアマゾネスですか?」

「流石は、ススリアさん。ご明察の通りです」


 儚げな口調なのに、筋肉ムキムキというアンバランスさが特徴の彼女。

 なるほど、彼女の母親というのは、アマゾネスか。


 アマゾネスというのは、筋肉ムキムキの女性しか存在しない戦闘民族。エルフや竜人といった亜人種とは違い、そういう民族と言った方が良いだろう。

 彼女達は森の中で自給自足の生活をしているのだが、ある一定周期で繁殖のために異性(おとこ)(さら)い、子を産ませるまで逃がさないという、ちょっと変わった習慣を持っている。


 彼女の父であり、この地方の領主であるツブア領主は、そんなアマゾネスに捕まってしまった、哀れな被害者、という事になるのだろう。

 半ば強制的に子を作らされたのに、その子を5歳から預かって9年間も我が子として扱うだなんて、よっぽどツブア領主は懐が低いのだろう。あるいは、断り切れなかった、という可能性もあるが。


「(じぃぃぃ……)」


 と、そんな事を考えながら、サクラアさん、そしてアマゾネスの事を考えていると、彼女が私をじっと見ている事に気付いた。

 桃色の愛らしい顔なのに、顔から下は筋肉ムキムキで2m越えとか、脳がバグりそうだなと思いつつ、私は彼女に質問する。


「どうして、そんなに睨みつけているんですか?」

「……すいません。配信で見た御姿のままだと思い、つい見過ぎてしまいました」


 「申し訳ありません」と謝るサクラアさん。


「わたくし、配信は好きで見ております故、知っている配信者を目にすると、緊張してしまい、思わず」

「そんな配信が好きならば、ボスと同じように、配信をすれば良いのでは?」


 カゲミツくんの言葉に、サクラアさんは「この身体なので無理です」と応える。


「わたくし、魔法が好きで仕方がないのでございますが、いかんせん、母親の血がアマゾネスという戦闘民族の血を引いております故、筋トレなどをしなくても自然とこのような身体に」

「なるほど……」


 一部の、筋肉がついて欲しくて仕方がない人達からして見れば、サクラアさんの発言はかなりイラっと来てしまうだろう。サクラアさんとしては、大好きな魔法の話をしたいのに。


 見かけというのは、重要だ。特に配信においては。

 例えば、『綺麗な洋服を着ている人』と『ゴミのようなボロボロな服を着た人』の、どちらの家事の配信を見たいかと言われれば、断然、前者の『綺麗な洋服を着ている人』だろう。

 説得力と言うか、家事を紹介しているのに、ボロボロな汚い服を着ていたら、それは心配してしまうのは当然である。


 サクラアさんの場合、こんな筋肉ムキムキな女性が、利己的な魔法の話をしていたら違和感があるという話だろう。筋トレ動画ならともかくとして。


「(まぁ、それに関しては彼女の問題だ)」


 本題は、サクラアさんが作ったという、ピエームのようにヒトと武器の両方の性質を宿した魔道具のことだ。




「それで、こちらが、私が作りました"ヒトと武器の両方の性質を宿した魔道具"になります」


 と、サクラアさんはそう言って、テーブルの上に小さな人形を置いて見せてきた。

 その人形は腕や足などが細かく動く仕様になっているらしく、彼女が動かすたびにカチコチっと、綺麗な音が鳴っていた。


「ちょっと、失礼しますね」


 私はそう言って、彼女が出して来た小さな人形を手に取って、確かめて見る。


「その腕、折り曲げると中に銃が入っているんです」

「なんと……!」


 サクラアさんがそう言うので、彼女の言う通りに腕を折り曲げると、腕の中から長い銃口のようなモノが見えて来た。


「(まさか、これって……)」


 この人形がなんなのかにある程度予想を付けた私は、そのまま今度は足を折り曲げて見る。すると、中から銃弾を放つための引き金が出て来た。

 その後も、人形の腕や足、頭や胴体をクルクルッと回すと……



「完成、スナイパーライフルです!」

「おぉっ! これは完成度の高い」



 スナイパーライフル、スナイパーライフルだよこれ!

 そうそうこの長い銃口と、狙撃のためのレンズを覗くことで、遠くの敵を視認して、長い銃口から放たれる銃弾が、遠くの敵をノックアウトするっていう……



「って、これはただの変形式のおもちゃじゃないですか!」


 サクラアさんには悪いが、人形を地面に叩きつける私であった。




(※)アマゾネス

 女しか居ない狩猟で生計を立てる、戦闘民族にして筋肉部族。分類的にはただの人間と同じだが、長い年月をかけて筋肉が発達しやすい者だけが生き残ってきたため、全員が筋肉ムッキムキの女性達

 女性しか居らず、また女性しか生まれないため、獣人のように繁殖期になると、手ごろな男性(オス)を捕まえて無理やり子供を作る事を迫って来る

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